【速レポ】<中津川ソーラー>a flood of circle、「こんなすげえ日があるなら、俺たちまだまだ行けるさ!」
感動した。ものすんごいライブだった。<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>ではいつも特別なライブをしてきたa flood of circleだけど、今年はひときわ感情剥き出しで、あらゆるリミットの限界を突破し、観たこともない景色を自ら作り出していた。そしてそれが彼らのロックンロールなんだということを、その言葉で、そのサウンドで、誇り高く証明してみせた。
◆a flood of circle 画像
サウンドチェックにて「スカイウォーカー」や中島みゆきの「ファイト!」を披露したのち本編へ。昨年と同じく、このフェスで歌うことに大きな意味のある「Summer Time Blues II」で口火を切ると、ラップ風ではなくラップ的に進化したフロウに、詰めかけたオーディエンスが熱い大歓声で応える。
間髪入れず「これがラスト、今日の最後。わかってんのか⁉︎ すげえことやらかすぞ!」(佐々木亮介 / Vo, G)と「Dancing Zombiez」に突入。音符の大きな展開でこそ暴れ馬たる真価を見せる渡邊一丘(Dr)、グルーヴを支配することでアンサンブル全体のタクトを振るうHISAYO(B)、全身全霊の歪みサウンドで狂騒を煽るアオキテツ(G)のプレイも冴え渡っている。
最新の奥義「ミッドナイト・クローラー」をブチかまし、節に乗せた佐々木流のMCへ。「俺たちは人力のロックンロールバンド。止まらねえぜ。たとえば武藤昭平、小坂忠さん。病気をやっつけたってのは、まあ奇跡もあるのかもね。でもすげえ闘ったはず。歴史の教科書に載る2011年の事故があってから、俺は信じてる。このフェスこそ、そのあとの歴史の教科書に載るって。そのあとの歴史がどうなるかって、俺たちが作るんだよ! 転がっていこう! 俺たちで転がそう!」
そして響いた「Diamond Rocks」。決意と覚悟の音が心を揺らし、大地さえ震わせる。続く「感光」は6/8拍子、要するに3連のリズムだが、3というのは割り切れない素数だ。そしてメジャーとマイナーの間にある音がブルーノートである。つまり、割り切れない、枠に収まらないものこそブルースであり、それがあるから彼らは歌い続けるのだと、改めて宣誓するかのような熱演だった。
あっという間に終盤戦。11月にリリースされるニューシングルから「夏の砂漠」を一足早くお披露目すると、続く「New Tribe」のドラムから入る冒頭部で、ただただ踊りまくるHISAYOがめちゃくちゃチャーミング(笑)。さらに「One Way Blues」。リフレインが生み出すエナジーのうねりがとどまるところを知らず、佐々木はスタンディングエリアへダイブ、観客の上で合唱を煽り、ステージでは3人のプレイが大爆発の大爆裂していた。
「最高! でも、俺が観たいのは最高の向こう! こんなすげえ日があるなら、俺たちまだまだ行けるさ! 俺たちとあんたたちの明日に捧げます」(佐々木)と「シーガル」を叩きつけ、大団円を迎える。「アイラブユー!」という言葉とピースサインを残し、4人はステージをあとにした。
で、終演のアナウンスが告げられたのだが、それでもアンコールを求めるハンドクラップが鳴り止まない。そんな状況に持ち時間なんて何のその、急遽1曲プレイすることに。万雷の拍手に迎えられたメンバーがチョイスしたのは「ベストライド」だ。《土砂降りの中を走ってゆけ》という泥臭すぎる歌詞が、笑顔と歓喜と希望と幸福に満ちた中津川の夜空を駆け抜けていったのだった。
取材・文◎秋摩竜太郎
撮影◎高橋良平
【a flood of circle@REALIZE STAGEセットリスト】
02. Dancing Zombiez
03. ミッドナイト・クローラー
04. Diamond Rocks
05. 感光
06. 夏の砂漠
07. New Tribe
08. One Way Blues
09. シーガル
En. ベストライド
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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