サンタラ、ツアースタート、6月には東北へ
2011年4月20日に、7thアルバム『愛しのTRICKSTER』を発売するサンタラが、25ヵ所をまわる<SANTARA TOUR2011“愛しのTRICKSTER”>をスタートさせた。
◆『愛しのTRICKSTER』ティーザー映像
初日は東京渋谷B.Y.G。会場は立ち見がでるほど大盛況。客電が落ちるとサンタラの2人が登場。ピンクのフリルのシャツで王子様風の砂田和俊と、ビンテージのノースリーブワンピの田村キョウコが登場。
1曲目は、新しいアルバム『愛しのTRICKSTER』から無邪気な印象の曲。気持ちが明るくなる瞬間。多くのライブが中止や延期になるなか、ツアー初日から開催されたことに「ようこそ、こんな大変なときに」とキョウコから。
そして、こんなタイミングであったにもかかわらず、ジャケットの印刷もCDのプレスも予定通りできたことを報告。それは、きっと彼らのアルバムが今、発売されるべきものだという証ではと思ってしまう。そんな風に言うと、ちょっとスピリチャルっぽく聞こえるかもしれないけれど、実際そう感じた。そしてそう言いたくなるほど、彼らのライブは心地良い。
癒されるとか、リラックスするとは違う。ちゃんとした日常がそこにある。それは今、私たちにとって一番必要なこと。そしてその日常は、ひとときの異空間でもある。スタイリッシュなようで、そんな洒落たものでなく、だけど格好いい!その具合がちょうど良い。
曲を聴くにつれて思うのは、彼らの歌詞が実に絶妙だということ。まるでマジックなような言葉の配置。しかし、それは単なる言葉遊びではなく、しっかりと意味を持って景色を見せてくれたり、問題提起してくれたり、時に優しく包んでくれたりする。その言葉がメロディに乗ると、一気にサンタラの世界になる。
「新しいアルバムの話をしていいですか?」と語り出すキョウコ。「震災があって、人生の第2幕が始まったなと思って、第1幕で創ったものを改めて第2幕で聴いてみたら、良いものになっていて良かった」と。「第2幕」という言葉に、妙に納得した。「第2幕」発言に関しては、砂田はまだ第2幕にきっちりと変わったわけではないけれど、ツアーを進めていくうちに感じることかもしれない、と。確かに人はそれぞれ。みんなが同じではない。そんなことをOKにしてくれる。
立っている場所は違っても、多くの人が「第2幕」というものをどこかに感じているのかもしれない。生活に大きな変化がない人も、気持ちには変化があったはず。自分の生き方を変えた人もいる。「第2幕」が始まるタイミングを見つけたとき、そこにサンタラの曲があったら素敵だ。
新しいアルバムには、漫才コンビ「笑い飯」に捧げる歌「W DIAMOND」も収録されている。それもしっかりと披露。『愛しのTRICKSTER』は、「笑い飯」から「楢山節考」までと表されることも多いとか。
穏やかな流れのなかに、パチッ、パチッっと光る何かを感じる「Feb.Song」。衣装の話では、ビンテージのワンピ(実はスケスケ)を着たキョウコに、「なかに着てるの?サービス悪いじゃん!」と砂田。こんな普通の会話が、妙に楽しい。
そして、久し振りに歌うという優しい歌。ゆりかごで眠っていいよって言われているよう。ゆるやかなリズムになんだか泣きたくなる。
そして、休憩。
気持ちよく揃った言葉でリズムを刻む歌。そんななかで優しくされたら、ノックアウト、と感じる曲。曲名は敢えて書かずに。閉園後のディズニーランドを観て創った「観覧車」。ディズニーランドに観覧車がないことについては、ここではノーコメントで。
サンタラの曲に出てくる女性は、強い意思を持つ。そしてそれがぶれない。きっとその姿は、キョウコ自身であり、彼女が見ている女性たちなんだろう。何かをはらんで、それをギリギリでキープしたり、少しだけ零れたりする感情を表現する。曲ごとに表情は違うけれど、そこに共通した人格を感じる。その人は、優しくて、脆くて、大切な誰かを思って生きている人だろうなと。
MCでは、エイプリールフールに軽く騙されたという砂田の正直さが暴露される。
これからツアーに出る彼ら。7月には、ツアーファイナルを吉祥寺のSTAR PINE'S CAFEで行なう。約3ヶ月間、彼らは日本中を旅する。6月には、山形、秋田、青森、仙台にも行く。今のところ、すべて予定通り開催するとのこと。再び、7月に東京で会うときには、それぞれの場所で感じたことを、たっぷりと詰め込んだライブに見せてくれるのだろう。
本編ラストは、初披露の際に涙をした人がいるという曲。じわりと静かに響く。それは、自分の人生(第1幕)を振り返るような思い。
アンコールでは、王子様砂田がツアーTシャツに着替えて登場。今回のTシャツは、黒、グレー、アイスグリーン、アイスピンクの4色。CDジャケットをイメージした柄は天使のよう。心臓の部分のピンクの星がポイント。
