【密着レポ】藍井エイル、ツアー7公演目「美味しい長野を満喫してます(笑)」

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藍井エイルが4月10日(日)、長野CLUB JUNK BOXにて全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016“D’AZUR-EST”>の7公演目を開催した。同公演に密着したレポートをお届けしたい。

◆藍井エイル 画像

全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 “D’AZUR-EST”>もいよいよ中盤戦に突入。7公演目となる長野CLUB JUNK BOXはJR長野駅からほど近く、アパレルショップが充実したショッピングビルの7階に位置するライブハウスだ。ロビーにはツアーポスターの数々が貼られており、その中には<ELLEGARDEN ELEVEN FIRE CRACKERS TOUR 06-07>のメンバーサイン入りポスターをはじめ、Acid Black Cherryやギターウルフなど大御所や生粋のライブバンドのポスターまで。その数の多さや物語る歴史に、長野CLUB JUNK BOXが老舗にしてアーティストからの信頼が厚いハコだということがよくわかる。しかも出演アーティストのジャンルは問わない。


取材班が到着した13時15分には、会場入り口前に物販スタートを待つファンの列が出来上がり、こちらに気づいたスタッフが楽屋へ案内してくれた。藍井エイルもエイルバンドのメンバーも、前々日の金沢AZ公演終了翌日に金沢から長野に移動、昨日はこの街を楽しんだとのことだ。

「実は長野にはあまり来たことがなくて、ここでのワンマンも初めてなんです!」とは藍井エイルが教えてくれたこと。ツアー中盤だけに疲れも出始めている頃かと心配したが、今日も笑顔が元気だ。楽屋ではメンバーが昼食中で、用意されたホットミールに舌鼓を打っているところ。温かなご飯がツアー中のメンバーにはなにより嬉しい。


ステージでバンドメンバーのサウンドチェックが始まる時間には、藍井エイルも楽屋で発声練習を始めた。本人曰く、「この曲、サビが高いんだよなー」とのことだが、そのハイトーンと伸びやかさにはいつもながら驚かされる。しかも生声。“高い!ってどこがやねん!?”と心の中で突っ込んだのは私だけではないはずだ。一方、ギターのサウンドチェックを終えた篤志が、「ステージ上はすでに灼熱です」と教えてくれた。もちろんこれは照明が発する熱について語られたものだが、この時点でこの日のライブがとんでもない熱気に包まれて盛り上がることが約束されたも同然だった。

藍井エイルはメンバーのサウンドチェック中にステージへ姿を現し、舞台上にセットリストを置いて突っ伏すように何かをそこへ書き込み始めた。どうやら、この日のMCで話したいことを赤字でメモしているようだ。ドラムの楠瀬タクヤ→ベースの黒須克彦→ギター&DJの篤志→ギターの新井弘毅→キーボードにしてバンマスの重永亮介と進行したサウンドチェックが終了すると、いよいよリハーサルがスタートした。

リハーサルは例によって全力。藍井エイルはステージと客席とを隔てる柵に足を掛けてみるなど、会場の特性を読み取りつつ本番さながらのパフォーマンスをみせた。「なんだかやりやすいね」と語った藍井エイルに対して、タクヤがこう答えた。「ステージ上が正方形に近いから、他のライブハウスとは音の聞こえ方も違うよね」。長野CLUB JUNK BOXはエイルバンドとして初めてのライブハウスながら、あっという間に会場の特徴や性質を察知して、自らのサウンドメイクやパフォーマンスに消化していく。藍井エイルをはじめバンドメンバー、そしてスタッフの技量の高さがうかがい知れる場面だった。

また、Zepp Tokyo公演の楽屋裏でタクヤが「5公演目を前にして、すでに仕上がってます」と語ってくれたが、その言葉通り、エイルバンドのサウンドはアンサンブルが絶妙に絡み合って隙がない。メンバー間のコミュニケーションも楽しげそのもので、バンマスの重永がシェイカーを振れば、それに合わせてタクヤがトロピカルなリズムを刻み、篤志がパッドでアクセントを加えるなど、即興のミニセッションが繰り広げられる。また、新井がエレクトリックシタールでPuffyの「これが私の生きる道」のフレーズを弾けば、それにバンドが乗っかっていくなど、音でのコミュニケーションも親密だ。

