清春、天を仰いで「サンキュー」、黒夢の代々木第一体育館公演
黒夢が、“因縁となった1月29日の新宿シークレットライヴ(警察からの要請により開始1分で中止)”以降初となるライヴ<XXXX THE FAKE STAR>を開催した。場所は、彼らにとって初となる代々木第一体育館。約1万1000人のファンの前で、2011年の復活後、黒夢としてこれが初のライヴ公演となる。
◆黒夢 画像@<XXXX THE FAKE STAR>、ライヴ中の清春のMC
2009年の武道館公演で一度ピリオドをうったはずの黒夢。その復活の裏には、清春、そして黒夢と固い絆で結ばれていた音楽雑誌『FOOL'S MATE』の元編集長・東條雅人氏の死去という、音楽業界やアーティストにとっても衝撃的な出来事があったのは、ファンならば誰しもが知っている事実だろう。今回のライヴでも、清春が故・東條氏への感謝の気持ちや言葉を口にする場面が何度か見られた。
暗闇に照らされる「黒夢」の文字。伝説として語られることになるであろうライヴは、ヒット曲「BEAMS」が代々木第一体育館の空間を駆け抜けるところからスタートした。
大歓声とオーディエンスの誰もがメロイック・サイン(デビル・サイン)を掲げて黒夢を迎える中、純白のジャケットでフードを目深にかぶった清春、そして同じく白のジャケットを羽織った人時がステージに出現する。いや、よく見れば、今回のステージはほかのメンバーの衣装はもちろん、人時のベースやPAモニター、アンプ、ドリンクなどが置かれたテーブルまでも白。“黒”夢と“白”いステージのコントラストだ。しかし同時に、真っ白なステージさえも、音で黒く染めてみせる。清春と人時、そしてメンバーのそんな気迫が感じられた。
メンバーといえば今回、黒夢は、K-A-Z(Sads、DETROX)、KIYOSHI(MAD BEAVERS、LUCY)という、久しぶりのツインギター編成を採用。さらにライヴではシーケンストラックとの同期も取り入れていた。単なる再復活、再始動ではない、過去の殻を破り捨てた新しい黒夢の姿がそこにあった。
「暴れろ!」と絶叫した「C.Y.HEAD」、人時がフレットレスベースに持ち替えて妖艶に魅せた「Waikin'on the edge」。初披露となった「ミザリー」では、清春の手に持ったライトの光が暗闇を切り裂き、オーディエンスを刺す。そして気がつけば、今にもモッシュが巻き起こりそうなほどの緊張感が張り詰め、黒夢のロックが代々木第一体育館を支配していた。
「おい代々木!代々木!」シャウトとともに、清春はオーディエンスに声を要求。そんな清春の呼びかけに応えるオーディエンスの大歓声。「興奮してきた。久しぶりで興奮してきた!」と「CANDY」、さらに「ROCK'N'ROLL」、「後遺症 -after effect-」、そして本編ラストの「Sick」では、清春自ら客席に降り、黒夢の音をひたすらに叩きつけた。
2度のアンコールでは、「ぬけぬけと復活しちゃってすみません」と、謝りつつも、「代々木に来てくれた人は、もう、足を向けて…寝ちゃう」と、ファンが待ち望んでいた清春のドSトークを展開。さらに、「日本には純粋にバカになって大暴れできるバンドなんて、俺ら以外に一個もない」「(人時は)おそらく日本のロックベーシストの中で、一番上手い」と観客を煽る。
そして、「5月くらいにシングル出します。」と、突然の発表も。オーディエンスが沸き返る中、清春は、「やってる限りは、新しくして、昔、活動していたように、今までのことがなかったような、踏みにじるような活動をして、変わって変わって、変わり続けます。それが今回、僕らが活動をし始めたことの証というか、意味だと思うので。新曲作って、活動をして。“…遠くに聞こえればいいな。”」と、“彼”への誓いとともに、新しい黒夢としての決意を語った。
アンコールでは、ファンが待ち望んでいた名曲「少年」「MARIA」、そしてラストに「Like @ Angel」。33曲にも及ぶライヴはこうして幕を下ろした。
次の夢へを飛び越えて行くことを歌い上げた清春は、オーディエンスに、そしてメンバーに感謝の言葉を述べ、そして、片手を高く天へと伸ばし、空を仰いで「サンキュー」と呟く。そして見渡せば、会場に広がる1万1000人のメロイック・サイン。清春が黒夢を再始動させたかった理由。それは、今、清春の眼前に広がった景色、“彼”と同じように黒夢を愛してくれる人たちが集ったこの景色を、もう一度見せたかったから、なのかもしれない。
いや、きっと“彼”も、遠いところから、この情景を目にしてくれていたことだろう。
なお余談だが、通常のライヴは関係者や招待客にはセットリストが事前に公開される。ところが今回のライヴに関しては、一部を除いて関係者にもセットリストが配られることはなかった。その理由は定かではないが、これもまた、多くの人に再始動した新しい黒夢のライヴを楽しんでもらいたいという想いとともに、関係者・招待客として足しげくライヴに通ってくれた“彼”に、この日は、純粋に黒夢のライヴを楽しんでもらいたい、という清春、そして黒夢の想いがあったのではないだろうか。