そして、先行配信の曲を。言葉はいくらでも嘘をつくけれど、その嘘は真実なのかもしれない、という一人堂々巡りをしてしまうような曲。ラストは久し振りの曲で。「大丈夫だよ」と言われているよう。そんな思いを身体に感じてライブは幕を閉じた。
無事スタートを切ったツアー。彼らは、各地で彼らにしかできないパフォーマンスとともに、たくさんのパワーを渡し、受け取ってくるのだろう。夏に再び会うのが楽しみだ。
photo by NAOAKI OKAMURA(2010年4月2日撮影)
『愛しのTRICKSTER』
2011年4月20日発売
DQC-611 ¥2,800(税込)
全11曲
<SANTARA TOUR 2011“愛しのTRICKSTER”>
2011年4月9日 三重県 松阪 M'AXA
2011年4月10日 大阪 KNAVE
2011年4月16日 広島 LIVE CAFE JIVE
2011年4月17日 博多 UTERO
2011年4月19日 熊本 BATTLE STAGE
2011年4月20日 長崎 R-10
2011年4月23日 名古屋 TOKUZO
2011年4月24日 長野 飯田 PHONO
2011年5月11日 新潟 Cafe Harina
2011年5月13日 金沢 もっきりや
2011年5月14日 滋賀県 近江八幡 酒游舘
2011年5月15日 香川県 高松 黒船屋
2011年5月19日 山口 Cafe de DADA
2011年5月21日 広島県 福山 Boogieman's Cafe POLEPOLE
2011年5月22日 愛知県 豊橋 HOUSE OF CRAZY
2011年5月29日 山梨 KING RAT
2011年6月9日 北海道 芦別 ROCK HOUSE DYLAN
2011年6月11日 北海道 旭川 アーリータイムズ
2011年6月12日 北海道 札幌 くう
2011年6月23日 山形 Noisy Duck
2011年6月25日 秋田 バンブーグリル窟
2011年6月26日 青森 CRAZYHORSE SALOON
2011年6月27日 宮城県 仙台 近藤商店
2011年7月3日 吉祥寺 Star Pine's Cafe
◆サンタラ・オフィシャルサイト
◆サンタラ・Blog
[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
◆『愛しのTRICKSTER』ティーザー映像
初日は東京渋谷B.Y.G。会場は立ち見がでるほど大盛況。客電が落ちるとサンタラの2人が登場。ピンクのフリルのシャツで王子様風の砂田和俊と、ビンテージのノースリーブワンピの田村キョウコが登場。
1曲目は、新しいアルバム『愛しのTRICKSTER』から無邪気な印象の曲。気持ちが明るくなる瞬間。多くのライブが中止や延期になるなか、ツアー初日から開催されたことに「ようこそ、こんな大変なときに」とキョウコから。
そして、こんなタイミングであったにもかかわらず、ジャケットの印刷もCDのプレスも予定通りできたことを報告。それは、きっと彼らのアルバムが今、発売されるべきものだという証ではと思ってしまう。そんな風に言うと、ちょっとスピリチャルっぽく聞こえるかもしれないけれど、実際そう感じた。そしてそう言いたくなるほど、彼らのライブは心地良い。
癒されるとか、リラックスするとは違う。ちゃんとした日常がそこにある。それは今、私たちにとって一番必要なこと。そしてその日常は、ひとときの異空間でもある。スタイリッシュなようで、そんな洒落たものでなく、だけど格好いい!その具合がちょうど良い。
曲を聴くにつれて思うのは、彼らの歌詞が実に絶妙だということ。まるでマジックなような言葉の配置。しかし、それは単なる言葉遊びではなく、しっかりと意味を持って景色を見せてくれたり、問題提起してくれたり、時に優しく包んでくれたりする。その言葉がメロディに乗ると、一気にサンタラの世界になる。
「新しいアルバムの話をしていいですか?」と語り出すキョウコ。「震災があって、人生の第2幕が始まったなと思って、第1幕で創ったものを改めて第2幕で聴いてみたら、良いものになっていて良かった」と。「第2幕」という言葉に、妙に納得した。「第2幕」発言に関しては、砂田はまだ第2幕にきっちりと変わったわけではないけれど、ツアーを進めていくうちに感じることかもしれない、と。確かに人はそれぞれ。みんなが同じではない。そんなことをOKにしてくれる。
立っている場所は違っても、多くの人が「第2幕」というものをどこかに感じているのかもしれない。生活に大きな変化がない人も、気持ちには変化があったはず。自分の生き方を変えた人もいる。「第2幕」が始まるタイミングを見つけたとき、そこにサンタラの曲があったら素敵だ。
