サム・スパロー、僕は「音楽作ってるナイス・ガイ」(笑)
「ブラック・アンド・ゴールド」が、UKで“この夏のアンセム”と言われるほど大ヒットしたサム・スパロー。オーストラリア生まれでアメリカ育ちながらも、UKのミュージック・シーンが大好きでその地での成功を切望していた彼。一度は挫折し、アメリカへ戻ったものの、そんな失意のどん底にあるとき生まれたのがこの「ブラック・アンド・ゴールド」だった。
ナールズ・バークレイのシー・ローと比較されるソウルフルなヴォーカルは、すでに12歳のときチャカ・カーンからお褒めの言葉を頂戴。ポップなだけでなくソウルフルでエネルギッシュな歌声、ファンキーなサウンドは、聴いていると元気になること間違いなし。そのミュージック同様、ポジティヴで元気な彼にロンドンで話を聞くことができた。
──お父さんがゴスペル・シンガーという音楽一家で育ったものの、最初はその方面ではなく子役としてデビューしていますね。
サム:子役っていうのは大げさかな。何回かCMに出ただけだよ。子供のときって誰でも俳優に憧れるだろ。楽しかったけど、僕にとってはいつだって音楽が一番だった。音楽なら自分でストーリーを作れるけど、俳優は他人のストーリーを演じるだけだから。
──12歳のときに、チャカ・カーンからその歌声を褒められていますね。
サム:当時は、彼女が誰なんだか知らなかったよ。まだ小さかったし、ポップ・ミュージックしか聴いてなかったから。家族ぐるみで付き合ってる…彼も音楽業界にいるんだけど、その人の家に遊びに行ったとき、チャカ・カーンがいたんだ。彼女の前で歌ってみたら、“なに、この子、歌えるじゃない!”って言われたんだよ。
──17歳のときミュージシャンを目指し、ロンドンへ渡りましたね。なぜ、英国だったのでしょう?
サム:自然なことだったよ。UKの音楽が好きだったし、イギリスはアメリカより新しいことにオープンだからね。でも、ロンドンって物価が高くて、住むのがやっとだった。ものすごく働いたよ。レコード会社のメール・ボーイやったり、レストラン、工場で働いたこともある。クラブやギグへ行って、音楽をやるためにここに来たんだってことを忘れないようにしたけど、実際は生活に追われてそれどころじゃなかった。いつも疲れてたし、ガリガリに痩せてたよ(笑)。それで、LAへ戻ることにしたんだ。
──そうやってミュージシャンになるのをあきらめてしまう人も多いのですが、あなたは違った。
サム:音楽を止めたら、自分じゃなくなるって思ってたんだ。どこへもたどり着かないとしても、自分のために音楽を作り続けなきゃって。LAでは実家に戻ったから、生活の苦労はしなくて済むようになった。それで音楽を作ることに専念できたんだ。
──そんなときに、「ブラック・アンド・ゴールド」が生まれたんですね。ロンドンから戻り、落ち込んでいるときだったって聞いたのですが?
サム:カフェで働いてたんだけど、つまんないし金はないし、車はいつも壊れてるし(笑)……。人生、こんなはずじゃないって思ってた。LAに戻ってから、考える時間がいっぱいできたんだ。もともと信仰深い両親のもとに育ったんだけど、この時期はスピリチュアルなことばかり考えてた。
──そこである夜、空を見ていてこの曲が誕生したと?
サム:そう、宇宙はなんて大きいんだ、僕の悩みなんて小さなものに過ぎないのかもしれないって思ったよ。よく“この曲を聴くたびに元気になる”ってメールや感想をもらう。これこそ、僕にとって“Gold”だよ。
──この曲はこの夏のアンセムみたいになっていますね。
サム:ほんと、驚きだよ。ウンザリされなければ、いいんだけど(笑)。でも僕自身、いまだに楽しんでるんだよ。ラジオでかかると、ノリノリになっちゃうんだ。今年になって何百回もライブで歌ってるっていうのに、いまだに飽きない。すごく誇りに思ってるよ。
──アルバムにはポップだけでなく、ソウル、R&Bなどバラエティに富んだトラックが収録されていますが、なにか一貫性があるというか…
サム:希望がある? 僕は何も、音楽で世界を救おうなんて思ってるわけじゃないけど、聴いてて楽しくなる、それこそ音楽のいいとこだと思うんだ。
──セルフ・プロデュースもできたはずなのに、リチャードXやポール・エプワースといったプロデューサーを迎えた理由は?