ちなみに新井は、先ごろ行われたさいたま公演のリハの合間に、さらりとヌーノ・ベッテンコートの超絶フレーズを奏でていたが、この日はAC/DCの「Thunderstruck」をさらりと。何気なく弾いた左手の高速フィンガリングエクササイズだろうが、そういった場面にキッズのように純粋なギター好きが滲み出る。黒須はiPadで検索したベーススピーカーをテックに見せてアドバイスを求めるなど、ベストなサウンドをいつも求めている。それは藍井エイルも同じだ。今回のツアーはこれまで3公演の密着取材を行っているが、彼女は気づけばいつも歌っている。ノドを温存するために、本番日のリハはあまり歌わないボーカリストも少なくないが、彼女はリハ前から笑顔の最大出力。それは、ひとつのステージに掛ける意気込みの強さであることに違いはないが、それ以前の問題として、歌うことが心底好きだということが伝わってくるような表情なのだ。つまりは天然。ナチュラルボーンなボーカリストだということが改めて感じられた。

リハーサルは開場30分前に終了。そのラストは、いつものようにメンバーがステージ中央で円を描き、藍井エイルの「“D’AZUR-EST”ツアー、長野、7本目です。思いっきり楽しんで、すべてを出し尽くしましょう!」という言葉に続けて、“えいえいるー!”のかけ声で士気を高めた。そしていよいよ長野初ワンマン本番へ。


この日の開演は17時。場内が暗転すると同時にSEが鳴り響き、フロアからウォー!という歓声が上がって青いペンライトが場内のそこかしこに煌めく。オープニングナンバーのインターでこの熱烈な声援に対して藍井エイルがこう応えた。

「長野!元気な声をどうもありがとう! 最後まで盛り上がっていきましょう!!」

ライブはその後もパワフルで伸びやかな歌声に満たされたナンバーを立て続けに披露。しかし、多彩な歌唱法が詰め込まれたアルバム『D’AZUR』からの楽曲を中心に構成されたセットリストは、艶やかさも切なさも激しさも憂いも、藍井エイルのボーカルが楽曲の持つ感情を増幅させて深く広く果てしない。ポップにはじけるアッパーチューンやダークなヘヴィチューン、刺激的なグランジナンバーや染み入るミディアムバラードまで、多様なサウンドで会場のグルーヴを起伏に富んだものにした。アニソンの括りを超えたサウンド&パフォーマンスは、想像以上にエネルギッシュで重量感に溢れるもの。とりわけ、ヘヴィなセクションは男性ファンの心を鷲づかみにしたようで、曲の合間に思わずオーディエンスが口にした「……カッコいい」という言葉がフロアに浮かび上がった。


「実は私、長野にはあまりお邪魔したことがないんですね。で、昨日長野に到着していろんなところに行ってみたんです。駅前ビルにMIDORIってあるでしょ。そこのブティックで買い物をしたり、信州そばとかごまそばを食べました。美味しい長野を満喫してます(笑)」

フロアとの距離感をMCでますます縮めたライブ後半は、ほとんど全員がジャンプ状態。ステージとフロアが渾然一体となって盛り上がるのだから、比喩ではなく本当に会場が揺れていた。しかも、ここはビルの7階だから床が抜けないか心配になるほど。これからツアーに参戦するという方は、体力を蓄えておいたほうがよさそうだ。

「長野がすごく元気いっぱいでホントに嬉しいです。あまり来ることができていなかったんですけど、またすぐに戻って来れるようがんばります。次に来たときは“ただいま!”と言わせてください」

