辛酸を舐め続けたヴィジュアルバンドD、悲願の1st.メジャーアルバム

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ヴィジュアル系バンド「D」がメジャーファーストフルアルバム『Genetic World』を2月25日に発売する。

◆D『Genetic World』CD情報

Dは2003年に結成。全体のプロデュースをVocalのASAGI、媒体ブッキングなどの宣伝担当はBassのTsunehito、ライヴのブッキング、原盤制作はGuitarのRuiza、機材運搬などトランスポートはDrumsのHIROKI、そしてCDの営業やプレス会社との交渉窓口、スタジオブッキングをGuitarのHIDE-ZOUが担当と、結成当時から工場制手工業(マニュファクチュア)で運営をしてきた。

しかし、彼らの選んだ道は決して平坦なものではなかった。事務所もレーベルのバックアップもない彼らにとって、まずCDのリリース告知やライヴの宣伝をしようにも掲載してくれる媒体がない。有料広告の出稿を申し出ても断られるという状況。ならば、と、彼らは独自にバンドの広報誌の発行を決意する。2005年8月に創刊され、2008年3月まで定期的に刊行された雑誌「MAD Tea Party MAGAZINE」がそれだ。この雑誌では自分達の活動の報告とともに、同じシーンで活躍中のバンド達との対談やインタビューを交えたビジュアル誌として話題を集め、発行のたびに部数を伸ばし、それとともにライヴの動員も増えていった。

ライヴ動員が増え続ける一方、今度はCD販売に難問が降りかかった。彼らのようなレーベルやプロダクションに所属しないバンドは、CD流通会社との提携関係を持てず、レコード店とダイレクトにビジネス交渉を強いられたからだ。営業を担当していたHIDE-ZOUは、夜はバンド活動をするとともに朝はスーツとネクタイ姿で各CDショップを営業に回った。バイヤーに怪訝そうな顔をされつつも、少しずつ各店舗にDのCDを入れてもらい、さらに彼ら独自でもオンライン販売を開始。知名度が上がっていくたびにCDの注文数も伸びていったが、その全ての注文に対して、メンバー5人で手分けをして商品の発送作業を行なっていた。

そうやって、結成当時から辛酸を舐め続けた“苦労人ヴィジュアルバンド”Dだが、2005年末にSHIBUYA-AXでのワンマンを成功させたあたりから業界からの風向きが変わる。そして、渋谷公会堂(現・CCレモンホール)、日比谷野音のワンマンを成功させ、彼らは、山下達郎や竹内まりやが所属するスマイルカンパニーとマネジメント契約。2008年5月7日、シングル「BIRTH」でメジャーデビューを果たし、これまでリリースした3枚のメジャーシングルは、すべてオリコンチャートTOP10入りを果たす快挙を成し遂げている。

そんなシングル曲も収録した、ファンにとってもメンバーにとっても悲願となるファーストアルバム『Genetic World』は、“聖書における創世記に生まれた、始まりの種から今に至る多くの命。”がテーマだ。VocalのASAGIは今回のアルバムについて、以下のように語っている。

“このアルバムを通して、音楽を通して、普段は目に見えなくても、心に響く深い愛を感じ取ってもらえれば、このアルバムとDの存在意義が見えてくると思います。完結に言えば、「愛を伝道すること」。それが、このアルバムのテーマです。”── ASAGI(Vo.)

4月からはこのアルバムをひっさげての全国ツアーも開始。また、3月1日の13時からタワーレコード渋谷店で開催される彼らのインストアイベントは、大人気動画サービス「ニコニコ動画(ββ)」上にて生中継されることも決定している。

同時期に結成されたバンドは早々にデビューを決め、日本のミュージックシーンを騒がせる中、自分たちの力を信じてひたむきに活動してきたD。この“遅咲き”のヴィジュアル・バンドが、いよいよシーンの中心へと歩みを進める。

◆iTunes Store D(※iTunesが開きます)
◆D オフィシャルサイト
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