【ライブレポート】SHANK、エバヤンとスサシを迎えた<THE HEAVY CLASH TOUR>ファイナルで「もっと明るいほうに目を向けよう」

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SHANKが12月14日(火)、渋谷Spotify O-EASTで<THE HEAVY CLASH TOUR 2021>のファイナル公演を行なった。

◆<THE HEAVY CLASH TOUR 2021> 画像

もともと同タイトルの自主企画ライブを地元の長崎で不定期開催していたが、時と共に様々な形に発展。あるときは全国ワンマンツアーになったり、あるときは東名阪での<Three Heavy Clash TOUR>になったりと、変幻自在。今回は各地で様々なゲストバンドを迎えた計6本からなるツアー形式となった。






▲THE FOREVER YOUNG

そのファイナルとなった東京公演に迎えられたゲストバンドの一組目はTHE FOREVER YOUNG。福岡県久留米市のバンドで、SHANKと同じ九州地方出身という間柄もあって、付き合いは16年になるという。ギターのメロウなフレーズに徐々にバンドサウンドの厚みを加えながら、「本当の私になりたい」からライブはスタート。日本のパンクロックを吸収してきたTHE FOREVER YOUNG。日本語にこだわった歌を、サビつくことのない情熱と共に響かせる。青臭さというよりも純粋さがたっぷりのラブソングや人生の応援歌に、オーディエンスの気持ちは揺さぶられ続けていった。

「一緒に空気吸ってくれてありがとう! アイツらと仲良くなって16年ぐらいになります。こげな節目があるたび、呼んでもらったり呼んだりしています。友達になって16年、こうやっておっさんになっても音鳴らしていられる関係、素晴らしいと思う。世界が変わっても、景色が変わっても、俺たちが音楽にドキドキする気持ちは一生変わらない」

そう言いながら大切な相棒たちへ贈るように「FELLOWS」を鳴らす。終わることのない青春。仲間への愛情と、互いの絆。THE FOREVER YOUNGはバンドサウンドそのものだけじゃなく、メッセージでも心の底から熱くさせていった。








▲SPARK!!SOUND!!SHOW!!

ゲストバンドの二組目はSPARK!!SOUND!!SHOW!!。極悪サウンドと共に「ダイブ、モッシュは禁止。それ以外の表現方法で!」と煽りを食らわせ、ライブ本編へ突入した。メンバーは激しいライブパフォームを繰り出しながら、ハードコアやラップ、EDMも飲み込んだハイブリッドなサウンドを放出。ノリの良さと刺激が絡み合いながらグルーヴする様に、モッシュこそ、なんとか我慢してはいるものの、身をゆだねて昇天するオーディエンスも続出。

「SHANK好き好き倶楽部 東京支部 SPARK!!SOUND!!SHOW!!です。付き合いは10年ぐらいになります。まだチケットノルマを払ってやっていた弱小バンドが名古屋に呼び出されて、SHANKのお客さんの前でライブやらされたのが始まり。こっちはフックアップされた意識だったけど、SHANKにはそういう意識なくて、“おもしろそうだから一緒にやろう”と」

そんなエピソードも話しながら、曲は音楽への思いを綴った「アワーミュージック」へ。さっきまでのパーティ野郎たちから一転、素直な気持ちを歌にする純朴な青年たちだった。さらにSHANKに贈るように「still dreamin'」も歌い上げた。そんな振り幅や多様性もまたSPARK!!SOUND!!SHOW!!の魅力のひとつだ。

しかしながらライブ後半、パーティ野郎たちの血はやっぱり抑えきれない。Paleduskのメンバーも飛び入りし、ラウドな騒ぎを起こし続ける。興奮のあまりにステージダイブする仕草を見せつつ、自ら踏みとどまって、セーフのポーズを繰り返していたタナカユーキ。しかしラストはドラムに乗っかって、キメと同時にドラムセットにダイブ。意外な攻撃に爆笑も起こしながらステージを終えた。




▲SHANK

19時、メインアクトのSHANKがステージに登場。庵原(Vo/B)がベースを弾きながら歌い始めると、その大きなメロディに合わせてオーディエンスの腕が揺れる。気持ちがひとつになったポジティブな景色を生みながら、「Surface」からライブは始まった。軽やかなメロディとキレのある音が際立つ「Phantom」で一気に熱量を高め、続けてスカ要素のある「Life is...」を決めると、ステップも繰り出しながら心からライブを楽しむオーディエンスの姿が。

一発で乗れる分かりやすさとメロディの良さがSHANKの最大の魅力。いわばそれはメロディックパンクの旨味を凝縮したもの。未だ閉塞感も漂う世の中だが、SHANKの曲や音を浴びれば、開放感と爽快感の両方を贅沢なぐらい味わえる。同時に笑顔にもなれる。会場に広がる笑顔を見ながら、やっぱり笑顔の庵原、松崎(G/Cho)、池本(Dr/Cho)の3人。互いに嬉しくなるコンタクトも、ライブの瞬間ごとに繰り返されていく。

「バンドをやめていった人が数多くいる中、こうやって一緒にできるのが嬉しいです」と今回のツアーに参加してくれたオーディエンスやゲストバンドに感謝する庵原。しかし次の瞬間、力のみなぎった表情でこんなことも語った。