サム:確かに自分でやることもできたけど、僕はプレッシャーに弱くて…。誰かの助けが必要だって思ったんだ。リチャードとポールを紹介されたとき、すぐに気が合ったよ。2人とも面白くてね、ほんと救われたよ。プレッシャーで押しつぶされそうになったときもあったから。
──この先、コラボしたいと思うアーティストは?
サム:いつも言ってるんだけど、ゴシップのベスだね。面白いものが作れるんじゃないかと思ってる。それに、マーク・ロンソンかな。
──彼もあなたのファンだって公言してますよね。
サム:すごくいい人なんだよ。僕も大ファンだね。本人に会う前は“マーク・ロンソンとやったほうがいいよ”って言われる度に“みんな彼とやってるからいいよ”なんて反発してたけど、実際本人に会ったら“絶対一緒にやりたい”て思ったよ(笑)。
──自分はどの分野で“オタク”だと思いますか?
サム:ハハハ(笑)、そうだなあ、ちょっとだけコンピューターおたくかな。でも、やっぱり音楽だね。ファンク・ミュージックが大好きで、その分野ではオタクだよ。
──“気乗りしないポップ・シンガー”と自称しているようですが?
サム:そうそう(笑)。自分のことはポップ・シンガーというよりソウル・シンガーだと思ってる。アルバムはポップなサウンドだけど、ヴォーカル的にはソウルだ。この先、もっとヴォーカルを活かした曲を作っていこうと思ってるよ。
──では、これからデビューする日本ではどのように紹介して欲しいですか?
サム:音楽作ってるナイス・ガイ!
●オフィシャル・サイト(海外)
http://www.samsparro.com
●オフィシャル・サイト
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/sam_sparro/index.html
Ako Suzuki, London
ナールズ・バークレイのシー・ローと比較されるソウルフルなヴォーカルは、すでに12歳のときチャカ・カーンからお褒めの言葉を頂戴。ポップなだけでなくソウルフルでエネルギッシュな歌声、ファンキーなサウンドは、聴いていると元気になること間違いなし。そのミュージック同様、ポジティヴで元気な彼にロンドンで話を聞くことができた。
──お父さんがゴスペル・シンガーという音楽一家で育ったものの、最初はその方面ではなく子役としてデビューしていますね。
サム:子役っていうのは大げさかな。何回かCMに出ただけだよ。子供のときって誰でも俳優に憧れるだろ。楽しかったけど、僕にとってはいつだって音楽が一番だった。音楽なら自分でストーリーを作れるけど、俳優は他人のストーリーを演じるだけだから。
──12歳のときに、チャカ・カーンからその歌声を褒められていますね。
サム:当時は、彼女が誰なんだか知らなかったよ。まだ小さかったし、ポップ・ミュージックしか聴いてなかったから。家族ぐるみで付き合ってる…彼も音楽業界にいるんだけど、その人の家に遊びに行ったとき、チャカ・カーンがいたんだ。彼女の前で歌ってみたら、“なに、この子、歌えるじゃない!”って言われたんだよ。
──17歳のときミュージシャンを目指し、ロンドンへ渡りましたね。なぜ、英国だったのでしょう?
サム:自然なことだったよ。UKの音楽が好きだったし、イギリスはアメリカより新しいことにオープンだからね。でも、ロンドンって物価が高くて、住むのがやっとだった。ものすごく働いたよ。レコード会社のメール・ボーイやったり、レストラン、工場で働いたこともある。クラブやギグへ行って、音楽をやるためにここに来たんだってことを忘れないようにしたけど、実際は生活に追われてそれどころじゃなかった。いつも疲れてたし、ガリガリに痩せてたよ(笑)。それで、LAへ戻ることにしたんだ。
──そうやってミュージシャンになるのをあきらめてしまう人も多いのですが、あなたは違った。
サム:音楽を止めたら、自分じゃなくなるって思ってたんだ。どこへもたどり着かないとしても、自分のために音楽を作り続けなきゃって。LAでは実家に戻ったから、生活の苦労はしなくて済むようになった。それで音楽を作ることに専念できたんだ。
──そんなときに、「ブラック・アンド・ゴールド」が生まれたんですね。ロンドンから戻り、落ち込んでいるときだったって聞いたのですが?
