樹海、「こもりうた/ヒメゴト」インタビュー

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心のどこかに押し込めて隠した感情。それを隠したという事実も自分では忘れたはずなのに、何かのきっかけで不意に流れ出すということがある。7月7日に武道館で観た樹海のステージは、そのきっかけに足るものだった。樹海のNEWシングル「こもりうた/ヒメゴト」にも、ステージから受け取った断片の数々は存在する。新曲と樹海の“背景”について、愛未と出羽良彰に聞いた。

彼女を見ていたら、「樹海」って言葉が出てきたんですよね。

――ギター歴は何年ぐらいですか?

出羽:6~7年ぐらいです。作曲をするというのも高校の1年の時から始めました。

――もともとピアノをやっていて。では、曲を作るのはピアノで?

出羽:小学校6年生までピアノを習っていたんですが、すごくイヤだったんですよ。最近までピアノを弾くこともヤだったんです。「女のコみたい~」とか思われるのがイヤで。男のやるものではないなと勝手に思ってました。

――ギターで作った曲とピアノで作った曲と、2つに大きく別れますね。

出羽:はい。楽器によって自然と出てくるものを曲にしています。

愛未:ホントにいろんなタイプの曲が私のところにやってくるので、“今度は、こんなん来たか”と思いながら詞を書いてます。最初、曲ごとに合わせていくのはけっこう大変だったんですが、私も私で、いろんなキャラクターの歌詞を書くタイプなんですね。だから、いろいろなキャラクターの中から合う歌詞が出てくれば、樹海として挑戦になりますが、合わないと大変なことになる(笑)。

――アプローチがわからなくなることは?

愛未:あります。“これ、どうしたらいいんやろ?”ってわからなくなって、ある程度時間を置いて、もう一度向かい合うと書けたりして。そうすると“私にもこんな一面があったんやな”って新しい自分を発見することができます。それで、だんだん広がっていく感じですね。

――出羽さんの方から愛未さんに「こんな詞を書いてほしい」というリクエストはするんですか?

出羽:特にしないです。

愛未:アレンジもほとんどできた段階で私のところにくることが多いので、私が受け取ってイメージを拡げてって感じです。指示はない。キーワードになるような歌詞の断片もない。難しい面もあるけど、指定されると範囲が決まってしまうから、自分で自由に書けるのが、ラクだったりいい面もあります。

出羽:もし自分の中に歌詞の断片があったとしても、それを出さない方が、ふたりのいいところが出せるかな、と。過去に2回だけ、僕が歌詞を新たに書き直したことがあります。

愛未:樹海っていうユニット名も、“任せるから考えてきて”って最初言われたんですよ。1週間後、いろいろ考えて提出したら“もう「樹海」に決めたから”って(笑)。

出羽:彼女(愛未さん)を見ていたら、不思議な妖精って感じがしたので樹海って言葉が出てきたんですよね。

愛未:樹海って言葉に対する世間的なイメージは、おどろおどろしいものが多いじゃないですか?でも、漢字を見ると「樹(き)の海」だから、すごく美しい。神秘的な生命力があるような。そういういい面をくみ取りました。私たちも、ひしひしとしたエネルギーみたいなものを追求したいなと思っているので。

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