【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>Ken Yokoyama、「希望を持ってやっていこう」

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「<SATANIC CARNIVAL>、こんなに集まってくれてありがとう」

◆Ken Yokoyama ライブ写真

横山の短い挨拶から演奏になだれこむのかと思いきや、観客に背を向けチューニングを始めた横山にMinami(G)がすかさずつっこむ。

「もうちょっとかっこいい始まり方があるんじゃないですか。チューニングしてから喋ればよかったんですよ」
「なかなか定まらないね。その時その時をエンジョイしてるんだよ。こいつらに気を遣う必要はないじゃない(笑)」

横山の口からぽろっと出たエンジョイしているという言葉が、この日の横山とKen Bandのライブを物語っていたように思う。


「<SATANIC CARNIVAL>に誘われるのを、毎年楽しみに待ってます。今年も誘ってもらってうれしいです。1曲目はKen Bandのテーマソング!」

横山の歌をEKKUN(Dr)の2ビートが駆り立て、Minamiがギターをかき鳴らしながらハーモニーを重ねると、Jun Gray(B)のベースがぐいんぐいーんとドライブする。ざっくばらんな横山とMinamiのやりとりから気を取り直して、「Let The Beat Carry On」で演奏を始めたKen Bandが繋げた、速いリフを持つ「4Wheels 9Lives」に待ってましたとばかりに観客が拳を突き出した。


「改めましてKen Yokoyamaです。去年もこの場所で開催して来年くらいになれば落ち着いているだろうと思ってたけどね。世の中的には良くなってきたけど、ライブの場では息が詰まるような状況が続いている。でも、もうちょいだから。そこは希望を持とうぜ」

そう語りかけた横山は思えば、昨年このステージに立った時はまだ、観客が声を出せない状況の中ライブをやることに半信半疑だったのだから、ライブをエンジョイしている彼の姿こそが一番の見どころだったんじゃないかと思う。声を出せないことも含め、息が詰まるような状況がいまだ続く中、横山がライブをエンジョイできるようになった理由は、この日、彼自身が語った通り。

「カオスではないライブを体験して、特別なものを得られた。これはこれで好きなんだよな」


観客から送られた大きな拍手に気を良くした横山は、それまで持っていたグレッチ・ファルコンJr.をテレキャスターに持ち替え、嬉々として「新しいギターを作ったんだ。しかも、(ボディの)この絵は自分で描いた」と観客に自慢する。無邪気とも言えるそんな様子からも横山が今回の<SATANIC CARNIVAL>を楽しんでいることは明らかだったが、彼はテレキャスターを手に「I Love」「Can’t Take My Eyes Off You」の2曲を立て続けに披露。ギターの音色を他の曲ほど歪ませなかったのは、ギター本来の音色をじっくりと味わおうとしていたのだろうか。

「(<SATANIC CARNIVAL>を)来年やるのかどうか、PIZZA OF DEATHの社長として、俺は何も聞いてません」というしゃれっけたっぷりのMCも変に気負っていないことを思わせたが、「ぐしゃっとやれるかどうかはわからないけど、せめて声くらいは出せるようになったらいいな。そこは希望を持ってやっていこう」と横山は再び希望という言葉を口にしたのだった。


そして、再びグレッチ・ファルコンJr.を手にした彼は代表曲ばかりのセットリストの中でも特に人気の高い「I Won’t Turn Off My Radio」「Punk Rock Dream」を繋げ、以前にはなかった味が出てきた歌声とともに観客を歓ばせたのだが、その2曲以上に観客を狂喜させたのが、「こんな状況の中、<SATANIC>に来てくれて、Ken Yokoyamaを見てくれてるあなた達にありがとうという特別な気持ちをこめてやろうと思います」と、時間が巻いたため急遽、セットリストに加えた次の曲だった。

再び持ち替えたテレキャスターで、横山が鳴らしたリフに客席がどよめいた。まさかの「Stay Gold」。大きな拍手が起こった。

ラストを締めくくったのは「Believer」。もちろん、以前のようにシンガロングはできないが、この日、幾度となく「Singing in your heart!」と呼びかけた横山は、ここでは心の中で歌えとジェスチャーして、自分のマイクを客席に向けると、Jun Grayのマイクで歌った。横山のマイクに向けて、観客が突き出した拳と掌に横山も満足そうだった。

誰もがきっとこの姿を見たかったに違いない。この日のライブの手応えが彼に去りがたいと思わせたのだろう。1人ステージに残って、深々と頭を下げる横山の姿が印象的だった。

取材・文◎山口智男
撮影◎岸田哲平

【Ken Yokoyama セットリスト】

1.Let The Beat Carry On
2.4Wheels 9Lives
3.I Love
4.Can't Take My Eyes Off Of You
5.I Won't Turn Off My Radio
6.Punk Rock Dream
7.Stay Gold
8.Believer

■<SATANIC CARNIVAL 2022>

6月4日(土) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
6月5日(日) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
・物販 / FOOD AREA:start09:30
・ライブ観覧エリア:open10:30 / start11:30 ※19:25終演予定
▼6月4日(土)出演ラインナップ
BRAHMAN
coldrain
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
KUZIRA
マキシマム ザ ホルモン
NOISEMAKER
SHADOWS
SiM
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Suspended 4th
w.o.d.
THE FOREVER YOUNG
[OA] FUNNY THINK
▼6月5日(日)出演ラインナップ
04 Limited Sazabys
10-FEET
Crossfaith
CVLTE
dustbox
ENTH
ハルカミライ
MAN WITH A MISSION
Paledusk
SHANK
SHIMA
WANIMA
山嵐
[OA]SABLE HILLS

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