「城南海」のよみかたVol.8「おいしい奄美料理をみしょーれ(どうぞ召し上がれ)!」
今回の「城南海」のよみかたは、五反田にある奄美料理「みしょーれ奄美」さんからお届けします。こちらのお店は、2011年7月にスタートした城南海のオフィシャルファンクラブ“南海人(みなみんちゅ)”発足イベント(東京)の会場にもなったお店とのこと。「城南海さんは、歌は上手だし、かわいいし。応援しています!」と熱いエールを送ってくださったのは店長の春野さん。城さんを交えて、奄美料理について語っていただきました。さらに城さんには、大好評のブログ、また歌い手としての思いについても聞いてみました。
◆城南海 画像
シマ唄の音響熟成で黒糖焼酎「南海」が誕生か?
――みしょーれ奄美さんは、オープンされてどのくらいになりますか?
みしょーれ奄美:もともとは、十数年前から川崎で沖縄料理のお店をやっていたんですよ。でも歳を重ねるうちに、出身地の奄美のことが思い出されるようになりまして。奄美を冠にしたお店をしよう、と5年前にオープンしました。
――普段はどんなお客さまが多いんですか?
みしょーれ奄美:平日はビジネス街ですから、会社員の方が多いですね。土曜日などは奄美出身のグループの方々などいらっしゃいます。奄美料理のお店はそんなに多くないので、ネットで調べて、わざわざ遠くから来てくださる人も多いですよ。ある日いらしたお客さまと話したら、実は同級生だった、なんてこともありました。
――奄美料理といえば、真っ先に紹介されるものは何ですか?
城南海:やっぱり鶏飯(けいはん)ですね。ご飯に錦糸卵、鶏のささ身、ネギ、海苔、しいたけなどの具を入れて、鶏ガラスープをかけていただくんです。タンカンの皮を香りづけに入れたり、パパイヤの漬物を入れたりもしますね。奄美の家庭料理なので、どこのお家でも作っていますが、それぞれの家庭で味が違うんですよ。でも、だいたいみんな、自分の家の鶏飯が一番好きみたいです(笑)。一番時間がかかるのが、鶏ガラのスープですね。
――どのくらい時間がかかるんですか?
城南海:母に「鶏飯を作って」とお願いすると、前の日から仕込んでいますよ。お店ではいかがですか?
みしょーれ奄美:お店の場合は回転が速いから、家庭での作り方とは違いますが。鶏ガラスープは6時間以上煮込まないと、うま味が出ないんです。
城南海:そうなんですね!私は奄美で暮らしていたけれど、自分の地元について意外と解らないことがあって。奄美料理も、あまり詳しく調べたことがないから、お話を聞くと勉強になります。
――確かに、生まれ育った場所って、後から学ぶことが多いですね。あと奄美料理といえば、さきほど油ぞーめんも初めて食べました。
みしょーれ奄美:奄美大島は台風が多いんです。台風が来ると、船が来なくて、食料がなくなってしまう。だから、そうめんとかツナ缶詰とか、非常食を用意しておかないといけなくて。それを島の人は、郷土料理にしたんですよ。
城南海:みしょーれ奄美さんの油ぞーめんは、キャベツなど具が多く、ボリュームがあっておいしいですね。私の家ではニラといりこ、ランチョンミートくらいなんですけれど。そういえば、さきほどいただいた鶏飯に入っていたお漬物は何でしょうか?パパイヤの漬物の方は分かったのですが。
みしょーれ奄美:鹿児島の大根のつぼ漬です。香りづけに、みかんの皮を細かく刻んで入れています。タンカンの時期はタンカンを入れますけれどね。その他、奄美らしいものといえば…スモモはすごくおいしいですよ。あとはソテツの実の味噌で「なり味噌」があります。健康にもいいですよ。私たちの店では、ゴーヤの味噌炒めでお出ししています。
――おすすめのお酒は?
城南海:奄美は黒糖焼酎ですね。黒糖が島の特産品なので。
みしょーれ奄美:黒糖焼酎で一番飲みやすいのは、「れんと」ですね。
城南海:「れんと」はクラシック音楽を聴かせて熟成(音響熟成)させているんですよ。東京でも結構いろいろなところに置いてあって、黒糖焼酎の中ではメジャーですね。瓶が青くて、きれいなんですよ。
――クラッシック音楽で熟成?
城南海:そうなんです。私も音楽をやっているから「れんと」は二十歳になって最初に飲む、と決めていたお酒でした。私はお酒に強くないので、パッションフルーツのジュースで割って飲んだりします。
――ジュースで割るんですか?
城南海:沖縄でも泡盛をシークワーサーとかで割りますよね。ああいった感じです。
――クラシック音楽で熟成させるというなら、シマ唄でもあったらいいですね。
城南海:あはは。私の音楽を聴いて熟成したらどうなんだろう?と、気になりますね(笑)。
――どこかでやってみたいですよね。ぜひ黒糖焼酎「南海」で(笑)。
城南海:そうですね。どこかでできたらいいな。期待してます(笑)。
――ちなみに成人式は着物を着たんですか?
