【インタビュー後編】百足＆韻マン、初EP『MILLION』を語る「今年出した曲が全部100万再生超えてて」

2023.7.18 18:00

東京の百足と、大阪の韻マン。高校時代から数々のラップバトルで激戦を繰り広げてきた若きラップスターががっちり手を組んだ、それが百足＆韻マンだ。YouTubeで1800万再生を突破(2023年6月現在)した超ヒット「君のまま」を筆頭に、まったく異なるラップスタイルの融合が生み出す刺激と快感は、すでにヒップホップのエリアを超えてJ-POP界へと広く浸透しつつある。

◆百足＆韻マン画像

インタビュー前編では、ユニット名の由来や出会い、それぞれの背景やふたりの制作方法が明かされたが、後編では初EP『MILLION』についてたっぷりと語ってもらった。

▲EP『MILLION』

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■日本のちゃんとした環境で育ってるのに
■なんでマインドだけスラムなの？って

──百足＆韻マンの名義では初のEP『MILLION』がリリースされました。ずばり、出来栄えは？

韻マン：俺はめっちゃ好き。いろんなBPMの曲があって飽きないし。

百足：俺が前回のアルバムで言ってた「いつか買うバレンシアガ」みたいなことを、実際今は買えるようになったけど、“けど”の話を出来るようになったなと思っていて、その成長が歌詞に出てると思います。あの時買えなかった〇〇、今は買えるようになった“けど”、実際は…みたいなことを言えるようになって。リスナーは同い年か、自分より年下の子がほとんどだったんですけど、そういう歌詞で、自分より年上の世代にも聴いてもらえると嬉しいです。

──新曲のミュージックビデオは、「オオカミ」が最初ですか？

百足：はい。ほとんど全部作る予定ですけど。「オオカミ」が一番キャッチーなんで。

──「オオカミ」はどういうテーマで書き始めた曲ですか？

韻マン：本当にノリなんで、考えてない（笑）。「オオカミ」以外はけっこう考えたかもしれないですけど。

百足：“オオカミじゃないのにグルルッル”っていうのは、ラッパーって最近…日本は銃社会ではないじゃないですか。でも、ガヤとかで、“グルッグルッ”みたいな音を入れたがるじゃないですか。拳銃をぶっ放すスラングみたいな。

韻マン：わかりやすく言ったら、日本のちゃんとした環境で育ってるのに、なんでマインドだけスラムなの？っていうことを、“オオカミでもないのにグルルッル”って。

百足：ディス曲ではないですけどね。

韻マン：何でなんだろう？って、ただ思ってるだけ。

百足：だから自分は“グルルッル”をオオカミの声にして、“ホテルじゃオオカミ、グルルッル”で終わらすみたいな。ほんと、ノリっすね。クラブで酒飲んでて流れるDJタイムって、あんまり頭を使いたくないじゃないですか（笑）。リリカルな歌詞とかよりは、“グルルッル～”って言ってたほうが。

──確かに。この曲には“プププップ～”もあるし。“激おこプンプン”も出てくるし。

韻マン：そうそう（笑）。

百足：そのほうが絶対楽しいと思うんで。全曲これだったらちょっと馬鹿ですけど（笑）。この曲は、それこそカラオケとかでも、一回目のフックを知らなくても、2回目から歌えるじゃないですか。というのもあるんで、この曲がDAM CHANNEL(第一興商のカラオケDAMでしか見られない音楽情報番組)にはいいんじゃないかな？って。

▲百足

──ほかにも、いい感じのラブソングも入ってますね。

百足：「BABY」ですね。「君のまま」からついたファンの人たちは、「君のまま」に似てる曲を探すじゃないですか。なので、またそういうラブソングを作りました。

──百足はラブソングが得意だけど、韻マンがラブソングって珍しい気がする。

百足：そうなんですよ。

韻マン：個人的に恋愛の曲も作りたいんですけど、大阪では自分のスタジオを持ってなくて、なかなかスタジオに入れなくて。スタジオがちゃんと大阪にあったら、恋愛のやつも書いてると思います。

百足：いや、これは韻マンに言ってないですけど、“絶対こうなんじゃないの？”っていうものがあって。いつもスタジオに彼女を連れてくるんですよ。彼女がいる時に、エモい歌詞って書きにくいじゃないですか。

──あはは。そんな理由。

百足：俺は誰もいないから、“君のこと愛してるよ”とかなんとか言って、ブースを出て。でも韻マンは彼女が待ってるから。っていう理由じゃないの？あの場で書きにくいみたいな。

韻マン：うーん、ちょっと恥ずかしいみたいな（笑）。完成してから聴かせるならいいんですけど。

百足：みんな照れちゃうみたいな。エンジニアも俺も、彼女も韻マンも。絶対それはあると思う。

韻マン：…あるかな（笑）。