◆黒夢 オフィシャルサイト
◆黒夢 画像@<XXXX THE FAKE STAR>、ライヴ中の清春のMC
2009年の武道館公演で一度ピリオドをうったはずの黒夢。その復活の裏には、清春、そして黒夢と固い絆で結ばれていた音楽雑誌『FOOL'S MATE』の元編集長・東條雅人氏の死去という、音楽業界やアーティストにとっても衝撃的な出来事があったのは、ファンならば誰しもが知っている事実だろう。今回のライヴでも、清春が故・東條氏への感謝の気持ちや言葉を口にする場面が何度か見られた。
暗闇に照らされる「黒夢」の文字。伝説として語られることになるであろうライヴは、ヒット曲「BEAMS」が代々木第一体育館の空間を駆け抜けるところからスタートした。
大歓声とオーディエンスの誰もがメロイック・サイン(デビル・サイン)を掲げて黒夢を迎える中、純白のジャケットでフードを目深にかぶった清春、そして同じく白のジャケットを羽織った人時がステージに出現する。いや、よく見れば、今回のステージはほかのメンバーの衣装はもちろん、人時のベースやPAモニター、アンプ、ドリンクなどが置かれたテーブルまでも白。“黒”夢と“白”いステージのコントラストだ。しかし同時に、真っ白なステージさえも、音で黒く染めてみせる。清春と人時、そしてメンバーのそんな気迫が感じられた。
メンバーといえば今回、黒夢は、K-A-Z(Sads、DETROX)、KIYOSHI(MAD BEAVERS、LUCY)という、久しぶりのツインギター編成を採用。さらにライヴではシーケンストラックとの同期も取り入れていた。単なる再復活、再始動ではない、過去の殻を破り捨てた新しい黒夢の姿がそこにあった。
「暴れろ!」と絶叫した「C.Y.HEAD」、人時がフレットレスベースに持ち替えて妖艶に魅せた「Waikin'on the edge」。初披露となった「ミザリー」では、清春の手に持ったライトの光が暗闇を切り裂き、オーディエンスを刺す。そして気がつけば、今にもモッシュが巻き起こりそうなほどの緊張感が張り詰め、黒夢のロックが代々木第一体育館を支配していた。
「おい代々木!代々木!」シャウトとともに、清春はオーディエンスに声を要求。そんな清春の呼びかけに応えるオーディエンスの大歓声。「興奮してきた。久しぶりで興奮してきた!」と「CANDY」、さらに「ROCK'N'ROLL」、「後遺症 -after effect-」、そして本編ラストの「Sick」では、清春自ら客席に降り、黒夢の音をひたすらに叩きつけた。
2度のアンコールでは、「ぬけぬけと復活しちゃってすみません」と、謝りつつも、「代々木に来てくれた人は、もう、足を向けて…寝ちゃう」と、ファンが待ち望んでいた清春のドSトークを展開。さらに、「日本には純粋にバカになって大暴れできるバンドなんて、俺ら以外に一個もない」「(人時は)おそらく日本のロックベーシストの中で、一番上手い」と観客を煽る。
そして、「5月くらいにシングル出します。」と、突然の発表も。オーディエンスが沸き返る中、清春は、「やってる限りは、新しくして、昔、活動していたように、今までのことがなかったような、踏みにじるような活動をして、変わって変わって、変わり続けます。それが今回、僕らが活動をし始めたことの証というか、意味だと思うので。新曲作って、活動をして。“…遠くに聞こえればいいな。”」と、“彼”への誓いとともに、新しい黒夢としての決意を語った。
アンコールでは、ファンが待ち望んでいた名曲「少年」「MARIA」、そしてラストに「Like @ Angel」。33曲にも及ぶライヴはこうして幕を下ろした。
次の夢へを飛び越えて行くことを歌い上げた清春は、オーディエンスに、そしてメンバーに感謝の言葉を述べ、そして、片手を高く天へと伸ばし、空を仰いで「サンキュー」と呟く。そして見渡せば、会場に広がる1万1000人のメロイック・サイン。清春が黒夢を再始動させたかった理由。それは、今、清春の眼前に広がった景色、“彼”と同じように黒夢を愛してくれる人たちが集ったこの景色を、もう一度見せたかったから、なのかもしれない。
いや、きっと“彼”も、遠いところから、この情景を目にしてくれていたことだろう。
なお余談だが、通常のライヴは関係者や招待客にはセットリストが事前に公開される。ところが今回のライヴに関しては、一部を除いて関係者にもセットリストが配られることはなかった。その理由は定かではないが、これもまた、多くの人に再始動した新しい黒夢のライヴを楽しんでもらいたいという想いとともに、関係者・招待客として足しげくライヴに通ってくれた“彼”に、この日は、純粋に黒夢のライヴを楽しんでもらいたい、という清春、そして黒夢の想いがあったのではないだろうか。
◆黒夢 オフィシャルサイト
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