【速レポ】<中津川ソーラー>DAY2、TRI4TH、青空にほとばしるアクロバティック・プレイと喝采
台風が過ぎ去って、これぞTHE SOLAR BUDOKAN日和という晴天が戻ってきた、2日目。初日とは打って変わって午前中から気温もグングンと上昇中だが、RESPECT STAGEのトップバッターとしてこの気温上昇に加担したのが、踊れるジャズバンド、TRI4THの5人──伊藤隆郎(Dr)、織田祐亮(Tp)、藤田淳之介(Sax)、竹内大輔(Piano)、関谷友貴(B)だ。楽しみたくてウズウズとしているのか、登場SEが鳴りはじめる前から会場にはフライングで観客の手拍子が起こる。
◆TRI4TH 画像
「中津川THE SOLAR BUDOKANへようこそ。最後まで一緒に踊ろうぜ」という伊藤の挨拶を合図にスタートしたのは、パンキッシュなシンガロングで威勢よくはじまる「For The Loser」だ。ジャズのみならず、パンクやスカも飲み込んだ、前のめりでアグレッシヴなアンサンブルとパフォーマンスで国内外のステージを沸かせているTRI4TH。「For The Loser」は、青い空に映える青臭く、熱いスカパンクで、観客は軽快なビートや鍵盤にジャンプし、キャッチーなトランペットとサックスのフレーズに手拍子をしたり、拳を突き上げる。ステージ上も1曲目にしてエネルギーがほとばしっており、最高のはじまりだ。
そこから間髪入れずに、トライバルなビートにハイボルテージなサックスが炸裂する「Guns of Saxophone」になだれ込む。「晴れたぞ!」と伊藤は声をあげて、「3年ぶりの中津川、盛り上がっていこうぜ」と観客の腕をさらに高く上げさせた。関谷は大きなアップライトベースを軽々と掲げてプレイし、ステージを動き回ってプレイするホーンセクションふたりは、すでに汗だくなのがわかる。「Fiesta」では、裏でやっているヤバイTシャツ屋さんにかけて「全然ヤバくないTシャツ──Tシャツは着てないんだけど、こちらのステージに来てくれてありがとう。最後まで踊ろう」(伊藤)と、RESPECT STAGEの祝祭感を上げた。日差しが強く、観客は背中に太陽を背負い、加えてステージからは熱波がやってくるという、挟み撃ち状態に。
中盤も容赦なく、「Stompin’ Boogie」のロックなビートでステップを踏ませ、エフェクティヴなベースとピアノの陶酔感のあるグルーヴで揺らしていく「Goodtime」へと続いて、心地良くなったところでいよいよ後半。熱いスカチューン「Sand Castle」では、「2日目トップバッター、盛り上げていくぜ」「3年ぶりで、こんなもんか!」(伊藤)とまだまだ狂宴がはじまったばかりであることを告げる。伊藤はマイクを持ってドラムを離れて、エネルギッシュにメンバー紹介をしながら、名MCとしてメンバーも観客も盛り上げる。それぞれがスキルフルなプレイで魅せ、また紹介を受けたトランペットの織田はサッとハットをとると、スキンヘッドの真ん中に中津川の“中”が描かれているサービスぶりだ。
アルバム『GIFT』ではチバユウスケがボーカルをとるロックンロールな「JET JERRY ROLL」では、伊藤がボーカルでも魅せる。軽快にモンキーダンスをしたり、ステップを踏んだりと躍動感が広がっていく「FULL DRIVE」では、「そんなヌルいトランペットで沸くか!もっと吹け!」と伊藤が檄を飛ばし、織田はさらに顔を真っ赤にアグレッシヴにプレイし、アンサンブルの温度をあげる。関谷は大きなベースをぶん回してプレイしており、ステージ上はどこに目をやったらいいのかというアクロバティックな暴れぶりで、観客の拍手も熱い。
ラストは、コロナ禍で無観客ライブや配信と有観客ライブのハイブリッドでの開催を経て、3年ぶりにこうして中津川でTHE SOLAR BUDOKANを開催できたことに触れ、伊藤は「どんなにメディアでフェスが叩かれても、諦めなかった人たちです」とこのTHE SOLAR BUDOKANを讃える。「台風もぶっ飛ばして、おかげでこの天気だよ。これからもフェスを音楽を、中津川を、そしてTHE SOLAR BUDOKANを盛り上げていこう」(伊藤)と、最後は明るく、一体感溢れる「SENRITSU」で、トップバッターとして特大のホームランを飛ばしたTRI4TH。会場には大きな拍手がこだました。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎古川喜隆
【RESPECT STAGE】セットリスト
2. Guns of Saxophone
3. Fiesta
4. Stompin' Boogie
5. Goodtime
6. Sand Castle
7. LET JERRY ROLL
8. FULL DRIVE
9. SENRITSU
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ
この記事の関連情報
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>佐藤タイジ、「ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そう」
G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭2024>、第一弾発表にHAWAIIAN6、Dragon Ash、ROTTENGRAFFTY、佐藤タイジなど14組
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>、2024年の開催を断念「1年休ませてください」
【速レポ】<中津川ソーラー>奥田民生 Solar Session、レアでグダグダな充実共演「毎年、入口でやりましょう」
【速レポ】<中津川ソーラー>ストレイテナー、2DAYSの大トリは祝祭「ありがとう、待ってるよ。それまで元気で」
【速レポ】<中津川ソーラー>Original Love、愛とソウルで高みへ上り詰めたRESPECT STAGEクライマックス
【速レポ】<中津川ソーラー>シアターブルック w/ 河村隆一、「このフェスがやれて良かった!」
【速レポ】<中津川ソーラー>吉川晃司、強靱なバンドサウンドと最強のセットリストに大喝采「またね!」
【photo gallery】<中津川ソーラー>NONA REEVES