「子供の歌声」は、疲れた心の癒しアイテム

子供が歌う楽曲がどうしてここまで大ヒットするのか?その秘密を探った先に行き着いたのは、日本音響研究所。テレビでもたびたび見かける鈴木松美氏が所長を務める研究所だ。ここでは、子供の歌声が我々に及ぼす影響も研究しているという。
以下が、研究所からの鑑定結果だ。
「今回の「マル・マル・モリ・モリ!」を歌っているのは芦田真菜ちゃんと鈴木福くんという“子ども”であるため、声に幼児性が見られます。発声の幼児性とは、発声器官及び神経系の発展途上により、ある一定の音程・音韻を発声しようとしても、不安定さが生じている状態を言います。そのため、こうした楽曲を子どもが聞いた場合、成人歌手の安定した歌唱とは異なり、子ども自身と同程度の不安定さをもった歌唱に対して親近感を感じ、“自分も歌っても大丈夫”と無意識な心理的作用が起こり、(たとえ一緒に歌ったり踊ったりをしなくても)安心感を感じている可能性が十分に考えられます。」──鈴木松美
そもそも「マル・マル・モリ・モリ!」は、子供にとって一緒に楽しく歌って踊れるだけではなく、安心感を得るための最高のBGMだったというのだ。さらに鈴木所長の分析はこう続く。
「これらの楽曲を大人が聞いた場合、子どもの発声の不安定さにより、聴く人の保護本能(よく母性本能といわれるもの)が刺激されリラックスできることが予想されます。特に聞き手が母親層であれば、より一層の効果が期待できます。」
子供の歌声は、こどもだけではなく大人にとっても癒しを与える存在であるということが音声学的に認められるのだとか。確かに、こういった専門的な分析を聞かずとも実体験からこれらを体感している人も多いのではないか。
不安定な世情に苦しまされた2011年だけに、いつもよりリラックスグッズに頼った年なのかもしれないし、子供の活躍が我々を癒し微笑みを戻し、ちょっとした元気を与えてくれたのは、ごくごく自然な流れだったのかもしれない。自分に子供がいなくても、子供が歌う「こどものうた」に心の安らぎを感じ、「マル・マル・モリ・モリ!」をなんとなく心の中でリピートしてしまうのは、今まで気付けなかった癒しのちょっと新しいスタイルに、琴線が反応していたのかも。

2011年12月17日発売
UICZ-8093 \1,800(税込)
1.マル・マル・モリ・モリ!/薫と友樹、たまにムック。(2011)
2.黒ネコのタンゴ/皆川おさむ(1969)
3.たらこ・たらこ・たらこ/キグルミ(2006)
4.ぼくの先生はフィーバー/原田 潤(1978)
5.学園天国/フィンガー5(1974)
6.シティ・コネクション/エマニエル(1981)
7.まねきねこダックの歌/たつやくんとマユミーヌ(2009)
8.山口さんちのツトム君/NHK東京児童合唱団(1976)
◆『こどものうた』レーベルサイト
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