【速レポ】<中津川フェス>NO GENERATION GAPS、「イカした息子ができて…生きててよかった」

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初日の折り返し地点を過ぎた15時50分、REALIZEステージに登場したのがうじきつよし (子供ばんど)と佐々木亮介 (a flood of circle)による世代を超えた新ユニット“NO GENERATION GAPS”だ。

◆NO GENERATION GAPS (うじきつよし×佐々木亮介) 画像

ここREALIZEステージは今年新設された2つのステージのうちのひとつであり、入場ゲートから最も近い場所に位置する。ステージは大型トレーラーの荷台。フィールドには木材で組まれたヤグラの上にカラフルな電球が張り巡らされるなど、柔らかい手作り感が気持ちをホッコリさせてくれる。夕暮れ前という時間帯に加え、池にもほど近いシチュエーションが心地よい微風を運んでくれるようだ。


NO GENERATION GAPSのオープニングは「NGGのテーマ」から。黒いジャケットに黒いハット姿の2人が勢いよくアコースティックギターをストロークし始めた。「Clap Your Hands!」とシャウトした佐々木に、「外国人かオマエは?!」とうじきが突っ込む。「じゃあ、何て言うの(笑)?……お手を拝借か!」と佐々木。演奏中のトークも和やかで2人の呼吸はバッチリだ。

この異色ユニットは、<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014>での出会いをきっかけに生まれたもの。佐々木はうじきを“お父ちゃん”、うじきは佐々木を“ジュニア”と呼ぶなど、親子ほど年齢が離れていることから「ユニット名は“子供バンド”ならぬ、“親子バンド”で」という案も出たほどだとのこと。


子供バンドのセルフカバー「自由」に続けて演奏されたスピッツのカバー「チェリー」は、それぞれの世代のリアルタイムではなく、その中間の時代の曲を、ということで佐々木がセレクトしたナンバーだった。驚きは、その完成度にある。12弦エレアコに持ち替えたうじきが煌びやかなボイシングでサウンドに厚みと広がりを持たせ、佐々木がそこに流麗なオブリをかぶせる。それらギターサウンドに乗るボーカルハーモニーは圧巻だ。どちらもバンドのボーカリストにして、ギターソロもこなすプレイヤーという立ち位置がゆえ、2本のギターと2人の声によるサウンドにはまるで隙がない。

さらにはMCに入ると、「今日は麗蘭も出るでしょ。チャボさんに「オレもチャボさんの真似して年下と組みました」って楽屋に言いに行ったんだ(笑)」という話題で客席の笑いを誘ったかと思えば、「100年後のエネルギー資源って考えたことある? ずっと<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>が続くといいね」と真顔モードに突入するなど、起伏に富んだトークも尽きることがないのだからおそれ入る。



セットリストの見せ場は中盤。“中津川”といえば、1960年代後半から1970年代前半に開催されたフォークイベント<中津川フォークジャンボリー>開催地としても知られる土地だ。「当時演奏された」との紹介で奏でられた加川良のカバー「教訓」は安保闘争を背景にしたナンバーであり、続けて演奏されたタイマーズ版カバー「サマータイムブルース」は原発について歌われたものだ。もちろん<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>は政治的なメッセージを前面に据えたイベントではない。しかし、“太陽光発電”をきっかけにしてロック本来の在り方に自問自答するような場面は、集まったオーディエンスの心に深く焼き付いたに違いない。“原発はやめましょう。電力はソーラーで”という客席を巻き込んだ合唱が、そのメッセージの強さを物語っていたようだ。


それにしても、笑いを多分に含んだMCトークがあまりにも長すぎたようで、どうやら演奏予定曲をカットしつつのステージ進行となった約1時間。a flood of circleの「I LOVE YOU」、シアターブルックの「もう一度世界を変えるのさ」を最後に、2人のステージがあっと言う間のエンディングを迎えてしまった。

「全部やりたかったな(笑)。来年やろう!」と笑顔のうじきは、「イカした息子ができて、生きててよかったよ」と語ってステージを降りた。<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>は、異色と思えたユニットの強靱な結束を育んで、また来年も再来年も続いていくはずだ。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎俵 和彦


【NO GENERATION GAPS@REALIZE STAGEセットリスト】

-MCマツバ オープニング-
01. NGGのテーマ
02. 自由(子供ばんど)
03. チェリー(スピッツ)
04. 教訓(加川良)
05. サマータイムブルース(タイマーズ)
06. I LOVE YOU(a flood of circle)
07. もう一度世界を変えるのさ(シアター)
08. NGGのエンディングテーマ

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016>

Day1:2016年 9月10日(土)
Day2:2016年 9月11日(日)
会場:岐阜県中津川市 中津川公園内 特設ステージ
岐阜県中津川市茄子川1683-797
※雨天決行(荒天の場合は中止)

▼9月10日(土)出演者
シアターブルック、AFTER SCHOOL HANGOUT (林立夫&沼澤尚 with 鈴木茂, 森俊之, 沖山優司 featuring Leyona and 高橋幸宏)、チャットモンチー、DJダイノジ、怒髪天、H ZETTRIO、麗蘭、ましまろ、MONGOL800、NAMBA69、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND、RIZE、SA、Spinna B-ILL、10-FEET、Dragon Ash、SCOOBIE DO、THE BLACK COMET CLUB BAND、cro-magnon、加藤登紀子、シシド・カフカ、中川敬 (ソウル・フラワー・ユニオン) 、オレスカバンド、NO GENERATION GAPS(うじきつよし・佐々木亮介)、Dachambo、DJ NOBU A.K.A. BOMBRUSH! with IO, DONY JOINT & YOUNG JUJU (KANDYTOWN / BCDMG)

▼キャンパーズParty“Village Of illusion”
LIVE:フォークソング部 (NAOKI[SA]+上原子友康 [怒髪天])、藤井一彦 (THE GROOVERS)、 Rei
DJ:SEIYA、DJ PAIPAI & SWEET RAVE、DJ 吉沢dynamite.jp
Midnight illusion:瀧澤賢太郎、DJ EMMA、KEN ISHI

▼9月11日(日)出演者
ACIDMAN、a flood of circle、赤い公園、THE COLLECTORS、ダイノジ(Talk&Live)、the HIATUS、インディーズ電力 大取締役会、Nothing’s Carved In Stone、THE King ALL STARS(加山雄三、佐藤タイジ、古市コータロー、名越由貴夫、ウエノコウジ、武藤昭平、山本健太)、八代亜紀、さかいゆう feat. 福原美穂 × 中津川 JAM (柴山哲郎、沼澤尚、中條卓、森俊之) 、the LOW-ATUS、ROVO、浜崎貴司 GACHI SOLAR SPECIAL(浜崎貴司、仲井戸“CHABO”麗市、佐藤竹善(Sing Like Talking)、PES(RIP SLYME)、山田将司(THE BACK HORN))、MANNISH BOYS、LIVE FOR NIPPON 〜Pray For 熊本〜 (高田漣.・東田トモヒロ・山口洋)、 片平里菜、真心ブラザーズ、ストレイテナー、チャラン・ポ・ランタン、BimBamBoom、Young Juvenile Youth、OZROSAURUS、ROTH BART BARON、TheSunPaulo、Yasei Collective、iCas(インディーズ電力 大取締役会)、LIFE IS GROOVE(KenKen、山岸竜之介、SATOKO、タブゾンビ)

◆BARKS内<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016>特集
◆<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016>オフィシャルサイト
◆THEATRE BROOK オフィシャルサイト
◆佐藤タイジプロジェクト オフィシャルTwitter
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