【ライブレポート】混沌少女、「アイドル界の天下取ります!」
混沌少女が3月18日、目黒鹿鳴館にて<単独公演「血獄ニ堕-ジゴクニダ-」>を開催した。
アイドルの概念を覆す勢いで活動中の混沌少女に根付いているのは、“ロック”のスピリッツ。楽曲やパフォーマンスにロック要素を含んでいるという表面的なものだけではなく、なによりも不屈な精神力にそれを感じることができる。そんな彼女たちがただならぬ想いを持って臨んだのが、<単独公演「血獄ニ堕-ジゴクニダ-」>だ。内容の違う2部構成のパフォーマンスを用意し、動員99人を目標にしてメンバー自ら告知に尽力した日々を経て迎えた当日。活動開始から約半年、混沌少女が己の限界突破を目指した“挑戦の1日”をライブレポートとしてお伝えしたい。
◆ライブ写真/ライブ映像
「混沌少女、始めます」というお馴染みの一言に続いて鳴り出す学校のチャイムが、混沌少女のライブ開始の合図。ここで幕が開くと、ステージには“地獄”の書が張り巡らされ、佇んでいるメンバーの装いも白装束に黒い羽織、裸足で首に縄をかけているという、なんとも不穏なスタイルだ。しかし、「アイドル界の天下取りますので、応援よろしくお願いします!」と意気込みを露わにした一言が、会場の熱を一気に高めた。
「カリスマ」がスタートした途端、前方の柵に足をかける前のめりな姿勢を見せた魑魅魍魎を筆頭にし、気迫が溢れかえるステージ。そこへ詰め寄るファンとぶつかり合い、「尖った」ではタオルを回して一体感を生む。“うっさいうっさい……”と感情に任せてステージ上を転げまわった「大人子供」や、正拳付きとダンサブルな要素を交えた「死にたいなんて嘘です。」に続き、ハイスピードなロックナンバー「フカイイミハゴザイマセン」へと実にノンストップに攻めていく。
序盤の怒涛な展開も、「ウォーミングアップは出来ていますか⁉」(魑魅魍魎)と彼女たちにとってはまだまだ序の口といった様子だ。ここで、この日のために用意したという新曲「クライタイタイ」を披露。“イタイ”から“歌イタイ”と願望を込めるように歌うエモーショナルさが心を揺さぶる、メロディアスな楽曲だ。そして“愛してる・大嫌い”を示す振り付けに可愛らさが覗けた「嘘吐嫌ヰ-ウソハキライ-」や、ラジオ体操を振り付けに交えながら女子が抱く独占欲をオカルトちっくに歌う「あなたのあのこ」。不朽不滅が「一緒に踊りましょう」と誘った「欝々鬱」や、叫びあげる歌がオーディエンスをガシガシと刺激する「ゲコクジョ」と、勢いはもちろんのこと楽曲に込められた心模様も豊かな表現力で魅せていった。
ここで、今回の単独公演に対する想いをそれぞれの口から聞くことができた。
「この<血獄ニ堕>というワンマンをやるにあたって、楽しいことばかりではなく辛いことも経験してきました。でも、いろいろなチャンスとかきっかけを与えてくれる環境にいて、応援してくれているみんながいて、夢に向かって頑張れています」──魑魅魍魎
「皆さん(ファン)が“混沌少女、大好き”と言ってくれて今のフロアがあると思います。『混沌少女、面白いじゃん』と思ってもらえるのは、混沌少女が面白いだけじゃなくて、皆さんの力があってこそだといつも思っています。本当にいつも支えられています、ありがとうございます。応援していて良かったと思ってもらえるように頑張ります。最後までついてきてください」──天下統一
そして、「<地獄ニ堕-ジゴクニダ->、大泣きしながら覚えた……」という不朽不滅が「混沌少女はみんなの心であり、これからもここで歌い続けます。応援よろしくお願いします」と3人が共通で抱いているであろう覚悟をしっかりと伝え、それを形にするように3人が手を重ねあって心を一つに歌い上げた「何度でも」。非常に心に沁みる。ラストスパートは、常に率先してオーディエンスの士気を滾らせる特攻隊長的存在の天下統一が「お前ら今日、ここに首置いていけ!」と叫んだ通りに頭を振り乱した「地獄ニ堕-ジゴクニダ-」と、「這い上がる世界」を一心不乱に歌い上げて1部が幕を閉じた。
◆2部 レポート