サム:カフェで働いてたんだけど、つまんないし金はないし、車はいつも壊れてるし(笑)……。人生、こんなはずじゃないって思ってた。LAに戻ってから、考える時間がいっぱいできたんだ。もともと信仰深い両親のもとに育ったんだけど、この時期はスピリチュアルなことばかり考えてた。
──そこである夜、空を見ていてこの曲が誕生したと?
サム:そう、宇宙はなんて大きいんだ、僕の悩みなんて小さなものに過ぎないのかもしれないって思ったよ。よく“この曲を聴くたびに元気になる”ってメールや感想をもらう。これこそ、僕にとって“Gold”だよ。
──この曲はこの夏のアンセムみたいになっていますね。
サム:ほんと、驚きだよ。ウンザリされなければ、いいんだけど(笑)。でも僕自身、いまだに楽しんでるんだよ。ラジオでかかると、ノリノリになっちゃうんだ。今年になって何百回もライブで歌ってるっていうのに、いまだに飽きない。すごく誇りに思ってるよ。
──アルバムにはポップだけでなく、ソウル、R&Bなどバラエティに富んだトラックが収録されていますが、なにか一貫性があるというか…
サム:希望がある? 僕は何も、音楽で世界を救おうなんて思ってるわけじゃないけど、聴いてて楽しくなる、それこそ音楽のいいとこだと思うんだ。
──セルフ・プロデュースもできたはずなのに、リチャードXやポール・エプワースといったプロデューサーを迎えた理由は?
サム:確かに自分でやることもできたけど、僕はプレッシャーに弱くて…。誰かの助けが必要だって思ったんだ。リチャードとポールを紹介されたとき、すぐに気が合ったよ。2人とも面白くてね、ほんと救われたよ。プレッシャーで押しつぶされそうになったときもあったから。
──この先、コラボしたいと思うアーティストは?
サム:いつも言ってるんだけど、ゴシップのベスだね。面白いものが作れるんじゃないかと思ってる。それに、マーク・ロンソンかな。
──彼もあなたのファンだって公言してますよね。
サム:すごくいい人なんだよ。僕も大ファンだね。本人に会う前は“マーク・ロンソンとやったほうがいいよ”って言われる度に“みんな彼とやってるからいいよ”なんて反発してたけど、実際本人に会ったら“絶対一緒にやりたい”て思ったよ(笑)。
──自分はどの分野で“オタク”だと思いますか?
サム:ハハハ(笑)、そうだなあ、ちょっとだけコンピューターおたくかな。でも、やっぱり音楽だね。ファンク・ミュージックが大好きで、その分野ではオタクだよ。
──“気乗りしないポップ・シンガー”と自称しているようですが?
サム:そうそう(笑)。自分のことはポップ・シンガーというよりソウル・シンガーだと思ってる。アルバムはポップなサウンドだけど、ヴォーカル的にはソウルだ。この先、もっとヴォーカルを活かした曲を作っていこうと思ってるよ。
──では、これからデビューする日本ではどのように紹介して欲しいですか?
サム:音楽作ってるナイス・ガイ!
●オフィシャル・サイト(海外)
http://www.samsparro.com
●オフィシャル・サイト
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/sam_sparro/index.html
Ako Suzuki, London
この記事の関連情報
スラッシュとウルフギャング、アカデミー賞でライアン・ゴズリングのパフォーマンスに参加
ロックの殿堂2023、パフォーマーのラインナップ第1弾を発表
ウルフギャング・ヴァン・ヘイレン、『バービー』のサウンドトラック参加を明かす
スラッシュ、映画『バービー』のサウンドトラックに参加
ジョージ・マイケル、ケイト・ブッシュ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンらロックの殿堂入りが決定
チャカ・カーン、偉大なシンガー・ランキングに対する発言を謝罪
チャカ・カーン、“史上最も偉大なシンガー”ランキングで自分より上のマライア、メアリーらをディスる
マーク・ロンソン&グレイス・ガマー夫妻に来年、赤ちゃんが誕生予定
マーク・ロンソン、マネスキンのパフォーマンスに衝撃を受ける