【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.127「フィンランド北部のオウルから飛び出してきた注目の若手バンド紹介」
フィンランド北部に位置するオウルといえば、エアギター世界選手権の開催地で今年は日本代表だった名倉七海さんが5年ぶり3度目の優勝で大会史上最多優勝を記録というニュースを見かけた方も多いかと思いますが、そのオウルから飛び出してきた2つの注目の若手バンド、以前も紹介したことありますが、ニューシングルが同じ日にリリースになったので改めて紹介したいと思います。
まずは来日公演観られた方もいるかと思いますがTemple Balls!
Pic:Joona Mäki - Huuru Media
これまでに何度か紹介しましたが、80年代のキャッチャーなハードロックがお好きな方なら気に入ること間違いなし!彼らのライブを初めて観たのはデビュー前の2016年春Reckless LoveのヘルシンキTavastia公演のオープニングアクトだった時で、バンド名さえ聞いたことがなかったものの、ライブ観たら印象に残り、帰宅してYouTubeでMVを探して観たらとっても気に入り自分の中で今後を要チェックバンドに。
同年夏Queen + Adam Lambertのヘルシンキ野外公演のオープニングアクトで再び観る機会があり、その後デビューアルバムを待っていたところ翌年2017年2月に『Traded Dreams』をリリース!同年秋にLoud And Metal Mania 2017で来日の後日本デビューも果たします!翌年日本の音楽雑誌BURRN!の読者投票によるBrightest Hope賞を日本のLovebitesに次いで2位の座に!ヘッドライナーの東欧ツアー、Sonata Arctica、スウェーデンのH.E.A.T.、フィンランドの同じく若手バンドShiraz Laneなどとヨーロッパツアーも重ね、4作目となるニューアルバム『Avalanche』を今年11月10日世界同時発売することが発表になりました!日本はアヴァロン・レーベルへ移籍し日本盤にはボーナストラックが収録されるようです。前2作と同じくプロデューサーはスウェーデンのH.E.A.T.やCrowneでおなじみのヨナ・ティーが担当。
先月先行シングルリリースでフィンランドのラジオ番組にゲスト出演した時に、来日公演の思い出を語っていて、バンド名の入ったフラッグをもらったのがとてもうれしくて今でもバンドの練習キャンパスに飾ってあるそうです。この最新作でまた来日実現するといいですね。
このニューアルバムから先行シングルとしてすでに3曲リリースになっています。
次に紹介するのはオウルで2013年に結成されたBlind Channel!
Pic:Christian Ripkens、Edit : Ossi Morko
2014年フィンランドのWacken Metal Battleで優勝しドイツで開催されたWacken Open Airに出演後、2016年に『Revolutions』でデビュー。2021年ユーロビジョン・ソングコンテストに「Dark Side」でフィンランド代表に選ばれ出場し、結果は6位だったもののこれをきっかけに人気爆発!この「Dark Side」は2021年度フィンランドで最も多くストリーミングされた国内の曲となりました。
昨年夏にリリースされた4作目のアルバム『Lifestyles of the Sick & Dangerous』と、そのアルバム収録曲「Bad Idea」はフィンランドでそれぞれゴールドディスクを受賞し、今年夏タンペレの遊園地であったライブで授賞式が行われました。
このアルバムは昨年12月日本のソニーミュージックより日本盤がリリースになりめでたく日本デビューとなりました。
昨年秋には同じくフィンランドのLost Societyをスペシャルゲストにヨーロッパヘッドライナーツアーを行い、今年初めニューシングル「Flatline」リリースのあとはヘッドライナーのヨーロッパツアー、続いて春にはPREVAIL や Electric Callboyとヨーロッパツアーに続きLacuna Coilと北米ツアー、夏は国内外数多くのフェス出演と引っ張りだこで超大忙し。さらに10月The Huとの北米ツアーが発表になったかと思ったら、今度は来年4月、ヨーロッパツアーの最終公演を彼らのこれまでのキャリアの中で最大級といえるフィンランドのタンペレのNokia Arenaで行うことが発表になりました。国内バンドがアリーナ公演というのはフィンランドではそうありません。ラジオ局Radio Rockではこの来年春の公演のチケットプレゼントがスタートし、ラジオ局のソーシャルメディアをチェックしてるとどの町のどこにチケットが隠されてるかヒントが出され、見つけた人にチケットプレゼントというなんとも面白い隠されたチケットを探せ企画が始まりました。
ツインヴォーカルの一人ヨエル・ホッカはフィンランドのインタビューでライ麦パンと寿司ビュッフェで生きてると言っていたので、この勢いでぜひ来日も実現し本場の寿司を食べてもらいたいところ。昨年末に行ったインタビューでは苗字がホッカだから北海道に行きたいとも語っていたので、それもそのうち実現するといいですね。
彼らは自分たちのサウンドをバイオレント・ポップと呼んでいましたが、今年になってニュー・メタルの章が始まったといってたのを見かけました。フィンランド国内では圧倒的に若い世代に人気でライブでは黄色い歓声が飛びかっていますが、国外のライブではサークルモッシュが起きてたりでメタルよりな感じもし、彼らのサウンドはポップやメタルの枠に入りきれないように思うのでとらえ方は人それぞれ。まだの方ぜひチェックしてみてください。ニューアルバムは来年春リリース予定で、今年すでに3曲シングルがリリースされています。どの曲にも日本語字幕ヴァージョンのMVが登場してるので、まずはチェックしてみてくださいね。
最新シングルの「Deadzone」のMVはラッパーとメタルヘッズの争いを描いたストーリー仕立てになっていて、10年前のBlind Channel結成の実話にインスパイアされて作られたそうですよ。
Blind Channelは今年のツアーダイアリーをYouTubeで公開していて、今現在Vol.5まで登場してます。こちらがその最新映像!
最近HRHMを聴いている年齢層が高くなってきてるように思うのですが、若いバンドもちゃんと誕生してきているので、その存在を多くの方に知ってもらってこれからのロック・メタルシーンをみんなで盛り上げていけたらいいなと思います。
文:Hiromi Usenius
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