【MORCライブレポート】スティーヴン・パーシー、見事に観客を支配していくエンターテイナー
1980年代のL.A.メタルシーンを代表するバンド、RATTのシンガーであるスティーヴン・パーシーもこの船上フェスティバル<Monsters of Rock Cruise 2023>に出演し、現在のパフォーマンスを見せてくれた。
1991年にRATT解散後も再結成や脱退を繰り返し、バンドの権利を巡ってボビー・ブロッツァー(Dr)率いるバンドとの間でも分裂した後、最近はこのソロ名義での活動になって落ち着いているようだ。
ジェームズ・ボンドのSEで登場したスティーヴンは、レザーをまとい66歳とは思えぬほどセクシーなまま。驚いたのはルックスだけでなく、「Wanted Man」の冒頭から彼の歌声が随分と変わっている。以前は金属的に高く細い声であった為、ライブでは毎回のように聴き取りにくいものがあった。現在は高いキーも出せる上に以前よりも太く、歌をきちんと聴かせてくれるようになっている。
「Slip of The Lip」「You Think You're Tough」「Lovin' You's A Dirty Job」「You're In Love」と、どの楽曲もイントロだけで場内が沸き、そしてバックバンドも忠実な演奏で再現していく、まさにスティーヴン・パーシーのRATT 'N' ROLL!彼もまた見事に観客を支配していくエンターテイナーだと思う。そしてこの頃の多くのバンドがそういう力を持っている。だからこそ1980年代に活躍したバンドでこういうフェスティバルが実現できるのだ。
ジャケットの背中にはRATTのロゴ、彼の背負ってきたものに重みを感じるし、また今もその責任を果たそうとしている事を感られるショウになっている。実はこのクルーズフェスティバルは、ライブだけでなくフォトセッションやその他の企画イベントも全ての料金が含まれているのだが、スティーヴン・パーシーのみ別料金のミート&グリートを急遽発表していた。この件をあまり良く思わない雰囲気もあったようだが、もうこのライブを観てしまうとみんな慌ててチケットを購入したのではないだろうか(笑)。
「Lack of Communication」のギターソロ前にある「Back off!」な部分や、「Round and Round」での「to Juliet」等のキメ部分も観客が一体となってハッピーな瞬間。ギタリスト二人はツインのハモリパートもしっかりと聴かせてくれ、2ndステージでは「I'm Insane」から始まり、「Body Talk」も追加されたセットで再びスティーヴン・パーシーの魅力を再認識させられた。
文・写真◎Sweeet Rock / Aki
<Stephen Pearcy~ Monsters of Rock Cruise 2023 ~>
<1st Stage / 4.30>
1.Wanted Man
2.Slip of The Lip
3.You Think You're Tough
4.Way Cool Jr.
5.Lovin' You's A Dirty Job
6.You're In Love
7.Lay It Down
8.Lack of Communication
9.I Want Woman
10.Back for More
11.Round and Round
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