【INTERVIEW】1stアルバム『アトリエ』への道程
比嘉大佑(三線 & Cho):デビュー作のミニ・アルバム『青春キネマ』は、言うなればインディーズの延長にある一枚だったんですよ。で、その流れでシングル「春ー旅立ちの歌ー」を出して、2枚目のシングル「到来」というのを作ったときに……ちょっと、バンド内に違う空気が流れたというか。初めてアルバムを意識した上で “CHABAのサウンドはこれだ!”と言えるものができた気がしたんですよね。例えば、三線の役割一つにしても変わってきた。三線ってシーケンサーみたいなところがあって、装飾にもなれるしメロディにもなれるんですよ。だからそれまではベースの役目も果たしながらメロディを追いかけてる感じだったんだけど、そのときからもっと“ロックの中にある三線”という活かし方ができるようになった。そうしたら同時に、ヴァイオリン(フィドル)の使い方も変わってきて。
鹿嶋 静(フィドル & Cho):ヴァイオリンだからこう、三線だからこう、みたいなものを排除して、ギターみたいな一つのメロディ楽器として鳴らせるようになったんですよね。“ああ、これがCHABAなんだ”って「到来」のレコーディングで初めて実感できて。そこから方向を定めて次のシングル「パレード」を作って、ハッキリ確信できたんです。
比嘉:そうですよね。でも……「到来」を作ったときからこうなったわけですけど、そこで変わることが自分たち自身にとってちっとも無理じゃなかったんですよ。
平野一郎(Vo & G):うん。自分らの感性に自然と変化が起きていったんで。たぶん、それまでは自分たちでも戸惑ってる期間だったんですよね。その代わり「到来」で自分たちの求めてるサウンドが見えてからはものすごく早くて。その結果、バンド結成した頃から想像してた1stアルバムの風貌っていうのにやっと今、近づいたのかなって気がするんですよね。入れるべきアイデアとか、54分くらいで一気に聴けることとか、そういうのをひとつずつ具現化していって。
鹿嶋:CHABAのスタンスは変わりないけど、自分たちの耳は変わったのかな。客観的に聴けるようになったんですよね。たぶん、曲作りにPCを使いだしたのが大きいんだと思うんですけど。
平野:そうですね。根っこにあるCHABAの性格をそのままにしておけたからこそ、こういう作品ができたんやと思うし。本当、こういうアルバムが作りたかった。これでおしまいにしてもいいくらいで(笑)。今はもう次にやりたいことが出て来てるんですけど。
鹿嶋:そういう揺れる時期はそれぞれあったと思うんです。でも、CHABAの根底にあるものが自分たちで好きだし、それしかないと思ってるから、色々なことを試しながらも一番いい形に戻ってきちゃうんだと思うんですよね。
比嘉:むしろ僕は、戻るとか戻らないってことよりも……ただまっすぐ進んでたら、逆にその線上に色んなものが転がってたなって感じにすぎないんです。紆余曲折はあるけど芯は変わってないし。それをこのアルバムで実証できたのがうれしいんですよね。
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