『SKET DANCE』、『仮面ライダーメテオ』、ゴールデンボンバーを手掛けるサウンドプロデューサーtatsuo(everset)を大解明
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──ヘヴィロックバンドeversetのギタリストであり、プロデュース活動もされているtatsuoさんですが、今関わっているお仕事は、主にどういうものですか?
tatsuo:今抱えているのは、まずゴールデンボンバーのサウンドプロデュースですね。ヴォーカル鬼龍院から楽曲のMIDIデータが届いて、それをアレンジしてレコーディングするのが僕の役割なんです。ドラム、ギター、ベース、鍵盤、歌意外のすべてをRECします。ゴールデンボンバーの場合は鬼龍院の楽曲に対するイメージが明確で制作しやすいですね。時間がない時は事務所のエンジニアが鍵盤打ち込みが得意なので、お願い出来るところもこの現場では強いです。同じ事務所に所属している若手バンドのギルドの編曲もやってます。『SKET DANCE』というアニメがあるんですが、そのアニメから、リアル化されて生まれたThe Sketchbookというバンドがあるんですけど、作曲と編曲、サウンドプロデュースもやっています。そして今年の夏頃のリリースに向けて新しいアーティストの制作も着手しています。
──いろいろやられていますけど、方向性が違いますよね。
tatsuo:全然違いますね。スーパーヒーロー系、ビジュアル系と若い子向けのロックですから。
──そういう方向性の違うものをやるにあたって、頭の中でのスウィッチングはどうなっているんですか?
tatsuo:2011年は休みなく、ずーっと制作をしていたくらい、本当にハンパないくらいの楽曲制作をやっていたんです。だから、メロディと方向性さえ決まっていれば対応出来るスピードが付きましたね。例えばThe Sketchbookの曲をビジュアル系寄りにしてくれと言われればできるし、メロディー、方向性が明確であれば対応出来ますね。
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tatsuo:いやぁ、いっぱいいっぱいギリギリのところでやってますよ(笑)。
──プロデューサーって、楽曲やプロデュースの方向性を分析するタイプの方もいらっしゃいますが、天然でやる人もいますよね。tatsuoさんはどうですか?
tatsuo:僕は分析しないですね。二十歳くらいまでは音楽理論とかも勉強したんですけど、今はまったくそういうのも考えないし、このアーティストにはこの方向性だなって僕の中で決まって行くので、メロディーさえしっかりして、アレンジの方向性はクライアントと話をして、“こうしてほしい”というのがあれば、対応しますしね。音楽が生まれるノリを大事にしています。いわゆる、昔のロックミュージシャンって頭良くないじゃないですか(笑)。女、酒、的な…。それがいいと思うんですよね。音大で学んで来た方のような音楽理論にのっとった素晴らしい音楽というのは僕には出来ないので、先生方に任せて。僕には僕にしかできない楽曲制作の手法でいいんじゃないかなって思っています。
──あくまで自分にしかできないことをやるという感じですね。
tatsuo:僕は、上から目線のプロデュースではなく、なるべくそのアーティストの良さを引き出したいというスタンスなんですね。トップで動いているわけではないので、スタッフの意見も聞きつつ、いろいろ勉強させて音楽制作させて頂いてます。
──なるほど。ほか、最近関わっているお仕事は?
tatsuo:『ライチ☆光クラブ』っていう漫画があるんですけど、その漫画とコラボした音楽をPENICILLINのHAKUEIさんと一緒に制作しています。作曲、編曲、ゴールデンボンバーと同じくRECは全てやってます。こういう場合は漫画を読んで、キーワードをガヤコーラスの中に埋め込んだり。漫画の世界観、キャラを表現しているような楽曲を作っています。ロックでデジタルで、ヴィジュアル系っぽい部分もありながら、ムードっぽい所もHAKUEIさんが持ってくるので音楽の幅は広いですね。
──「VSK」というのは?
