レッド・ツェッペリン、「ブラック・ドッグ」では「もっと黒を入れてくれ」
9月21日、ロンドン/レスター・スクエアの映画館で、2007年12月10日にロンドンのO2アリーナで行なわれたレッド・ツェッペリンの再結成ライヴを収録した『祭典の日(奇跡のライヴ)』のプレミアが開かれた。この数年で最も話題になった…わずか1万8,000人しか目にしなかったライヴの全貌がついに明らかになった。
◆レッド・ツェッペリン画像
多数のさまざまな種類のカメラを使用して撮影された映像は臨場感にあふれ、その場にいるような体験をさせてくれるだけでなく、エフェクトも多用しているため、作品になったいまだからこそ味わえるビジュアルも見られる。監督によると、エフェクトにはメンバーからの要望も反映しており、たとえば「ブラック・ドッグ」ではロバート・プラントから「もっと黒を入れてくれ」とのリクエストがあったという。しかし、決して過剰ではなく、エネルギッシュなパフォーマンスの流れや臨場感を妨げることはない。生の部分とアーティスティックな部分がうまく編集された芸術面においても質の高いコンサート・フィルムとなっている。
この出来にメンバーが満足しているのは、その後開かれた記者会見にロバート・プラント、ジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズの3人がそろって出席したことが証明している。そして、映像だけでなくパフォーマンスにも満足しているからこそ、公開に踏み切ったのだろう。当然、1970年代のときとは別ものだが、レッド・ツェッペリンの偉大さを再確認させるパフォーマンスであり、ロック史に刻まれる一大イベントを余すことなくとらえた貴重な映像である。いま、それぞれの道を歩んでいる3人だが、レッド・ツェッペリンにいるときが一番素敵だ。
Ako Suzuki, London
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