【短期連載】佐々木亮介 (a flood of circle) のTHE BLUE TOUR DIARY＿第7回『サラダ…軍艦…？@長野J』

燕三条から移動して来て辿り着いた長野Jの楽屋に入ると、テーブルに頂き物のアナログ・レコードが置かれていた。

◆a flood of circle (2016.4.17@長野J) 画像

中を見てみるとそこには、姐さんもフェイバリットのYMO「増殖」、YMOがプロダクションに参加しているシーナ&ロケッツ「真空パック」、他にもヒカシューやムーンライダーズの名盤が……ジャケットの格好良さに痺れながら、姐さんと一通り音楽談義で盛り上がる。「増殖」に入ってるコント、すごいよね。コント入れるってすごいよね。

俺達は今回の『THE BLUE』のリリースのタイミングで初めてアナログ盤を作った。コントは入ってない。でも入魂の2枚組。A面B面が『THE BLUE』の凝縮盤で、C面D面が弾き語り盤という構成になっている。マネージャーから聞いた話によると、アナログ盤を会場で販売していて「これはCDプレイヤーで再生出来るんですか？」と聞かれた経験があるらしい。それも不思議なことじゃないよな。俺もCD世代だから、初めてレコードに針を落とした時「……本当にこれで音が出んのかよ」って思ったもん。

それに今はもっと音楽の聴き方が沢山ある。それって面白いことだよね。だから別にアナログだったら何もかも最高って訳じゃないんだけどさ、俺は大好き。それを分かってくれるディレクターと共謀して数少なくても良いから刷ろうって覚悟決めてプレスした作品が、今回の盤ってわけ。是非聴いて欲しい。音楽を聴く手段って色々あって良いと思ってる。経験上、聴き方の違いによって新鮮な楽しさや面白さを発見できることがいっぱいあったから。アナログ・レコードにもカセット・テープにもCDにもデータにもストリーミングにも他のものにも、それぞれの面白みがある。単純に、それじゃなきゃ聴けない作品というものも存在するしさ。

選曲はもちろんだけど、ミックスや曲間のあり方までCDとは違うこだわりを持って作った『THE BLUE』アナログ盤。チェコからサンプル盤が送られて来て針を落とした時は感動したなあ。じっくり楽しんでほしいです。

長野Jに行くたび、どんどんホームの空気が濃くなって行くのを感じる。内装も落ち着く雰囲気だし。『THE BLUE』に収めた新しい曲「青く塗れ」もすごく馴染んでた。曲を子供に例えるのって気恥ずかしいけど、やっぱり育ってくると誇らしくなる。フロアも爆発してた。爆発してくれてありがとう。

長野は海に面していないからか、寿司ネタの定番としてサラダ軍艦という巻物が普及しているらしい。マヨネーズで和えたイカやタコが乗ってる軍艦巻き。けっこう長野に行ってるつもりだったけど初めて知ったよ……たこ焼きパーティみたいな感じでサラダ軍艦パーティをやるんだってね。たこ焼きパーティすら参加したことないけどね。なんか最近、軍艦の話ばっかりしてるね。

Jのスタッフ・チームと約束をした。また必ず帰ってくるということを。そしてその時にはきっと、楽屋にサラダ軍艦を用意してくれるということを……なんて暖かいライブハウスなんだ！

16/04/19 12:46　ヒカシュー「私はバカになりたい」を聴いてる

佐々木亮介



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