「コロナが始まったとき、昔所属していたレーベルの社長からパンクとかエクストリームな音楽は死ぬって言われたんですね。…見とけ、死なんかっただろ!」

百戦錬磨のライブバンドであり、地元・長崎でフェス<BLAZE UP NAGASAKI>を主宰するSHANKだから、その言葉は力強く、また説得力もある。オーディエンスからもコブシが突き上げられた。そんな強力な一体感の中、次々と曲をたたみ掛けるSHANK。「Bright Side」で「もっと明るいほうに目を向けよう」とメッセージしたことが象徴しているように、怒りや悲しみなど負の感情ではなく、もがきながらも前進し続けるエネルギーがSHANKの曲の核になっている。だからこそ、彼らはいつでもどんなときも曲を鳴らし続けなければいけない。


▲SHANK

ライブ後半では、2022年1月26日にリリースするフルアルバム『STEADY』から「Steady」も披露。今までと違う手触りでありながら、サビでは良質のメロディが一気に広がっていく。新作への期待も爆上げさせつつ盛り上がり続けるライブ。「Grimy Window」ではゲストベーシストとしてSPARK!!SOUND!!SHOW!!のチヨ(B/Cho)が加わり、呼ばれてもいないのにSPARK!!SOUND!!SHOW!!のイチロー(Dr/Cho/169)も出てきてダンスで熱狂。ツアーファイナルらしい楽しさも彩りながら、ライブはエンディングへと向かっていった。

本編ラスト「Long for the Blue moon」の直後、スクリーンには2022年3月19日に福岡BEAT STATIONから始まる<STEADY TOUR 2022>が発表された。そしてアンコールに応えて再登場したメンバーは、スクリーンを見ながら「多分、もっとやるから」と宣言。「Cigar Store」と「submarine」を熱く決め、SHANKはこの日のステージを締めくくった。

取材・文◎長谷川幸信
写真◎堺 柊人(THE FOREVER YOUNG)/Taka”nekoze_photo” (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)/岩渕直人 (SHANK)

■<THE HEAVY CLASH TOUR 2021>12月14日(火)@渋谷Spotify O-EAST セットリスト

【THE FOREVER YOUNG】
01. 本当の私になりたい
02. WORLD END
03. 今君を迎えにゆくんだ
04. I WANNA BE SHINE
05. GO STRAIGHT
06. FELLOWS
07. HELLO GOODBYE
【SPARK!!SOUND!!SHOW!!】
01. GOD SPEED
02. †黒天使†
03. good die
04. HAPPY BIRTH DIE
05. STEAL!!
06. アワーミュージック
07. still dreamin'
08. akuma feat.DAISUKE (Paledusk)
09. 南無
10. TOKYO MURDER
11. ヘビーローテーション feat.KAITO (Paledusk)
【SHANK】
01. Surface
02. Phantom
03. Life is...
04. Set the fire
05. Rising Down
06. Take Me Back
07. Good Night Darling
08. Departure
09. Two sweet coffees a day
10. Hope
11. Bright Side
12. Steady
13. Wake me up when night falls again
14. 620
15. Grimy Window
16. Isn't She Lovely
17. Love and Hate
18. Long for the Blue moon
encore
en1. Cigar Store
en2. submarine

■アルバム『STEADY』

発売日:2022年1月26日(水)
品番:CTCD-20093
価格:¥2,700(税抜)
発売元(レーベル):BAiTFiSH RECORDS
予約:https://avex.lnk.to/0126SHANK
収録内容:
01. Candy Cruise
02. Drain Water
03. Bright Side
04. Mind Games feat. HEY-SMITH
05. Rules
06. Karma
07. Lazy Daisy
08. Rising Down
09. High Tide
10. Fall Into The Night
11. Poker Face
12. Once Again
13. Steady


■<STEADY TOUR 2022>

3月19日(土) 福岡 BEAT STATION
開場17:15 / 開演18:00
(問)PROJECT FAMIRY 092-406-0855
3月21日(月・祝) 広島 CLUB QUATTRO
開場17:15 / 開演18:00
(問)YUMEBANCHI(広島) 082-249-3571
3月26日(土) 松山 WstudioRED
開場17:15 / 開演18:00
(問)DUKE 089-947-3535
3月27日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
開場17:15 / 開演18:00
(問)YUMEBANCHI(岡山) 086-231-3531
4月13日(水) 渋谷 Spotify O-EAST
開場18:15 / 開演19:00
(問)iTONY ENTERTAINMENT info@itony.co.jp
4月15日(金) 仙台 Rensa
開場18:15 / 開演19:00
(問)NORTH ROAD MUSIC 022-256-1000
4月17日(日) 札幌 PENNY LANE24
開場17:15 / 開演18:00
(問)SMASH EAST 011-261-5569
4月20日(水) 金沢 vanvan V4
開場18:15 / 開演19:00
(問)FOB 076-232-2424
4月22日(金) 名古屋 DIAMOND HALL
開場18:15 / 開演19:00
(問)JAILHOUSE 052-936-6041
4月23日(土) 大阪 NAMBA Hatch
開場17:15 / 開演18:00
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
▼チケット
税込4,200円(ドリンク代別)
【オフィシャル1次先行(抽選制)】
受付期間:12/14(火)22:00〜12/26(日)23:59
受付URL:https://l-tike.com/shank-steadytour2022/


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