【イベントレポート】新宿・ユニカビジョンに初BiSH。興奮の日比谷野音ライブ上映会

1月17日に西武新宿駅前のユニカビジョンにて、BiSH初の単独映像作品『Less Than SEX TOUR FiNAL “帝王切開” 日比谷野外大音楽堂』のプレミアム上映会が開催された。

これまで様々なアーティストのライブ映像で新宿を賑わせてきたユニカビジョンだが、BiSHとユニカビジョンの組み合わせによる単独上映会は今回が初。ちょうどDVD＆Blu-rayの店頭フラゲ日ということもあり、“清掃員”（BiSHファン）の熱も上昇している中でのイベントとなった。

この日、会場である西武新宿駅前ペペ広場では先着100名限定で高音質ヘッドホンの無料貸出も行なわれ、イベント開始前には駆けつけたファンがヘッドホン貸出を今か今かと待ち構える行列も発生。並んでいるファンの方に話を聞いてみたところ、映像作品の元となった2016年10月8日のツアーファイナルにも駆け付けていた人が多く「（ヘッドホンを着けてのイベントは）初めてです。ライブ映像にどれぐらい観客の声援が入っているか気になります」「（BiSHは）どんどんパフォーマンスが良くなってきているので、大画面で観るのが楽しみですね」といった期待のにじむ表情が続いた。

放送5分前ともなると、広場はビジョンを見上げるファンの姿で一杯に。ユニカビジョンからのカウントダウンを経ていよいよ上映会が始まった。100平方メートルにわたる巨大なLEDビジョン3面を使ってのライブ上映は、会場の熱気まで視える高精細ぶりだ。高音質ヘッドホンを装着すると周囲の様々な音からは隔絶され、目の前のライブに没入してしまう。耳からはBiSHのパワフルなパフォーマンスだけでなく、同時収録されたファンの声援もすぐ側から聴こえてくる。屋外の上映会だからこそ成せる、空気感を含めた野音ライブの再現といったところか。

（なお貸出ヘッドホンは無線タイプのため、最適な視聴エリアから離れるとノイズが走ることがあるが、自分の足で最適エリアを探っていく作業もライブ感を盛り上げる。あらかじめ広めに視聴エリアが確保されており、かなりの数の観客が集まっても対応できるように設定されていた）

▲スマートフォンアプリ「Another Track」

また、今回のプレミアム上映会でもう一つの目玉になっているのがスマートフォンアプリ「Another Track」との連動による“高音質サウンド同時配信”だ。アプリをダウンロードして起動し、番組放送中にスマートフォンをユニカビジョンへかざすと、ものの1～2秒ほどで放送中の映像と同期したライブ音源をスマートフォンから聴くことができる。

このAnother Trackは“生音源をそのまま”とも言うべき非常にクリアな音質で、上映中のライブとの距離感を一気に何十メートルも詰めてしまう臨場感を生み出していた。観客の中には高音質ヘッドホンとAnother Trackの聴き比べをしたあと、お気に入りの自前ヘッドホンやイヤホンでAnother Track視聴を楽しむ人も何人か見受けられた。

上映のあいだ、BiSHのパフォーマンスを食い入るように見つめているたくさんのファン達。今起きていることを記録しようとスマホを掲げてユニカビジョンを撮影する人や、Another Trackの機能でライブを楽しみながらSNSへの中継投稿をする人、BiSHの動きとともに手を振り、声をあげて応援するファンも少なからずいる。そしてそんな集まりに目を引かれ、「ライブやってるの？」と立ち止まる人もいる。ライブはアーティストの力だけでなく、応援するファンの存在まで含めて成立するものだ。逆に言えば、ファンが1つのライブのために一箇所に集まることには代えがたい価値がある。ユニカビジョンでの上映会はそれを肌で感じさせてくれる特別な場となった。

放映終了直後には「BiSH最高でした！」と笑顔で語ってくれるファンはもちろんのこと、「外国人観光客の方が面白がって立ち止まってくれた」「（ビジョンを通して）いろんな人の目にBiSHが届いてくれたら凄く嬉しい。これからも応援していきます」と興奮のコメントが目白押し。高音質ヘッドホンを借りられた人やAnother Track視聴組も「音が全然違う。安心してライブにのめりこめました」と満足した顔を見せてくれた。

2時間近くにわたった上映時間も、いざ始まってみるとあっという間。終わったあとにはもう一度やらないかなと少し物足りない気分になる。ユニカビジョンでは高音質ヘッドホンの貸出やAnother Track連動企画のある上映イベントを度々行なっているので、気になる方はユニカビジョン公式サイトにて上映スケジュールをチェックしてみてほしい。

text and photo by BARKS編集部（宮）