Hiroのもいもいフィンランドvol.58「あのフィンバンドは今?」

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そういえば昔好きだったあのバンド最近聞かないけど今どうしてるんだろう?っとふと思うことありませんか?フィンランドのバンドの情報日本までと届いてない場合も多いかと思うので、十数年前に人気あったフィンランドのバンドが今どうしているか?いくつかまとめてみたいと思います。

Hanoi Rocks


フィンランドから一番最初に世界に飛び出したロックバンドといえばHanoi Rocksではないかと思います。1984年にドラマーのラズルがMotley Crueのヴィンス・ニール運転の車に乗車中事故に遭い死亡。翌年バンドは解散。その後ソロ活動や他のバンドを組んだりしたメンバーもいましたが、2001年に再結成されたのは知っている方も多いかと思います。その後2009年にフェアウェルツアーを行い解散。マイケル・モンローは自分の名前のバンド「Michael Monroe」を結成。シンガーのオーディション番組「The Voice Of Finland」でシーズン1から6まで長くメンターを務めたこともありお茶の間でより知られるようになり、知名度もぐんと上がりHanoi Rocksの頃より幅広い年齢層でフィンランド国民に愛されるシンガーにのし上がったように思います。今はMichael Monroeバンドで元気に活動をしています。2004年からNew York Dollsのメンバーでもあったサミ・ヤッファは現在ベースでマイケルのバンドで活動中。彼はいろんな国を旅してその国の音楽に触れる音楽番組「Sound Tracker」を担当し、フィンランドのTV番組に与えるKultainen Venla(クルタイネン・ベンラ)で2015年ベスト音楽番組賞を受賞しています。

こちらはMichael Monroeバンドのミュージックビデオ!


アンディ・マッコイはThe Real McCoy Bandを結成したもののすぐに解散。別のバンドGrease Helmetを結成したもののこれも今は活動していませんが、この秋に自伝本発売の予定がある他、この秋から来年初めにかけてサミ・ヤッファとともに昔メンバーだったフィンランドのバンドPelle Miljoona Oyのツアーに参加予定もあります。アンディは画家でもあり自分の絵画の個展を開いたこともあります。こちらは2016年末にAndy McCoyとして1曲発売になった「Xmas Song」のミュージックビデオです。バッキングヴォーカルにHIMで知られるヴィッレ・ヴァロが参加しています。


HIM


全くメタルを聴かないフィンランド人でも知ってるのがHIM。もうご存知かと思いますが、昨年末ヘルシンキで行われたHelldone タヴァスティア公演をもってHIMは解散になりました。ギターのリンデと元ドラマーのガスは元Amorphisのニクラス・エテラヴオリなどと新バンドFlat Earthを結成。今年終わりにヨーロッパでデビューアルバム発売予定です。

Flat Earthのミュージックビデオです。


HIMのヴォーカルだったヴィッレ・ヴァロはフィンランドのベテランバンドAgentsとコラボすることがつい最近発表になりました。Agentsは1979年に設立されたバンドで、これまでに国内の人気シンガーとコラボしながら活動していました。ジャンルは歌詞がフィンランド語の元祖フィンロック/歌謡曲/イスケルマ(フィンランド演歌)をミックスした感じ。ヴィッレをヴォーカルに迎え9月21日デジタルシングル「Orpolapsi kiurun (Orphan Child of the Skylark)」発売。来年Ville Valo & Agentsでアルバム発売後はツアー予定もあるそうです。ただメタルではないと思います。Agentsは以前Villeとコラボしたこともあるのですが、私の中のAgentsのイメージは昭和の歌謡曲。ヴィッレがヴォーカルでどのような感じになるのかは観てからのお楽しみですね。

このコラボ興味ある方はこちらAgentsのFBを要チェック!

Negative


2010年に発売になった5枚目のスタジオアルバム『Neon』の後ただいま活動休止状態。ヴォーカルのヨンネ・アーロンは2012年秋にTV放映された人気シンガー達が1週間共同生活をし、お互いの曲を歌いあい、苦労話を語りお茶の間をほろりと泣かせる「Vain elamaa」(ヴァイン・エラマー)シーズン1に出演。この番組が大ヒットとなりその後ソロシンガーに転向。現在は歌詞がフィンランド語のフィンロック/イスケルマ系でソロアルバムをすでに2枚だし活動中。最初はソロアルバム1枚出した後Negativeの活動再開予定だといってたものの、ソロがあたりそのままソロ活動中です。Negativeでキーボードだったスナックはヨンネのソロでもキーボード担当しています。Negativeでベースだったアンッティ・アナトミーはUniklubiを脱退したテェーム・ラヤマキとバンドJupiterを結成するものの成功するとこまで及ばず、テェームはソロに転向。アンッティは地元タンペレのバーで時々音楽クイズの司会をやっているようです。そして悲しいことに、2008年にNegativeを脱退したギタリストのクリストゥスは昨年12月に39歳の若さで亡くなりました。死因は発表になっていません。

