トム・ウェイツ、10年ぶりのインタビュー「俺のゴールは日本にまた行くことだ」
トム・ウェイツが、このたび10年ぶりに日本からのインタビューに応じ、日本への想いや、最新作『バッド・アズ・ミー』について語ってくれた。貴重な言葉をお届けしよう。
◆「サティスファイド」PV映像
トム・ウェイツは1973年のデビュー以来、グラミー受賞2作を含む20枚以上の作品を発表し、また、俳優/舞台音楽の名手としても知られる孤高の音楽詩人だが、2011年にロックの殿堂入りを果たした際の授賞式スピーチでも、自ら「私は気むずかしくて仕事がしづらい」と語っており、メディア嫌いでも知られているアーティストでもある。そんな彼が10年ぶりに日本へ語ってくれた言葉とは…。
まずはアルバム・タイトル『バッド・アズ・ミー』について。これはウェイツ曰く「自分の分身のような人物と出会った時、『お前がどんな人間かわかっている。俺と同じくらいのワルさ』と思うことに由来しているんだ。『お前もスパゲッティーをスプーンで食べるだろ。お前も汚れたグラスで平気で水が飲めるだろ。床でも平気で寝られるだろ。お前も裏庭に馬を飼っているだろ。お前も俺と同じくらい駄目な人間だろ』って親近感を覚えるようなことさ。」
また今作へ20年ぶりに3度目のゲスト参加を果たしたキース・リチャーズについては、「気心が知れているというだけでなく、尊敬と称賛の念を心から抱いている相手」と表現した上で、キースが初めてゲスト参加した『レイン・ドッグス』アルバムでは凄く緊張したものの、今作はスムーズだったとし、以下のような絶賛コメントを寄せている。
「1曲目の「シカゴ」で彼は対位旋律を弾いているんだが、そのカウンター・メロディが(ビッグ・ジョー・ウィリアムスの)「Baby, Please Don't Go」なんだ。正に立ち去ることを歌っている歌にぴったりの対旋律だ。彼は膨大な音楽の語彙を持っている。そういう部分こそ正に今回俺が求めていたもので、彼はそれを凄く自然にやってのけてしまうんだ。」──トム・ウェイツ
さらに、今作が初のゲスト参加となったレッド・ホット・チリ・ペッパ-ズのフリー(B)についても、貴重なエピソードを聞かせてくれた。
「面白い話がある。彼はロサンゼルスで、才能あるミュージシャンの卵達に少数精鋭で楽器を教える私立の音楽学校を運営しているんだが、その学校がある建物が、実はかつて俺が父親と一緒に酒を飲んでいたバーなんだ。学校のことを知って、彼に『君の学校はサンボーン通りにあるんだって?』と聞いたら『そうです』って言うから、『サンボーン・ハウスってバーはまだあるか』と尋ねたら、『いや、実はそのサンボーン・ハウスがうちの学校です』って言うんだ。『学校に改築したんです』ってね。『なんて素晴らしいんだ』と思ったよ。以来、彼から何度か学校のボランティア活動に協力してくれないかと頼まれて行った。非営利で運営しているからね。で、今回彼にアルバムで弾いてくれないかと頼んだら、彼も自分(レッチリ)のアルバムを作っているところだったにも関わらず、わざわざ時間を作って来てくれた。彼は、人柄が温かく、熱心だ。またミュージシャンとしても天性のものを持っている。」──トム・ウェイツ
最後に、日本でのコンサートが1978年以来33年間も実現していないことを告げると、ひとしきり大笑いした後、「長い間音信不通で申し訳ない。もの凄い量の仕事に埋もれていたんだ。日本にはまた行きたいと思っている。いつになるかはわからないが、俺のゴールは日本にまた行くことだ」と、嬉しい返事を寄せてくれた。
「みんなのことは決して忘れていない。新聞でも読んでいる。必ずまた日本には行くから、もう少し俺に時間をくれ」──トム・ウェイツ
現在公開されている『バッド・アズ・ミー』アルバムからの最新ビデオ「サティスファイド」は、トム・ウェイツのミュージック・ビデオとしては、2006年の3枚組企画盤『オーファンズ』からの「ライ・トゥ・ミー」以来5年ぶりとなるもの。今回の監督は(『バッド・アズ・ミー』アルバム・ブックレット中の写真も撮影している)ボブ・ディランの息子、ジェシー・ディランだ。以前、ボブ・ディランはトム・ウェイツを「密かに憧れるヒーローの一人」と称しており、またトム・ウェイツも今回のインタビューで「いつの日か、ボブ・ディランのアルバムをプロデュースしたい」と語っているほど、実は交友が深い。いつかトム・ウェイツとディラン親子の共同制作が実現することも期待したいところだ。
『バッド・アズ・ミー』
EICP1501 \2,520(税込)
※ボーナス・トラック収録
※初回スペシャル・パッケージ/ピクチャー・レーベル
◆トム・ウェイツ・オフィシャルサイト
