All You Need is Music、クリス・ペプラーが語る、90年代洋楽の魅力とは? 第二回「洋楽編」

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音楽があり、人生がある。「All You Need is Music 人生は音楽でできている」というテーマのもと、特定の年代やテーマに毎回フォーカスし、その時代に誰もが経験した音楽やアーティスト、そしてその音楽をいまどう楽しめばよいかに言及しているコラムを紹介するこのニュース。今回は前回に引き続き、音楽シーンの動向を現場で見続けてきたクリス・ペプラーさんが登場し、「90年代洋楽の魅力」について語っている第二回「洋楽編」をダイジェストで紹介する。

クリス・ペプラーさんが語る、90年代の音楽シーンの魅力の第2回目は「洋楽編」。1988年にスタートしたJ-WAVEの音楽プログラム「TOKIO HOT 100」のナビゲーターであり、日本の音楽シーンの動向を現場で見続けてきたクリスさんは「90年代の洋楽シーン」をどうとらえているのだろうか?

「アメリカを中心に語るとすると、日本と同じように、90年代初頭には色々なジャンルの音楽が出てきたんですね。ただ面白いのは、アメリカのマーケットは、政治と密接にリンクしているということ。共和党のブッシュ大統領の時代は音楽も保守的で、93年に民主党のクリントン大統領になるとガラッと変わる。それまではパーティー音楽だったヒップホップが、どんどん先鋭化してくる。これまでの既存のジャンルにくくりきれなくなったグランジもその流れでしょうね。女性のシンガーソングライターもすごく豊かになって、アラニス・モリセット、トーリ・エイモスとか、女性のスタンスを主張するアーティストが出てきた。ノラ・ジョーンズもそう。とはいえスパイス・ガールズみたいなグループも出てくるわけで、非常に多様化していく時代ですね」

「ニルヴァーナは新鮮でしたよ。グランジ自体が、派手で表面的だった80年代音楽への反動だった気がするし、カート・コバーンはもともとパンクですから。みんな身奇麗にしてる中に、ああいう汚い格好で出てくるのは、やっぱり反動ですね。そういう意味ではガンズ&ローゼズの存在も大きいです。80年代のロックは悪ぶってるだけで、本当の不良はいなかった気がするけど、ガンズは本物の不良で、それまで隠語だったコトバを言いまくった(笑)。ガンズは87年デビューかな。そこで80年代の保守的な部分が少し変わって、それをさらに推し進めたのがニルヴァーナという気がする。グリーンデイもパンクと言われたけど、あれはポップパンクですよ。陰な部分を感じない。アメリカの中流の子どもたちで、ファッションとして、カッコいいからパンクを聴いてるという子どもたちだから、パンクと言ってもそこが違いますね」

「クリスさんにとって良い音とは?」と訊ねると、「音楽は右脳でとらえるもの」という持論を語ってくれた。

「音楽は基本的に右脳でとらえるものなんだけど、MP3音源とか、圧縮の過程で耳に聴こえない周波数をカットしてしまったものは、左脳で受け止めてる感じがする。そうなると、音楽の本当の良さはわからないんじゃないかな。ネット中心、ダウンロード中心になっていくことで、ポータビリティとモビリティは増したけど、音質は下がったし、もしかしたら、それが音楽マーケットの低迷につながったのかもしれない。ちゃんとした音で音楽を聴くことは大切ですよね。それで本物の音楽を聴く楽しさがもう一度理解されて、90年代のような、豊かな音楽生活を取り戻すきっかけが生まれてくれればいいなと思いますよね」

クリスさんが重視する、「音楽の、本物だけが持つ豊かさ」。スマートフォンやデジタル・オーディオが必需品となる現在、物足りないパワーと音質を解消するために、ソニーのポータブルヘッドホンアンプ「PHA-1」とヘッドホン「MDR-1R」の組み合わせを提案したい。

このリスニング環境の良さをもっと詳しく知りたい人は、以下のリンクからこのコラムを楽しんでみてほしい。

1990s Oversea Music Single Sales Ranking
No.1 セリーヌ・ディオン with クライスラー&カンパニー「TO LOVE YOU MORE」
No.2 マライア・きゃりー「恋人たちのクリスマス」
No.3 ドリームズ・カム・トゥルー「WINTER SONG」
No.4 ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラブ・ユー」
No.5 エルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド~ダイアナ元英皇太子妃に捧ぐ」


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