【冬だ一番MAX祭り! その2】MAXスタッフ、頑張りすぎてテレビ局を出禁に
デビュー20周年を迎えるMAXが、12月23日に3枚組全45曲入りというボリュームのベスト盤『MAXIMUM PERFECT BEST』をリリースする。ということで、MAXの歴史を本人たちに思う存分語ってもらうこの企画。今回は2ndシングル「Kiss me Kiss me, Baby」。
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(2)Kiss me Kiss me, Baby:1995年8月21日発売
── 企画物で終わるかもしれなかったはずのグループが、2ndシングル「Kiss me Kiss me, Baby」を出すことになります。
NANA:この時は、二枚目が作れたっていうことが嬉しかったし、深夜番組でしたけど歌番組にも初めて出る事ができたんですよ! だから、期待に応えたいっていう想いがすごく強くて、「Kiss me Kiss me, Baby」は「恋するヴェルファーレダンス」からすると、ちゃんとユーロビートの可愛らしい曲になっていたので、すごく売れる感じがしたんです。
MINA:ミュージックビデオの撮影も山中湖のハウススタジオまで行って、前作より力が入っていて。「恋するヴェルファーレダンス」の時は本当にヴェルファーレで撮ったんですけど、ミュージックビデオはそれぞれのソロカットもあって、時間はかかりましたけどしっかり撮って。
NANA:大変だったんだよね、ミュージックビデオの撮影は。
MINA:りっちゃんも朝六時くらいに入って、ソロカットの撮影が始まったのが……。
LINA:夜中の二時。この時代、ダンスミュージックを歌うっていうアーティストがまだ浸透していなくて、そういうミュージックビデオを撮るディレクターさんや監督さんもまだ慣れていなかったんです。お互いに手探りな状態で作品を作っていくという状態だったので、最初の頃は本当にミュージックビデオを作るのは朝から次の日の朝までっていうのが当たり前のスケジュールでした。
NANA:何百回と踊ったよね。
LINA:三分半くらいある曲をいろいろなカットでフルに踊って。だからダンスはいつもミュージックビデオ撮影で鍛えられるっていう流れでした。
── 本番で完成していく感じですね。
LINA:そこで何回もやっていくうちに体にも染みこんでいく感じでした。
── いよいよ本格的に2ndシングルを出すとなって、身の回りの何もかもが変わったと思うんですよ。その時に感じたことって覚えていますか。
NANA:この時には周りのスタッフみんなの意気込みもすごく感じたので、ここからちょっと……売れっ子になるのかな、みたいな(笑)。忙しくなったんですよ。だからその分期待感はありましたね。テレビ番組でも大きな『MAX』っていう電飾の看板を作ってくれて、それが嬉しくて「これ持って帰ります!」って言って、本当に持って帰ったんです。
── そんな大きな看板を持って帰ったんですか!?
MINA:『CDTV』だよ! MAXって書いてある幕をトラスに貼ってくれたやつなんです。
LINA:何か違うところで使いたいってね。こんなにMAXに愛情をかけてセットを作ってくれたっていうのが初めてだったので、持ち帰ってこれを違うところで使いたいってね。
NANA:まだSUPER MONKEY'Sと平行して活動していたので、多分みんな(看板の)行き先はそっちだと思ってたと思う(笑)。でも、この「Kiss me Kiss me, Baby」で行く(売れる)予定だったから、持って帰って、自分たちの単独になったら使おうって(笑)。それなのに、本当にみんなの期待に応えられず、なかなか曲が浸透しなかった悔しさは忘れられない。
LINA:SUPER MONKEY'Sの時ってどこに行っても大人気でスターで。どこに行ってもみんながウェルカム状態で、笑顔で一緒に踊ってくれて拍手も一杯でっていう感じだったんです。それが当たり前っていう感覚もちょっとあったので、MAXを結成してもみんなが同じようにみんなが迎え入れてくれると思っていたんですけど、どこでライブやってもみんながしれっとした顔で、冷たい視線がけっこう多くて、「もっとやってやる!」っていうハングリー精神的なものはここで培ったというか、「私たちもSUPER MONKEY'Sのようになる!」って強く想いました。
MINA:周りのスタッフが一生懸命にやってくれたのにも関わらずっていうのがあってね。一生懸命やってくれたエイベックスのスタッフさんがある局を出禁になったっていう(笑)。
NANA:それくらいみんなが愛情を注いでくれていました。
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MAXは、12月23日にはお台場ビーナスフォート、12月24日はタワーレコード渋谷店、12月26日にはレイクタウン越谷にて、MAXベストアルバム『MAXIMUM PERFECT BEST』発売記念イベント(ミニライブ&握手会)を開催する。