本編ラストは青いペンライトの揺れも激しく、肩を組んでヘドバンする男性ファンの姿も見受けられるなど、あまりにも高い熱量のままに幕を閉じた。さらには、「アンコール!行くぞ!せーの!」とフロアのひとりが声を上げると、それに続いて“えいえいるー!”コールが鳴り止まない。この統率力は真田丸で賑わう信州ならではのものだろうか。


迎えたアンコールでは恒例のご当地MCも。まずは長野県発祥の焼き餅“おやき”について。「札幌では、おやき=大判焼きのことなんですけど、これから“おやき”は長野の“おやき”。札幌で“おやき”と呼んでいたものは“大判焼き”と言うようにするね(笑)」と、その味に魅了された様子だ。そして、長野のご当地CMを探したところ、『信州ポーク』に行き当たったとか。“今夜のおかずは信州ポーク〜”とラップ調のリズムにリリックをのせたラストに、 “とんでもねぇ、うまさだぜ!”をオーディエンスと絶叫。アンコールのラストナンバーを歌い終えたその最後には、「長野、最高だったぜ!」とご当地CMのセリフに重ね、「また戻ってくるね。“ただいま”って言わせてね!」と約束してステージを後にした。

終演後の楽屋もハッピームード。さらにはこの公演の翌々日12日が楠瀬タクヤの誕生日ということもあって、ケーキを用意しての誕生会がオーディエンスが退出した後のフロアで行われるなど、エイルバンドの一体感が際立つ長野公演となった。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)



●12thシングル「アクセンティア」

2016年3月2日リリース
※PS Vita用ゲームソフト「デジモンワールド -next Order-」(バンダイナムコエンターテインメント)主題歌
【初回盤 CD+DVD】SECL-1851~1852 \1,500(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1851
【通常盤 CD】SECL-1853 \1,300(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1853
【デジモン盤 CD】SECL-1854 \1,400(税込)
デジモンオリジナルイラスト デジパック仕様
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1854
※3形態共通:『デジモンワールド -next 0rder-』で使用できるアイテムが手に入るプロダクトコード付き!
M1.アクセンティア
M2.Close Friend
M3.春~spring~ ※Hysteric Blueの曲をカバー
M4.アクセンティア(Instrumental)

■藍井エイル「春~spring~」ダウンロードURL
https://itunes.apple.com/jp/album/akusentia-ep/id1085401647?at=10l3PY

■全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 ”D'AZUR-EST”>

3月19日(土)HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
3月21日(月・祝)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
3月26日(土)仙台 Rensa
3月30日(水)名古屋 ダイアモンドホール
4月03日(日)Zepp Tokyo
4月08日(金)金沢AZ
4月10日(日)長野 JUNK BOX
4月14日(木)松山 サロンキティ
4月16日(土)広島 BULE LIVE HIROSHIMA
4月22日(金)福岡 DRUM LOGOS
4月24日(日)熊本 Be.9 V1 (※公演中止)
4月29日(金・祝)旭川 CASINO DRIVE
4月30日(土)札幌 ペニーレーン24
5月06日(金)神戸 VARIT
5月08日(日)京都 MUSE
5月11日(水)大阪 BIG CAT
¥5,700(税込)別途Dr代 ※東京会場の2F指定席のみ¥6,200(税込)
席種:オールスタンディング(整理番号付)※東京会場のみ2F指定席あり
※3歳以上チケット必要
※お一人様4枚まで

■追加公演<Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 "D'AZUR-EST FINALE">

2016年6月23日(木)NHKホール
OPEN 18:00 / START 19:00
¥6,200(税込)/席種:全席指定/※3歳以上チケット必要
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
▼イープラス プレオーダー先行受付中
受付期間:3/29(火)12:00~4/4(月)18:00
http://eplus.jp/eir16e/ (PC・携帯・スマホ)

■ニューヨーク単独公演

2016年5月25日(水)Gramercy Theatre 127 East 23rd Street New York, NY 10010
18時:クランチーロールプレミアム開場
19時:一般開場
20時:ライブ開始

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