城南海:成人式では、みんな振袖ですよね。私は大島紬が着たかったので、白い大島紬を着たんですけれど、髪型を日本的な感じにまとめたら、銀座のママさんみたいな大人な感じになって(笑)。
――白い大島紬!すてきですね、
城南海:普通の大島紬はきれいですけれど、少し渋めの色なので。成人式のステージで歌わせて頂くということもあったから、もう少し明るい方がいいかな、と思って。会場は鹿児島の成人式だったので、中高生時代の友だちが来ていて「南海~」って応援してくれました。
思いを伝える、語り継ぐ歌い手でありたいんです
――南海ちゃんのオフィシャルブログでも、たびたび奄美料理を取り上げていますよね。いつも感心するんだけれど、とても丁寧に内容を書いていて。ブログはどのくらいの時間をかけて書いているんですか?
城南海:時間がかかるときは、2、3時間かけていますよ。文章を書くのは得意なわけではないので、頑張って書いています。
――いやいや、すごく分かりやすいブログだと思いますよ。
城南海:本当ですか?よかった。いろいろな世代の人が見ていると思うし、「今日、初めてこのブログを見る人も、いっぱいいるだろうな」ということを想定して書いていますね。初めて私のことを知って、今日ブログを見て、「どんな子だろう?」と読んでくださる方にもわかるように書くよう心がけています。
――どんな流れで書くのですか?
城南海:結構、写真を載せるので、まず写真を選んだ上で文章を考えています。5枚載せるのであれば、順番を考えて、間に文字を入れていく、という方法ですね。
――文章を考えているとき、一番悩むのは?
城南海:終わり方とかですね。でも、気負わないようにしています。ふふって笑って終わらせたり(笑)。デビューしたときよりは、肩の力を抜いて書いています。でも一生懸命書いたのに、時間がかかってログアウトしてしまっていて、文章が全部消えたこともたびたびありましたね。
――それは大変ですね!落ち込むなあ。
城南海:がっかりしますよね。仕方がないので、そういうときは、翌日に書いていますが(苦笑)。
――最近、詞は書きますか?
城南海:言葉が浮かんだら、ノートに少し書きますけれど。「紅」(城南海が作詞を担当。1stアルバム『加那-イトシキヒトヨ-』収録)のときは、テーマを決めて書きました。原曲は元々メジャーの曲なんですけれど、私がアレンジをマイナー調にして。夕焼けみたいなイメージがわいてきたので、ふたりの人が夕焼けを見ながら、原っぱのようなところに座っているイメージから作ったんです。
――あの詞で「南海さんの言葉は心を揺さぶる」、と感じました。
城南海:書こう、と思って書くのではなく、自分から自然にそういう言葉が出てきたら、書きたいと思うんです。言葉が出てくるのなら『紅』のように書いても良いと思うんですけれど、それまでは歌い手に徹したい。シマ唄が語り継がれてきたのは、その思いを語り継いできた人がいるからで、私はそのシマ唄を広めたい、と思って唄をはじめたから、シマ唄と同じように語り部としていきたいんです。アーティストという、新しいものを生みだしていく人は、とてもすてきだと思います。ただ私はシマ唄をルーツにしているので、今は自分の思いを書き起こす方でなく、伝えることを一番としています。
――なるほど。語り部として伝えるときに自分の言葉が必要であれば、ということですね。
城南海:「紅」はアイルランド音楽にシマ唄と同じような響きを感じて、それが今取り組んでいる私の卒業論文のテーマにもなっているんですけれど。「この自分の心に響いてくるアイルランド音楽の響きに言葉をつけたい」と思ったので、詞をつけました。それをCDにするということで、武部(聡志)さんがアレンジしてピアノを弾いてくださって。より一層、曲として大きなものに仕上がったと思います。
――前回の連載では、武部さんにご登場いただきました。
城南海:読みました!武部さんにインタビューされたと伺って「私がいないところでどんな話が出たんだろう」って、すごい気になっていたんですよ(笑)。ああいった形でのインタビューがない限り、自分のことをどう思っているかは聞かないし、解らないですよね。「あ、こういうふうに思っていらっしゃるんだ」とか、初めて知ることが多くて。うれしかったです。
――「本人がいないからこそ語れる」ことは、きっとたくさんありますよね。普段とは違った角度からの「城南海」も知りたいので、これからも南海ちゃん不在(笑)のインタビューは、企画していきます!
奄美料理のお店「みしょーれ奄美」
東京都品川区西五反田1-16-1 菅原ビル2F
※JR 五反田駅 西口 徒歩3分
※東急池上線 大崎広小路駅 徒歩5分
TEL 03-5436-5308
http://www16.ocn.ne.jp/~gachimay/index2.htm
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