【インタビュー】SHINPEI(BREAKERZ)、「エナジー溢れる音楽にしかフォーカスしていない」

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逆立てた金髪、サングラス、鋼のような肉体美。危険な匂いを撒き散らすその風貌の一方で、TV番組『有吉反省会』や『バイキング』、自身のブログでみせるお掃除/整理整頓マニアな一面。いったいSHINPEIとは何者なのか。BREAKERZのDAIGOはギタリストとしての腕はもちろん彼の人柄を高く評価し、同じくAKIHIDEは「SEを作ったり、クリエイティヴなセンスがある」と音楽家トータルとしての才能を買っている。

◆SHINPEI 画像

BREAKERZでは太いギターサウンドをかき鳴らし、MUSCLE ATTACKではフロントマンとしてボーカル&ギターを務めるSHINPEIは、小学生の頃からキャッチーなロックに心ひかれていたという。そして中学時代、生のバンドサウンドに衝撃を受けたことがキッカケでギター漬けの日々を送ることになる。そのライフスタイルはシンプルかつストイック。趣味の筋トレでムダな贅肉を削ぎ落とし、家の中は整理整頓を心がけ、これまた必要のないものはいらないという徹底ぶり。そんなSHINPEIのギターイズムと素顔にフォーカスしたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■ギターとの出会いは中学生のときでした
■ものすごく斬新で、あれは運命の瞬間

──まずはSHINPEIさんとギターの出会いから教えてください。

SHINPEI:ギターに出会う前から音楽は好きだったんですよ。TVだったり、友だちからの情報で聴いたりとか。お笑い番組やアニメをよく見ていて、アニメのルーツは『ドラゴンボール』と『シティハンター』。今でこそアニソンとロックは密接ですけど、当時としてはこの2つのアニメは特にキャッチーでロック要素が強い曲が流れていて。なかでも影山ヒロノブさんやTMネットワークさんの曲を好んで聴いていましたね。

──音楽の原体験はアニメだったんですね。

SHINPEI:お笑い番組だと『とんねるずのみなさんのおかげです』が好きで、そのテーマソングだった「ガラガラへびがやってくる」が初めて買ったCDだったり、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』の中の「マモー・ミモー野望のテーマ~情熱の嵐~」という曲だったり、そういうところから音楽に目覚めていったんですよね。あとはファミコンの『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』の曲。今でもサウンドトラックを聴いたりすることがあるんですけど、小学生の頃はそういう音楽に囲まれていましたね。

──どちらかというとインドアなタイプでした?

SHINPEI:いや、サッカーとゲームに明け暮れる普通の男子でした。

──それがギター少年に変貌したのは?

SHINPEI:ギターとの出会いは中学生のときでした。文化祭で初めて先輩のバンドが演奏するのを見て……もちろん中学生だからうまいわけじゃないんですけど、生の楽器の音が重なって響くのが、ものすごく斬新で、あれは運命の瞬間でした。

──そのバンドはどんな曲を演奏していたのですか?

SHINPEI:GLAYさんの「BELOVED」とB’zさんの「LOVE PHANTOM」です。「知ってる!この曲!こんなふうに弾いてたんだ」って。そのときにギターってすごくカッコいいって思ったんですよね。音も弾いている姿にもすごく魅かれて、そこから一気に音楽の聴こえ方が変わりました。家に帰って持っているCDを聴いたら、前よりギターの音が鮮明に響いてきたというか。

──それまではサッカー部に所属していたんですよね。

SHINPEI:そうです。サッカーに熱中していたんですが、あの日を境にガラリと音楽に変わりましたね。家にいる時間が多くなって1人で部屋にこもって練習したり、いろんな音楽を聴くようになったり。それこそインドアです(笑)。

──それから速攻で初ギターを入手されたわけですか?

SHINPEI:はい。お年玉かき集めて楽器屋さんでギターとアンプがセットになっている初心者用を買いました。そこからはTVの音楽番組をカセットに録音して、すりきれるまで聴く日々が続きましたね。当時は本屋に行けば音楽雑誌や楽器系雑誌が豊富に並んでいたので、練習材料にも困らなかった。友達から「このバンドいいよ」って教えてもらったり、新しい発見の毎日でしたね。

──ロック好きの友達もまわりにいたんですね。

SHINPEI:ギター好きの友達が学校の中に4~5人いたんです。お互いの家を行き来して「このフレーズ弾けるか?」って(笑)。それまでファミコンやサッカーの話で集まっていたのが、一気に音楽の話題に変わった感じだったかも。遊びの延長ではあったけれど、好きで弾いてるから吸収も早いんですよね。

──それでご家族に怒られるとか成績が落ちた経験は?

SHINPEI:ははは。テスト期間中にも弾いてたら怒られたことはありました。そこで「テストでそこそこの成績をとれば文句言われないんだな」って学んで(笑)。やることはやってあとはギターに没頭していましたね。

──プロのミュージシャンになろうと思ったきっかけはやっぱり文化祭で生バンドを見たことですか?

SHINPEI:文化祭はあくまでも第一歩ですね。進路を決めたのは高校のときで、音楽の専門学校に行こうって。高2のときに進路相談があったんですけど、先生によると誰よりも早く進む道を決めていたらしいです。結果論になっちゃいますけど、迷わなかったのはギターに熱中するあまり、あとに退けなくなった感覚があったのかもしれないです。この道を行くしかないって自分に言い聞かせていたのかもしれないですし。

──そこまでハマるということは音楽に救われたりも?

SHINPEI:僕は幸い時代的に食べるものに困っていたわけでもなく、争い事がある世の中に生きていたわけでもなくて。すごく豊かな時代に生まれた世代だと思っているんです。だから、不満だらけで、そういう感情をぶつけたくて音楽を始めたタイプではないんですよ。ただ、強いて言うなら自由で何でも選べたからこその悩みもあって、満たされているからこそ、もっとハングリーになりたかったり、もっと刺激が欲しかったり。そういう自分にピンときたのがギターの音だったんです。こんなにシビれることがあるのかって。

──SHINPEI少年にとって人生を変えるような体験だった?

SHINPEI:そうですね。こんなミラクルな体験を、ギターを通してほかの人にも感じてもらえるなら、こんなに素晴らしいことはないと思ったんです。自分がプロとして音楽を作って誰かに聴いてほしいと思う最大の意味はそこにあるんですよ。自分が音楽に感動して夢を見られたから、今度は願わくば僕が発信する側になって誰かを元気にするキッカケをつくれればなって。

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