ムック:これぞ、秀曲。世界に放つ美しきロッカバラード「フリージア」特集
ムック DANGER CRUE RECORDS発足25周年記念シリーズ第1弾特集
これぞ、秀曲。 10ヶ月ぶりのニュー・シングル「フリージア」世界に放つ劇的なロッカバラード
INTERVIEW
「海外でやってても、曲がどんどん成長しているのがわかった」YUKKE(B)
逹瑯: どうでした?
逹瑯: うん。「リブラ」の方が攻撃的というか、もがいてる感じがあったかな。
ミヤ: この曲を作ったのは結構前で、「アゲハ」(2008年8月発売)と「空と糸」(2009年1月発売)の間くらいだったんですよね。ちょうど『球体』を作ってた頃でもあって、だんだん『球体』のイメージが一人歩きし始めた頃にできて。『球体』らしくない感じの曲もそのあたりで何曲も生まれてて。その中の1曲だった。その頃に、kenさん(L'Arc~en~Ciel)が聴いてくれて、この曲プロデュースしたいって言ってくれたのもあって、当時、リリースは決まってなかったけど、ミックスまで終えて、『球体』の後に出そうっていう話まではしてたんですよね。結果1年後になっちゃいましたけど、今のタイミングで良かったのかなって思いますね。
SATOち: 最初にこの曲をライヴで披露したのは、まさに『球体』のツアーの初日の武道館だったんだけど、海外ツアーでもずっとやっていくうちに、全然最初と印象が変わった曲だったんですよね、自分の中で。俺的には、最初やったときは、「リブラ」と同じくらい強い光と影を感じてたこともあって、すごく力を込めて叩いたんですよ。けど、実際ライヴやってみて、全然「リブラ」の強さとは違う雰囲気だって感じたんですよね。ここまで自分の中で想像した感触と実際の感触が違った曲って初めてだったんで、びっくりしましたね。
YUKKE: 俺も、「フリージア」に関しては同じこと思ったかな。海外でやってても、曲がどんどん成長していってるのが分かったし、自分もどんどん曲に馴染んでいってるのが分かったんだよね。JCBホールのライヴでやったときも、すごく良かったって言ってもらえたし、この先もライヴで育っていくのが楽しみな曲ですね。
ミヤ: 「リブラ」は気持ちをグッと構えて曲に向かわないと曲に負けちゃう感じがあるんだけど、「フリージア」は、自然と曲の中に引き込まれるというか、そこまで力を入れなくても曲に入れる感覚なんですよね。自然にやるのが一番いい曲だと思いますね。
ミヤ: はい。そうですね。厚みが出たというか。面白くなったんじゃないかなって思いますね。
逹瑯: その生っぽく変化してくとこが、俺も好きですね。
逹瑯: うんうん。そこはそうかも。昔この歌詞を書いてたら、どんどん暗い方に行っちゃってたと思うしね。でも、今はすごく達観して書けるようになったというかね。それは本当にそう思うかな、自分でも。
ミヤ: 俺もこの歌詞はすごく好きですね。Aメロとかは、逹瑯っぽさが出てると思うし、特にサビの歌詞が好きですね。
ミヤ: ありがとうございます(笑)。「フリージア」も、そこはkenさんに、とにかく弾き倒せと言われたので(笑)。かなり弾き倒しましたね。
逹瑯: 俺も好き。アウトロのあの長さがすごく好きで。歌を唄い終わってからの、あの余韻が好きなんだよね。
ミヤ: 力を込めないエモーショナルなギターを弾いて、歌を聴かせて、最終的に、ギターソロを弾きまくる感じというか。完全にアドリブで、作り込まずに弾きましたね。最終的に綺麗に終わるっていうんじゃなくて、感情的なギターで終わるっていう感じというか。あと、意識したのは、自然なサビにしたかったってことですね。シンプルで覚えやすいモノって、難しくないじゃないですか。そういう曲にしたかったんですよね。
ミヤ: そう。そういう曲もいいなって思ってきたんですよね、最近。サビはシンプルにして、その他で遊んだり、自分の趣味とか活かしていこうかなと。Aメロのエフェクトな感じとかはまさに自分の趣味だったりしますからね。
逹瑯: ああいうテイストが得意な監督さんで、作品集見せてもらったらすごく良くてお願いしたんですよね。
YUKKE: あそこまでCGっていうのは、ムックではなかったからね。珍しいけど、すごくいいPVになったと思う。
ミヤ: レコーディングし始めたときくらいから、あのイメージが頭にあったんですよね。綺麗なだけじゃない世界観というか。
SATOち: 俺もすごく好きですね、このPVは。
ミヤ: うち等がライヴのエンディングで流してる、ナイン・インチ・ネイルズの「トゥナイト,トゥナイト」とか、あんな感じのイメージがあったんですよね。
ミヤ: いつかピアノ・ヴァージョンだけでやってみたいっていうのはずっと昔からあったんで。移籍後第1弾シングルってこともあって、いいタイミングかなと思い、富樫春生さんに弾いてもらったんです。富樫さんは、ただ綺麗なだけのピアノを弾く人じゃないんで、すごくハマりましたね。一発録りで、繊細なんだけど、すごくロックで、すごく魂の入ったピアノでしたね。理想どうりでした。