こちらはソロ活動中のヨンネ・アーロンのミュージックビデオです。現在のヨンネを知らない方は変化大なので心構えしてみてください。


Lovex


2013年に4枚目のスタジオアルバム『State of Mind』を発売後、翌年シングル「California」さらに2016年に今のところ最後となったシングル「Dust Into Diamonds」を発売。ツアー予定があるということで、どこに来てほしいか、チケット代はどのくらいがいいかなどのアンケートをとっていましたが、その後ツアーもなく活動がありません。ヴォーカルのセオンはたまに地元タンペレでアコースティックライブをやっています。たまにドラマーのジュリアンとデュオもやったりの他は最近全く活動がありません。

こちらは2年前に公開になった今のところ最後のミュージックビデオです。


Private Line


2011年に5年ぶりとなる3枚目のアルバム『Dead Decade』発売後、2014年にスタジオでのアコースティックライブを収録したDVDを発売し、最初はヴォーカルのサミー、ギターのジャック&イラリのトリオでアコースティックライブをやってましたが、まずジャックがぬけ、イラリもぬけ今はサミーがたまに一人でアコースティックライブをやってることがあります。イラリはバンドJayho結成、オーディション番組X Factorに挑戦。あまり先には進めなかったようですが、知名度は少しばかり上昇した感じ。もう一人のギタリストジャックもバンドThe Holy Ones結成。バンド初めてのライブに行く機会があり、話を聞いてみましたが、Private Lineは解散したわけじゃなく活動休止中だとのこと。なので新しいバンドを結成したそうです。The Holy Onesのほうはデジタルアルバム&LPレコードをこの秋発売予定とのことでした。

こちらはアコースティックライブを収めたDVDのミュージックビデオです。


ジャックの新バンドThe Holy OnesはこちらバンドのFBを要チェック!


Sturm und Drang


デビュー当時高校生メタルバンドと話題にあがりましたが、2012年3枚目となるアルバム『Graduation Day』発売後、2014年に解散。しばらく何も情報が入ってきませんでしたが、ヴォーカルのアンドレ・リンマンはメロディックなハードロックバンドOne Desireに加入。2017年シンガーたちがいろんなジャンルの歌に挑戦し、視聴者投票で勝ち進んでいくTV番組「Tahdet,Tahdet」シーズン4に出演。One Desireはこの11-12月にかけてスウェーデンのバンドH.E.A.Tのサポートアクトで、フィンランドの若手バンドShiraz Laneと一緒にヨーロッパツアーが予定されています。

アンドレが加入したOne Desireのミュージックビデオはこちら。


Naked


2010年に4作目のアルバム『Double Down』発売後のニューヨークライブのあと情報がなく、ほぼバンドの存在を忘れてましたが、先日2度目の一夜だけの再結成ライブがあるというので懐かしいじゃないかと観に行ってきました。そしたらびっくり。昔よりだんぜんかっこよくなってるではありませんか。どうやらバンド名をヴォーカルの本名CAMUに変更し活動再開とのことで、まずトリロジー(3部作)の第一弾MVとして「Empire State Of Sound」が公開になりました。この8年の間カムはニューヨークに残り、最初はストリートでギターを弾き、次にバーを経営、なんとアイスクリームの商品開発にまで手を出したそうですが、今はハワイに引っ越し家族もでき在住しているそうです。トリロジーのMVで彼の8年間の経験を表現するとのこと。うまくいけば来年夏ツアーの予定もあるとか。

バンド名がCAMUになり発表になった最初のミュージックビデオがこちら。


ベースのイラリ・ハマライネンは以前から子供向けバンドKengurumeininki(ドラムにApocalypticaのミッコ・シレン)の活動もしていましたが、他にヴォーカルを務めたSiberian Jay、80年代カバーバンドRock & Roll Sensationなどでも活動をしていました。2016年にはシンガーのオーディション番組The Voice Of Finlandに挑戦。優勝は逃しましたがメンター、タルヤ・トゥルネンチームでは2位でした。その後ソロ活動をしていて、昨年『Valo』(光) と『Varjo』(影)という2枚のソロアルバムを同時発売したほか、ミュージカルなどにも出演中。

こちらは今は亡きフィンランドの人気シンガーKirka(キルカ)のカヴァー曲。この秋はKirkaのミュージカルに出演しています。


10数年前は歌詞が英語の国内ロックバンドも結構人気あったのですが、最近、国内バンドについては歌詞がフィンランド語のほうが国内では一般的に人気で、もうすでに根強い人気を持っていたバンドはもちろん今でも強いですが、きっとそういう背景もあり歌詞をフィンランド語にかえてソロ活動するアーティストもいたり、別のバンドを結成するミュージッシャンも多いように思えます。人気あるバンドにいても他にサイドプロジェクトのバンドを持ってるミュージッシャンも多く、簡単にバンドって作れるんだなぁと思います。秋から春先までの暗くて寒い期間がとにかく長いフィンランドではあまりすることがないというのもバンドが多い一つの理由かもしれません。

今回あげたバンドが好きだった皆さん、メンバーの現在の活動もぜひチェックしてみてくださいね。

文:Hiromi Usenius

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