新しいアルバムには、漫才コンビ「笑い飯」に捧げる歌「W DIAMOND」も収録されている。それもしっかりと披露。『愛しのTRICKSTER』は、「笑い飯」から「楢山節考」までと表されることも多いとか。
穏やかな流れのなかに、パチッ、パチッっと光る何かを感じる「Feb.Song」。衣装の話では、ビンテージのワンピ(実はスケスケ)を着たキョウコに、「なかに着てるの?サービス悪いじゃん!」と砂田。こんな普通の会話が、妙に楽しい。
そして、久し振りに歌うという優しい歌。ゆりかごで眠っていいよって言われているよう。ゆるやかなリズムになんだか泣きたくなる。
そして、休憩。
気持ちよく揃った言葉でリズムを刻む歌。そんななかで優しくされたら、ノックアウト、と感じる曲。曲名は敢えて書かずに。閉園後のディズニーランドを観て創った「観覧車」。ディズニーランドに観覧車がないことについては、ここではノーコメントで。
サンタラの曲に出てくる女性は、強い意思を持つ。そしてそれがぶれない。きっとその姿は、キョウコ自身であり、彼女が見ている女性たちなんだろう。何かをはらんで、それをギリギリでキープしたり、少しだけ零れたりする感情を表現する。曲ごとに表情は違うけれど、そこに共通した人格を感じる。その人は、優しくて、脆くて、大切な誰かを思って生きている人だろうなと。
MCでは、エイプリールフールに軽く騙されたという砂田の正直さが暴露される。
これからツアーに出る彼ら。7月には、ツアーファイナルを吉祥寺のSTAR PINE'S CAFEで行なう。約3ヶ月間、彼らは日本中を旅する。6月には、山形、秋田、青森、仙台にも行く。今のところ、すべて予定通り開催するとのこと。再び、7月に東京で会うときには、それぞれの場所で感じたことを、たっぷりと詰め込んだライブに見せてくれるのだろう。
本編ラストは、初披露の際に涙をした人がいるという曲。じわりと静かに響く。それは、自分の人生(第1幕)を振り返るような思い。
アンコールでは、王子様砂田がツアーTシャツに着替えて登場。今回のTシャツは、黒、グレー、アイスグリーン、アイスピンクの4色。CDジャケットをイメージした柄は天使のよう。心臓の部分のピンクの星がポイント。
そして、先行配信の曲を。言葉はいくらでも嘘をつくけれど、その嘘は真実なのかもしれない、という一人堂々巡りをしてしまうような曲。ラストは久し振りの曲で。「大丈夫だよ」と言われているよう。そんな思いを身体に感じてライブは幕を閉じた。
無事スタートを切ったツアー。彼らは、各地で彼らにしかできないパフォーマンスとともに、たくさんのパワーを渡し、受け取ってくるのだろう。夏に再び会うのが楽しみだ。
photo by NAOAKI OKAMURA(2010年4月2日撮影)
『愛しのTRICKSTER』
2011年4月20日発売
DQC-611 ¥2,800(税込)
全11曲
<SANTARA TOUR 2011“愛しのTRICKSTER”>
2011年4月9日 三重県 松阪 M'AXA
2011年4月10日 大阪 KNAVE
2011年4月16日 広島 LIVE CAFE JIVE
2011年4月17日 博多 UTERO
2011年4月19日 熊本 BATTLE STAGE
2011年4月20日 長崎 R-10
2011年4月23日 名古屋 TOKUZO
2011年4月24日 長野 飯田 PHONO
2011年5月11日 新潟 Cafe Harina
2011年5月13日 金沢 もっきりや
2011年5月14日 滋賀県 近江八幡 酒游舘
2011年5月15日 香川県 高松 黒船屋
2011年5月19日 山口 Cafe de DADA
2011年5月21日 広島県 福山 Boogieman's Cafe POLEPOLE
2011年5月22日 愛知県 豊橋 HOUSE OF CRAZY
2011年5月29日 山梨 KING RAT
2011年6月9日 北海道 芦別 ROCK HOUSE DYLAN
2011年6月11日 北海道 旭川 アーリータイムズ
2011年6月12日 北海道 札幌 くう
2011年6月23日 山形 Noisy Duck
2011年6月25日 秋田 バンブーグリル窟
2011年6月26日 青森 CRAZYHORSE SALOON
2011年6月27日 宮城県 仙台 近藤商店
2011年7月3日 吉祥寺 Star Pine's Cafe
◆サンタラ・オフィシャルサイト
◆サンタラ・Blog
[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
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