【インタビュー】テンプル・ボールズ「バンドは一歩大きく前進したよ」
テンプル・ボールズがアルバム『トレーディッド・ドリームス』を引っ提げてデビューを果たした。1970~1980年代のハード・ロックからの影響を感じさせるロックン・ロール系の楽曲は実に活きが良く、キャッチーなメロディ、アルデ(Vo)のパワフルな歌唱もバンドの大きなセールス・ポイントとなっている。
◆テンプル・ボールズ画像
2017年11月10日に東京shibuya duo MUSIC EXCHANGEで開催された<LOUD & METAL MANIA>にも出演した彼らだが、バンドの結成の経緯やアルバムについてアルデとイリ(G)に話を訊いた。
――バンドはどのようにして結成されたのですか?
イリ:このバンドは2009年に僕、イミ(B)、アンッティ(Dr)によって結成されたんだ。その後上手くいかないこともあったので、メンバーを入れ替えないといけなかった。アルデは2014年に加入したんだよな?
アルデ:2013年じゃなかったっけ?…いやいや、2014年だった。
――アルデは、それ以前はどんな活動を?
アルデ:いくつかのバンドにいたんだ。10~15くらいやっていたよ(笑)。2014年の初めには2つのバンドを掛け持ちしていて、ひとつはベーシスト兼ボーカリストで、もうひとつではギタリストをやっていた。でも、そんなに長くは続かなくて、どっちのバンドも辞めたんだ。将来の計画で意見が合わなかったり怠慢な連中がいたりしたから、上手くいかなかったんだよ。
イリ:実はアルデが加入する前、しばらくの間は僕が歌っていたんだけど、ギターと一緒にやるのはきつかったので、ボーカルを入れないといけなくなったんだ。その時、アルデが空いていたというわけ。
――アルデが入ってからバンドは変わりましたか?
イリ:そうだね、僕が思うに、フィンランドでも指折りのボーカリストが入ったわけだから、僕たちは間違いなくレベルアップしたよ。だから、お前は大歓迎さ(笑)。以前の僕たちとは大違いだもの。
アルデ:ありがとう。バンドは一歩大きく前進したよ。この3年の間にもそれを実感したね。
――ちなみにテンプル・ボールズのバンド名前の由来は?
イリ:ハノイ・ロックスのアンディ・マッコイの本の中で出てきた言葉から採ったんだ。
アルデ:響きがカッコ良かったから。
――アルデがバンドに入ってから、新しい曲をどんどん作っていったわけですか?
アルデ:そうだよ、最初からたくさんの曲を一緒に書いた。アルバムに収録しなかった曲が他に10曲以上はあったかな。
イリ:新曲はしょっちゅうできるよ。常に書いているからね。
――アルバム『トレーディッド・ドリームス』のレコーディングはタイで行なわれたんですよね?
アルデ:プロデューサーのトビアス・リンデル(スウェーデン人)がタイに住んでいたというのが主な理由だけど、もちろん、アルバム制作に適した環境だったということもあった。フィンランドでアルバムをレコーディングすると、スタジオでの仕事が終わるとすぐに家に帰るから、プロデューサーやメンバーとあまり話す機会がない。だから、2週間みんなで一緒に暮らせて凄く良かったよ。マネージャーやプロデューサーやエンジニアとも一緒にいられたしね。素晴らしい経験だったよ。場所も本当に素晴らしかった。
――アジアの国に行ったのは初めてでしたか?
アルデ:そうだよ。
イリ:確か、イミが以前一度タイに行ったことがあったと思うけど、他のメンバーにとっては初めてだった。
イミ:でも、不安はなかった。
――食べ物もおいしいですしね。
アルデ:そう、僕はタイ料理が大好きなんだ。美味しいよね。
――アルバムの収録曲はライブでプレイしていたものがメインですか?
アルデ:そうだね、3~4年前に書かれた曲もあったけど、アルバムの半分は僕がバンドに加入してから作られたものだ。
イリ:「フリーク・フラッグ」は、恐らく一番古い曲だ。僕がこの曲の断片を書いたのは2012年のことだったと思う。ある秘密を抱えているバーで働く男についての曲なんだ。かなり暗い話だよ。あと、「レッツ・ゲット・イット・オン」はアルデが歌詞を書いた初めての曲じゃなかった?
アルデ:そうだね、そうだった。この歌詞でジャムっていたら、すぐにあのコーラスができたんだ。パーティ・ソングさ。それ以外の何ものでもない。ゴキゲンな気分になるためのものであって、深いものは何もない。
――逆に歌詞が深いものはありますか?
アルデ:「ハング・オン」は1人取り残された男についての話なんだ。失恋物語だよ。僕たちは恋愛に関する歌詞はあまり書かないんだけどね(笑)。
イリ:でもこれは、典型的な失恋ソングよりも深いと思うんだ。もっと深い要素がある。
アルデ:そう、憎しみの要素もある。
――今後はどんな活動をしていきたいと考えていますか?
アルデ:ゴキゲンなロックン・ロールをやって行きたいよ。
イリ:素晴らしい2ndアルバムを作って、たくさんツアーしたい。
アルデ:日本にもたくさん来られるといいし、アメリカにも行きたい。
イリ:ヨーロッパもね。
取材・文:Jun Kawai
テンプル・ボールズ『トレーディッド・ドリームス』
【50セット通販限定 直筆サイン入りカード付きCD】¥2,800+税
【完全生産限定スペシャル・プライス盤CD】¥1,800+税
【通常盤CD】¥2,300+税
※日本盤限定ボーナストラック3曲収録/日本語解説書封入
1.イントロ
2.オフ・ザ・グリッド
3.フリーク・フラッグ
4.ヘル・アンド・フィーリン・ファイン
5.ウィ・スタンド・トール
6.マッド
7.レッツ・ゲット・イット・オン
8.ハング・オン
9.ライド・アロング
10.シックス・ウェイズ・トゥ・サンデー
11.アンダー・マイ・フィート
《日本盤限定ボーナストラック》
12.ホール・ロッタ・ロージー(AC/DC カヴァー)
13.マッド(デモ)
14.シックス・ウェイズ・トゥ・サンデー(デモ)
【メンバー】
アルデ(ヴォーカル)
イミ(ベース)
イリ(ギター)
ニコ(ギター)
アンッティ(ドラムス)
◆テンプル・ボールズ『トレーディッド・ドリームス』レーベルサイト
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