aiko、ライブツアー感動のフィナーレ

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続いて披露されたバラード「甘い絨毯」では、まるでプラネタリウムの様な照明の演出に、会場からは思わずため息が漏れるほど。次々に表情を変える照明やセット、そしてこの広い会場を走り回るaikoのライブは一瞬たりとも気が抜けません。会場を真っ二つに分ける様にステージから伸びた花道(なんと代々木第一体育館では、このツアー最長の全長74mに渡る花道)を息切れ一つせず、駆け抜けながら歌い続けるaikoにファンも全力で応えます。息つく間もなく始まった恒例のメドレーでは久しぶりの披露となる2nd Singleの「ナキ・ムシ」含む全9曲のおいしいところをぎゅーっと凝縮。aikoはステージの左右からスタンド席の近くまで行けるように作られた道の柵に足をかけ、手を伸ばしファンとタッチ。お客さんとの距離がどんどん縮まっていきます。

そしてライブは後半戦へ。ニューアルバム「BABY」の1曲目を飾った軽快なピアノが心地よい「beat」。先程までステージを美しく彩っていた紗幕はいつの間にか姿を消し、ステージ上には巨大スクリーンが登場。なんと「BABY」のジャケット写真と同じワンピースとライダースジャケットを身に纏ったaikoがピアノに合わせて軽快に踊っている映像がスクリーンに映し出されるという豪華な演出。ここでしか見れない貴重な映像にも観客は釘付け。

本編最後の曲に選んだのは2010年2月にリリースされ、見事オリコン1位を獲得したシングル「戻れない明日」。「想い出は人を切なくさせる」と言うフレーズから始まるこの曲を、今日の想い出と重ね合わせる様にじっと聴き入るファンの姿が印象的でした。最終日ということもあってか、いつにも増してヒートアップする会場のアンコールに応え、ツアーTシャツに着替え、最後の力を振り絞るかのように走りまくりながら「キスが巡る」と最新シングル「向かいあわせ」を披露。

最後には大量の金テープが降り注ぎ、感動的なエンディング。ステージの端から端まで行き、何度も何度も柔らかい体を二つに折り曲げ、深々とお辞儀をしてお礼を言うaiko。花道中央のセンターステージまで来たところで突然、アカペラで2003年に発売された名曲「えりあし」のサビを歌い始めます。その深い深い表現力に富んだ歌声でさっきまで歓声で渦巻いていた会場が一瞬のうちに緊張感で張りつめた空気に。するとピアノの演奏とともにダブルアンコールでそのまま「えりあし」を披露。途中、aikoを囲むようにしてストリングスがステージ下から登場するという演出も相まって涙を流しているファンの姿も。そして、いよいよライブが終わってしまうのかと、名残惜しそうにステージを後にするaikoをよそに、全く席を立とうとしないお客さん達。何度も何度も繰り返される「aiko!」と言う叫び声に応える様に、まさかのトリプルアンコールでステージに登場。予定には全く無かった、「帽子と水着と水平線」を急遽披露することに。最後まで素敵なサプライズの連続で会場をこれでもかと言わんばかりに盛り上げ、感動のクライマックスとなりました。

長いようでありながらあっと言う間の3時間半に及ぶライブが終わり、余韻に浸っているファンや楽しみが終わってしまい少し寂しそうなファンの姿…それぞれの想いを胸に、みんな会場を後にする姿がとても印象的でした。

この1年をかけて実に4種類のセットリスト&演出で計54本ものワンマンライブを見事に完走。しかも2010年に入ってからは2月に26th Single「戻れない明日」(日本テレビ系ドラマ「曲げられない女」主題歌)、3月に9th Album「BABY」、4月に27th Single「向かいあわせ」(映画「ダーリンは外国人」主題歌)となんと3ヶ月連続で新作をリリース。間もなくデビュー13年目を迎えようとしているaiko、ペースを緩めるどころか、さらに加速をし続けている彼女の向かう先は?

aiko Live Tour<Love Like Pop vol.13 とっても嬉しい追加公演。月夜の晩に彼女は現る>
2010年7月8日(木)
@大阪城ホール
1.夏が帰る
2.赤いランプ
3.愛の病
4.リップ
5.鏡
6.リズム
7.カブトムシ
8.甘い絨毯
9.花火
10.私生活
11.LLP13.add メドレー
横顔~あなたと握手~陽と陰~mix juice~なんて一日~マント~前ならえ。~ナキ・ムシ~シアワセ
12.beat
13.カケラを残す
14.milk
15.be master of life
16.どろぼう
17.戻れない明日
-アンコール-
18.キスが巡る
19.向かいあわせ
20.えりあし
21.帽子と水着と水平線

◆aikoオフィシャルサイト
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