ヤマハ、音当てゲームが楽しめる子供向け&アルペジエーター内蔵の高機能ミニキーボード2種
ヤマハのミニキーボード「PSSシリーズ」が復活。「reface」から継承した鍵盤を搭載した、子供の知育に最適なモデル「Remie(PSS-E30)」とクリエイティブな演奏が楽しめる高機能モデル「PSS-A50」が、11月20日に発売される。
▲「Remie(PSS-E30)」と「PSS-A50」ともに506×201×54(W×D×H)mm、1.2kg(電池含まず)と片手で持てるコンパクトさ。外部出力はステレオミニのヘッドホン出力を備える。
ヤマハの電子キーボードの中でもコンパクトなモデルとして2003年まで展開していた「PSSシリーズ」が、鍵盤楽器の一層の普及とユーザー拡大を目指し、誰でもどこでも気軽に演奏できる楽器として16年ぶりに復活。約50cm幅のコンパクトなボディ、弾きやすさで定評のあるヤマハ「reface」と同じミニ鍵盤(37鍵)を採用する点は共通ながら、性格のまったく異なる2モデルがラインナップされる。
■クイズも楽しめる子供向けモデル「Remie(PSS-E30)」
▲白を基調にやさしい色使いでまとめた丸みのあるボディが特徴的なRemie。ディスプレイは3桁の7セグメントLEDのみとシンプル。スピーカーは8cm×1、アンプ出力は1.4W。鍵盤はミニサイズながらカタカタすることもなく滑らかな演奏感が味わえる高品質なもの。
「Remie(レミー)」という愛称が付けられた「PSS-E30」のターゲットは子供、特に5歳時あたりの未就学児とその家族をメインとしている。ちなみに「レミー」はドレミのレミから。
最大の特徴は、楽器の音だけでなく効果音が74種類も入っていること。さまざまな動物の鳴き声や乗り物の音、電話のベル、レジの音にカメラのシャッター音、風や波、人の笑い声や悲鳴など、小さな子供の興味をひきそうな音が揃っている。また、30種類の内蔵曲や幅広いジャンルの自動演奏パターンも搭載、さまざまな種類の音楽を楽しめる。
▲トップパネルはすべて日本語表記。楽器も名称ではなくかわいいアイコンで示される点が子供向けらしいところ。鍵盤奥の水色とピンクの部分にあるのが効果音を表すアイコンだ。
さらに楽しいのがクイズモード。キーボードから鳴った音を当てて同じ鍵盤を弾いて答える「音当てクイズ」が楽しめる。レベルは3段階。レベル1なら犬の鳴き声が鳴ったら中央のレの鍵盤を押せば「ピンポン」と正解の音が鳴る。レベル2では電話のベルの後に馬の鳴き声といった具合に3つの音が順に鳴るので、対応する鍵盤を順番に押せば正解。記憶力も鍛えられる。そしてレベル3では同時になった3音を当てることになる。パーティなどで大人もいっしょに楽しめること間違いなしだ。
このクイズモードは効果音だけでなく楽器音でも楽しめる。子供の耳は3歳から6歳の間に成長すると言われているので、この機能は子供の音楽的素養を伸ばすのにぴったり。絶対音感を養いたい大人にもオススメだ。また、楽器音でのクイズも単音だけでなく3音同時の和音も出題される。ギタープレイヤーが耳を鍛えるのにも使えそうだ。
子供向けということで、本体は1.2kg(電池含まず)の超軽量、ボディ形状も丸みを帯びたものとなっている。また、夜に大きな音を出さないよう、音量を制限する機能があるのも子供向けならではの配慮だ。
電源は単3乾電池×4本を使用。MicroUSB端子からの電源供給も可能なので、スマホの電源アダプターが使用可能(ACアダプターは付属しないが、USBケーブルは同梱)。モバイルバッテリーがあればアウトドアで楽しむのにも不安はない。楽器音は47ボイスを内蔵、自動伴奏を使っての演奏もできるので、ゲームを楽しむだけなく楽器としても十分使えるモデルとなっている。
■音楽制作に活用できる高機能モデル「PSS-A50」
▲高機能モデルのPSS-A50。Remieと同サイズ・同形状ながらブラックの引き締まった外観はまったく違う印象。ディスプレイ、スピーカーも共通。ボタン配置も同じだが機能の割当はまったく異なる。複雑なフレーズや速いパッセージも弾きやすいreface鍵盤はタッチレスポンス対応。
ブラックボディの高機能モデル「PSS-A50」のメインターゲットは20代。「シンセは欲しいけど自分には無理かな」と思っている人でもクリエイティブな演奏が楽しめる機能と、音楽制作のツールとしても使える機能を、11,000円と手を出しやすいモデルに盛り込んでいる。
鍵盤は「Remie」と共通だが、こちらは弾く強さに応じて音に強弱がつけられるタッチレスポンスに対応。楽器音はピアノ、オルガン、ギター、ストリングスのほか、シンセ・リードやシンセ・パッドなどシンセ音を含む42音色を用意する(同時発音数は32)。また、鍵盤未経験者でも楽しめる機能も多数用意。リアルタイムにサウンドを変化させ自分だけの音楽をプレイすることができる。
▲パネル表記は英語で、楽器名も英語。アルペジオ(ARPEGGIO)とホールド(ARP.HOLD)、モーションエフェクト(MOTION EFFECT)を駆使してさまざまなフレーズを生み出す。離れた音程の間をスムーズな変化でつなぐポルタメントにもボタンを用意(SHIFTを同時押し)。
まずは鍵盤を押すだけでフレーズやバッキングパターンを作り出すアルペジエーター。ホールドボタンでそのフレーズを持続、さらに鍵盤を弾いて別の音色で音を重ねていくことができる。リズム音色をアルペジエーターで鳴らせばリズムボックス的な使い方も可能だ。
▲電池駆動またはUSBバッテリーからの電源供給でいつでもどこでも好きな場所で気軽にプレイ可能。
モーションエフェクトを組み合わせれば、音色を変化させることが可能。こもった音にするフィルターや音程を変化させるピッチ、モジュレーション(ビブラート)といった効果を加えることができる。一般的なシンセではツマミで行う機能をワンボタンでシンプルに行えるのが本機ならでは。また、1トラックのフレーズレコーダーはモーションエフェクトの操作込みでレコーディング可能。これらを組み合わせることで自分だけのサウンドをリアルタイムにどんどん生み出せる。これ1台で曲作りとまではいかないが、フレーズを作り出す楽しみは十分味わえる。
▲「PSS-A50」のUSB端子は電源供給だけでなくMIDI情報のやりとりにも対応。PCのそばに置いてもじゃまにならない小さなボディでDAWメインの音楽制作もサポートする。
さらに、本体で鳴っているフレーズはアルペジオパターンやエフェクト操作も含めMIDI出力されるのもポイント。「Remie」のUSB端子が電源供給専用なのに対して、「PSS-A50」のUSB端子はUSB-MIDIとして機能するのだ。本体で気に入ったフレーズができたらPCにUSBで接続してDAWにレコーディングすればDAWでの曲作りに生かすことが可能。リアルタイムレコーディング用のMIDIキーボードとしても活躍してくれる。「DTM向けに小さなキーボードが欲しい」かつ「単体でも音が出せるキーボードが欲しい」という要望にも十分以上に応えてくれる製品となっている。
製品情報
価格:オープン(市場想定価格 7,000円 税別)
◆PSS-A50
価格:オープン(市場想定価格 11,000円 税別)
発売日:2019年11月20日
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