逹瑯: この曲はまさに、<Taste Of Chaos>(アメリカ最大のフェス・ツアー<Rockstar Taste Of Chaos 2008>)から『球体』に繋がっていった、あの流れがあってこそ生まれた曲って感じがするな。
ミヤ: これはストック曲じゃなく、書き下ろしたものなんです。『球体』には入らなかったけど、こういう曲もあったよっていう感じの曲ですね。
YUKKE: うん。この曲は最近のムックを一番感じてもらえる曲だと思う。作ったのも実際に最近だしね。
SATOち: すごく気持ち良くドラムを叩けた曲でしたね。
ミヤ: まさにそこですね。たまたまデヴィット・ボウイのライヴDVDを見たんですよ。なんとなくでは、いままでもライヴ映像は見たことあったんですけど、しっかり1本のライヴを全部通して見たのはそのときが初めてで。すげぇなって思ったんです。生が奏でるダンスロックのカッコ良さに感動して。こういう曲をムックでもやりたいなって思って作った曲だったんです。
ミヤ: ですね。「オズ」(『球体』収録曲)でも、プロの人のキレイなコーラスじゃなくて、チャラい感じのコーラスが欲しくて、事務所の女性スタッフにやってもらったんですけど、今回、この曲でも事務所の女性スタッフにお願いしたんです。ちょっとディスコっぽい感じを出したかったんですよね。
YUKKE: ベースはシンセベースを使わず、敢えて生の音できっちり弾いたって感じ。アップライトを使って、シンセベースみたいな音で、すごく細かく、正確に神経質に弾いていった感じだった。打ち込みのドラムに生のベースを絡めていくっていうのは、『志恩』(2008年3月発売)あたりからやりだしたんだけど、全部を打ち込みにしないっていうとこの良さを感じてますね。
ミヤ: アップライトの普通じゃない使い方っていうところが面白いと思いますね。
SATOち: ですね。ライヴでは生でやるんで、またちょっと違った感じになると思いますね。『志恩』のときも音源は打ち込みだけど、ライヴは生っていうのはやってきたんで、ライヴでどうなっていくのかを楽しみにしててほしいですね。
逹瑯: 歌詞はね、完璧に遊びで書きましたね。ムックの歌詞の中で一番ライトな題材で書いた歌詞だったかも。一番軽い題材を軸に、比喩して比喩して書きましたね。本質的なところを隠して、しょうもないことを、どれだけシリアスに書けるかっていう遊びをしたんですよね。
逹瑯: うん。でも、チラチラとそこを見せるのが楽しくて、すごい楽しんで書けた歌詞でしたね。あとね、この曲と「終止符」では、いままでここまでコーラスを自分の声で入れたことないっていうくらい入れましたね。地ハモが多いかも。俺、あんまりコーラスやらないんで、そこは珍しかったかも。
ミヤ: 最近、曲によっては俺のコーラスより、逹瑯自身の声でコーラスやる方がいいなって思う曲もあるんですよね。歌詞も面白かったですね。仮歌詞で、俺が“レッツダンス"にしてたところを、逹瑯が“遮断”にしてきたんですけど、歌詞を見ずに聴くと、“シャットダウン”に聞こえる。その言葉の意味が同じだっていう遊びとか、すげぇ面白いと思いましたね。
「海外と足並み揃えた動きができそうなんで、面白くなりそうだし、忙しくなりそうかなと」逹瑯(Vo)
ミヤ: とりあえず『球体』が終わったんで、次のアルバムに向けてまた動いていくとは思うんですけど。日本でも海外でも、とにかくライヴやりたいですね。メタリカとかがやってるみたいに、昔のアルバムと、その当時のツアーのセットリストを完璧に再現するツアーとか、やってみるのも面白いなって思ってたりしますね。
逹瑯: リリースする環境が今回のシングルから変わったってこともあって、海外と足並み揃えた動きができそうなんで、面白くなりそうだし、忙しくなりそうかなと。
YUKKE: うん。いままで以上にやれることが広がりそうだなって思ってる。そうなっていったらいいなって思ってるしね。
YUKKE: キャラ(笑)? あぁいうのは出そうと思って出す訳じゃないからね、自分でもいつ出るか分かんないからなぁ(笑)。
逹瑯: タンバリンとか持っちゃう(笑)?
YUKKE: そういう簡単なことじゃないでしょ……。
逹瑯: エレキカスタネットとかにしとく?
YUKKE: ……。まぁね、新しい環境で新しいことに挑戦しながら、新しいキャラがみつかればいいなっ。
逹瑯: 名前変える?
YUKKE: 変えないっ! SATOちは?
SATOち: やっぱ同じく、やれることの幅がいままで以上に広くなると思うから、心してかかんないと、置いてかれちゃうんじゃないかって心配なんですよね。なので、2010年は己を磨きたいと思います!
取材・文●武市尚子
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