-異種格闘技対談-Ring【round2】第18回/冠徹弥(THE冠)&ガラ(MERRY)

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-異種格闘対談-Ring【round2】第18回

冠 徹弥(THE冠/Vo)/ ガラ(MERRY/Vo)/逹瑯(ムック/Vo)

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逹瑯:感想なんて誰でも言えるからね。友達だからこそ、ちゃんと向き合いたいというか。
冠:すごくいい関係性ですね、おふたりは。

――ところで、冠さんが歌詞を書かれるときこだわっている点は何ですか?

冠:伝えたいことを真面目に伝えるんじゃなく、ちょっとクスッとできる要素を加えて書くっていうとこはこだわってますね。かと言って、全部が全部伝えたいことを熱く語った歌詞ではないんですよ。メッセージ性の強い歌詞もあれば、そうじゃないモノもあるっていう。『最後のヘビーメタル』っていうアルバムの1曲目に入っている「私だけの十字架」なんてのは、嘘ばっかりつく女の歌ですからね。ちょっと下ネタも入ってるしっていう(笑)。

逹瑯:曲ってどうやって作ってるんですか?

冠:ギターをやってたこともあったから、ギターでリフを作って、それに歌メロを乗せていくって感じで作ってますね。

ガラ:曲が先なんですか?

冠:そう。曲が先。

逹瑯:THE冠名義で何曲くらいあるんですか?

冠:今まで出したアルバム3枚分くらいじゃないかな。

逹瑯:まだ今のところスランプないですか?

冠:いやいやいや。産みの苦しみは常にあるよ。曲のアイディアとかは、いろんなジャンルの音楽を聴いて刺激になってできたりもするんだけど、歌詞はレコーディングのきわきわ(ギリギリ)まで、ああでもないこうでもないってずっと悩んでますよ。

逹瑯:でも、悩み過ぎると余計に書けなくなりますよね。真面目に考え過ぎちゃうと、冠さんのあの味のある歌詞って生まれてこないんじゃないですか? 冠さんの曲って本当にめちゃめちゃカッコイイと思うけど、そこに普通の熱いだけのいい歌詞が乗っててもダメなんですもんね。あの冠さんならではの曲と歌詞の絶妙なバランスが、冠さんの個性だと思うし。

冠:入り込んじゃって真面目になり過ぎちゃうとね、うん。やっぱ俺じゃなくなっちゃうというか………。でも、たまぁ〜にそういうのもあるんですよ。『最後のヘビーメタル』にはそういう曲はないけど、前回はあったんですよ。ただただクソ熱いっていう曲。

ガラ:そういうのも聴いてみたいと思いますけどね。

逹瑯:あ、そうだ! 今度全部英詞にしてみるってどうですか? 英語で歌っているときはただただカッコイイ曲なんだけど、英詞を訳してみたらすごいくだらないこと言ってる歌詞だった! ってのもギャップで面白いのかも!

冠:うんうん(笑)。そういうのもおもろいかもね。和訳の歌詞カード見てみてビックリ! みたいなね(笑)。

逹瑯:そうそう(笑)。たまに洋楽の和訳の歌詞カード見てるとそういうのありますよね。すげぇカッコイイ曲だから、どういうこと歌ってるんだろ? って思ったら、こんなくだらないこと叫んでたの!? みたいな(笑)。

冠:あるある(笑)。特にヘヴィメタルはね、“悪魔の宮殿にドラゴンが飛んで来て驚いたのさ”とかね。

逹瑯ガラ:(爆笑)

冠:なんやねん! それ! みたいな突っ込み入れずにはいられないですからね。

逹瑯:あはははは。冠さん、As I Lay Dying(アズ・アイ・レイ・ダイング)っていうアメリカのメタルバンド知ってます?

冠:いや、勉強不足やな、ごめん知らんわ。

逹瑯:体中に入れ墨とかビッチリで、ほぼメロディがなくデス声で叫んでる地獄の底から来たようなバンドなんですけど、メンバー全員クリスチャンなんですよ。だから歌詞ではすごいいいこと言ってたりするんです。ギターの人とかめちゃめちゃお母さん大好きで親孝行らしくて。

冠:めっちゃいい人やん!

逹瑯:そうなんです。パソコンの壁紙は家族写真にしてあるっていうくらいらしいです。このバンド、絶対に黒ミサとか言わねぇんだろな、クリスマスには絶対ライヴやらねぇんだろなっていう。

ガラ:たしかに!

冠:クリスマスは間違いなく家族揃って教会やろな。

ガラ:でしょうね。確実に。

冠:んでも、洋楽のメタルはそんなん多いよ。Stryper(ストライパー)っていう黄色と黒のシマシマの衣裳がトレードマークの古いメタル・バンドがいるんやけど、その人らもめちゃめちゃクリスチャンで、ライヴで毎回、聖書を投げはんねん。

逹瑯ガラ:へぇ〜(笑)。

――冠さんは、2年半ぶりにリリースされるMERRYのアルバム『Beautiful Freaks』は聴いていただけました?

冠:聴きましたよ! MERRYさんも哀愁たっぷりな曲調と歌詞ですよね。どこかにフォークソングを感じるような、懐かしさを感じるというか。

ガラ:そうですね。僕も中島みゆきさんとか大好きなんで、そういうのが根底にあるっていうのが自然と出ちゃうんでしょうね。

冠:そうやろね。でも、すごくいいアルバムやと思う。

逹瑯:俺も今回のアルバムは結構早くにサンプル音源もらって聴かせてもらったんですけどね、すごく良かったですね。

ガラ:あんまり“聴いて”って言ったり、音源渡したりしないんですけど、今回は自分的にもすごく満足な一枚になったんで、早めに渡したんです。逹瑯ってこういう感じのいい加減なヤツで、絡むと事故るんであんまり深くは絡みたくないんですけど(笑)、やっぱ音や歌詞のことに関してはすごく的確なアドバイスくれたりしますからね。みんながあんまり言ってくれないようなこともちゃんと言ってくれるし。すごく正直な人なんで。

冠:うんうん。今日でそれがすごく解った気がする(笑)。正直に言いそうやもん(笑)。良くないって思ったら“何これ、クソじゃん!”とか言いそうだもんね(笑)。

逹瑯:あはははは。さすがにもうちょっと言葉選びますけどね(笑)。

冠:でも、それこそが友達だよね。

ガラ:そう思いますね。逹瑯ってフットワーク軽いから、すごくいろんなところにアンテナ張ってますし、すごく参考になる意見くれますからね。

逹瑯:でも俺、“カッコイイね”とか“カッコ良くないね”っていう表現はしないようにしようって決めたんです。それって、その人の“好み”か“好みじゃない”かって話だと思うんですよ。俺の好みが売れるとは限らないですからね。そういう言い方は違うなと思って。

冠:なるほどね。でも、逹瑯さんに“カッコイイじゃん!”って言ってもらえたら嬉しいと思う。純粋に。

――それで自信つきますよね。でも、カッコイイとかカッコ良くないって、意見というより感想になっちゃいますからね。

逹瑯:そうなのそうなの。感想なんて誰でも言えるからね。友達だからこそ、ちゃんと向き合いたいというか。

ガラ:そういうとこはいいヤツなんですよ。

冠:あはははは。深く関わると事故るけど?

ガラ:そうっすそうっす(笑)。

冠:でもすごくいい関係性ですね、おふたりは。

逹瑯:いや、でも、なんか正直、友達のCDってくすぐったいっていうか(笑)。MERRYのことは、普通に音源

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