tatsuo:このバンドは謎のバンドなんです。(笑)ヴィジュアル系のスタイルでAKB48をカバーしたものなんですが、そのサウンドプロデュースをやっていますね。
──アコースティックユニット「SIDE GOLD」としての活動もされていますね。
tatsuo:GargoyleのギターKENTAROさんとのインストユニットですね。2011年11月25日に「invasive chord」というアルバムをリリースしました。アコースティックと言っても、結構バッキバキに弾いてます(笑)。エレキギタリストがやってるアコースティックユニットなのでアコギで早弾きなスタイルですね。アコースティックギターってなかなか弾く機会がないので、アコギを弾くためのユニットでもありますね。もうかれこれ10年近くやってるユニットなんですよ。自分のプレイを維持する為の修行のようなユニットですね(笑)。
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tatsuo:2011年放送していた『仮面ライダー・オーズ/000』で大黒摩季さんが唄った「Anything Goes!」、『仮面ライダー・フォーゼ』で土屋アンナさんが唄っている「Switch On!」の作曲、編曲、RECを担当しています。あと、「仮面ライダー」には二号ライダーというのが登場するんですけど、今回の『仮面ライダー・フォーゼ』の二号ライダー「仮面ライダーメテオ」のテーマソングを自分が所属しているバンドeversetで担当しています。「Shooting Star」という曲なんですが、3月7日にリリースされました。メテオはカンフー使いなキャラクターなので、仮面ライダー音楽プロデューサーとの打ち合わせから発想を膨らませて、中華的な音階を意識して使ってます。
──普段のeversetとはちょっと違う雰囲気もありますよね。
tatsuo:eversetは、今もライヴ活動は休止してるのですけど、その理由は、今まで以上に視野を広げた音楽を作りたい気持ちがあったんですね。僕らはインディーズで活動をしていたんですけど、今回はメジャーからのリリースなんです。インディーズの良いところでもあり、ダメなところって、好き勝手できるという…、自己満足になっている可能性が多々あると思うんです。その中でできてしまったeversetらしさみたいな枠があるんですけど、そういうのを取り払おうと。活動休止する前までは、そういう感じもあって楽曲も作りにくくなってたんです。「これはeversetじゃないな」とか、そうなると枠の中で音楽を作ることになってしまうじゃないですか。そんな中、こういうチャンスをもらえたというのはきっかけだなと思ったので、普段とは違うeversetを聴かせたいと思ったんですよ。そうしたら曲もサクッと書けたし。藤林先生が描いた歌詞を剛が唄うのもチャレンジだと思うし。でもいざやってみたら、「これってeversetじゃん!」って感じになったし(笑)。
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tatsuo:自分達では変わったつもりでも、たいして変わってないんですよね。だからもっと色んなことにチャレンジしていきたいって思えましたよね。自分のバンドの音楽は自由ですし、アーティストとして表に出ないと太るし(笑)。あと、この曲を唄うことで責任感も出たんですよ。「仮面ライダー」ってヒーローですからね。チビッ子たちが聴いてるわけですよ。僕らも大人になって、チビッ子にも夢を与えたいなって思うような年になっちゃいましたからね。「仮面ライダー」に関わったことで、eversetという名前をもっとたくさんの人に知ってもらうきっかけにもなりましたしね。この先のスケジュールもいろいろ決まってきたんですよ。活動休止のときに思い描いていた未来のシナリオというのがあったんですけど、それがだんだんリアル化されてきていて。風が吹いて来たなぁという感じです。それで魂売ってガッツリ売れようぜって話ではなく、ただ自分達が良い作品と感じる音楽を作って、長くやれたらいいなぁという団体なので(笑)。売れたら売れたでアーティストが大変になるのは良く知ってるしね。
──なおかつ、レーベルを運営もしてるんですよね。
tatsuo:バンドやプロデュース活動もしながら、自分のレーベルも持っています。MASSIVE ROCK RECORDSというんですけど、それはBULL ZEICHEN88の淳士(ex.SIAM SHADE)さんと、縛りもなく、楽しいことをやっていこう!!そんな仲間と団体として活動していこうということで始まったレーベルなんです。
──いろんな活動をパワフルにやられているなぁと思いますが、そのパワーの源はなんだと思いますか?
tatsuo:いまはツイッターなどでダイレクトに反応が返ってきますよね。そういう反応を見てパワーにしています。仮面ライダーメテオだったら、僕らを知らない人に「この曲、すげぇカッコいい」って言われると、「勝った!」みたいな感じになるし、ゴールデンボンバーのファンの間だと僕は、「ゴールデンボンバーの中の人」って呼ばれてるのですけど、ギターソロ最高!!、アレンジ最高!!って評価されちゃうと、金爆ギャの為に「中の人もっと頑張っちゃうぞ~!!」的な(笑)今年もそういうところでパワーをもらって、走り続けたいと思います。
──今後の予定は?
tatsuo:変わらずゴールデンボンバー、ギルドの制作をやりつつ、eversetでは、仮面ライダーメテオがメテオストームってのに進化するんですよ。そのテーマソングもeversetが担当しています。Shooting Starと同じく作曲、編曲やってます。実はアニメの主題歌も決定しています。そして夏にリリースに向けての新しい新人アーティストのプロデュース制作に取りかかってますね。これは僕とのユニット的な感じでもあります。年末年始に向けて海外アーティストのプロデュースも決まっており今年も多忙ですね(汗)。2012年も受け身を取らず、攻めの音楽制作を心がけて行きますので期待してて下さい。
取材・文●大橋美貴子
『Shooting Star』
CD+DVD:AVCA-49510/B ¥1,890(tax in)
CD:AVCA-49511 ¥1,260(tax in)
発売中
◆tatsuo オフィシャルサイト
◆tatsuo Twitter
◆everset オフィシャルサイト
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