◆トム・ウェイツ・オフィシャルサイト(海外)
◆BARKS洋楽チャンネル
◆「サティスファイド」PV映像
トム・ウェイツは1973年のデビュー以来、グラミー受賞2作を含む20枚以上の作品を発表し、また、俳優/舞台音楽の名手としても知られる孤高の音楽詩人だが、2011年にロックの殿堂入りを果たした際の授賞式スピーチでも、自ら「私は気むずかしくて仕事がしづらい」と語っており、メディア嫌いでも知られているアーティストでもある。そんな彼が10年ぶりに日本へ語ってくれた言葉とは…。
まずはアルバム・タイトル『バッド・アズ・ミー』について。これはウェイツ曰く「自分の分身のような人物と出会った時、『お前がどんな人間かわかっている。俺と同じくらいのワルさ』と思うことに由来しているんだ。『お前もスパゲッティーをスプーンで食べるだろ。お前も汚れたグラスで平気で水が飲めるだろ。床でも平気で寝られるだろ。お前も裏庭に馬を飼っているだろ。お前も俺と同じくらい駄目な人間だろ』って親近感を覚えるようなことさ。」
また今作へ20年ぶりに3度目のゲスト参加を果たしたキース・リチャーズについては、「気心が知れているというだけでなく、尊敬と称賛の念を心から抱いている相手」と表現した上で、キースが初めてゲスト参加した『レイン・ドッグス』アルバムでは凄く緊張したものの、今作はスムーズだったとし、以下のような絶賛コメントを寄せている。
「1曲目の「シカゴ」で彼は対位旋律を弾いているんだが、そのカウンター・メロディが(ビッグ・ジョー・ウィリアムスの)「Baby, Please Don't Go」なんだ。正に立ち去ることを歌っている歌にぴったりの対旋律だ。彼は膨大な音楽の語彙を持っている。そういう部分こそ正に今回俺が求めていたもので、彼はそれを凄く自然にやってのけてしまうんだ。」──トム・ウェイツ
さらに、今作が初のゲスト参加となったレッド・ホット・チリ・ペッパ-ズのフリー(B)についても、貴重なエピソードを聞かせてくれた。
「面白い話がある。彼はロサンゼルスで、才能あるミュージシャンの卵達に少数精鋭で楽器を教える私立の音楽学校を運営しているんだが、その学校がある建物が、実はかつて俺が父親と一緒に酒を飲んでいたバーなんだ。学校のことを知って、彼に『君の学校はサンボーン通りにあるんだって?』と聞いたら『そうです』って言うから、『サンボーン・ハウスってバーはまだあるか』と尋ねたら、『いや、実はそのサンボーン・ハウスがうちの学校です』って言うんだ。『学校に改築したんです』ってね。『なんて素晴らしいんだ』と思ったよ。以来、彼から何度か学校のボランティア活動に協力してくれないかと頼まれて行った。非営利で運営しているからね。で、今回彼にアルバムで弾いてくれないかと頼んだら、彼も自分(レッチリ)のアルバムを作っているところだったにも関わらず、わざわざ時間を作って来てくれた。彼は、人柄が温かく、熱心だ。またミュージシャンとしても天性のものを持っている。」──トム・ウェイツ
最後に、日本でのコンサートが1978年以来33年間も実現していないことを告げると、ひとしきり大笑いした後、「長い間音信不通で申し訳ない。もの凄い量の仕事に埋もれていたんだ。日本にはまた行きたいと思っている。いつになるかはわからないが、俺のゴールは日本にまた行くことだ」と、嬉しい返事を寄せてくれた。
「みんなのことは決して忘れていない。新聞でも読んでいる。必ずまた日本には行くから、もう少し俺に時間をくれ」──トム・ウェイツ
現在公開されている『バッド・アズ・ミー』アルバムからの最新ビデオ「サティスファイド」は、トム・ウェイツのミュージック・ビデオとしては、2006年の3枚組企画盤『オーファンズ』からの「ライ・トゥ・ミー」以来5年ぶりとなるもの。今回の監督は(『バッド・アズ・ミー』アルバム・ブックレット中の写真も撮影している)ボブ・ディランの息子、ジェシー・ディランだ。以前、ボブ・ディランはトム・ウェイツを「密かに憧れるヒーローの一人」と称しており、またトム・ウェイツも今回のインタビューで「いつの日か、ボブ・ディランのアルバムをプロデュースしたい」と語っているほど、実は交友が深い。いつかトム・ウェイツとディラン親子の共同制作が実現することも期待したいところだ。
『バッド・アズ・ミー』
EICP1501 \2,520(税込)
※ボーナス・トラック収録
※初回スペシャル・パッケージ/ピクチャー・レーベル
◆トム・ウェイツ・オフィシャルサイト
◆トム・ウェイツ・オフィシャルサイト(海外)
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