――BARKSでは海外での活動状況についても逐一伝えてきたわけですが、たとえばごく最近では、6月上旬にドイツの巨大フェス<ROCK AM RING>に出演しましたよね。当日の動員はなんと8万人とか。
薫:とにかく人が多かったですね。単独公演をやると俺らのファンだけで満員になるんですけど、さすがにあれだけの規模になると、知らない人のほうが全然多いわけですよ。だから、なんとかして自分たちの持ち時間が終わる頃までには気持ちをつかんでやろうと思いながら挑んでましたね。実際、かなり手ごわかったですけど。
Toshiya:楽しさ半分、悔しさ半分って感じですね。改めて、甘くはないなって感じました。
Die:単純に自分たちのライヴとしては良かったという気がしますけどね。雰囲気とか状況に左右されずに出来たと思うし。
Shinya:ステージに上がればどこでも同じですからね。客席とかあんまり見えないんで、8万人とかそういう規模も気にせずにやれたし。
――実際、欧米でこうした状況が得られた理由は、どこにあったと考えています?
薫:どうなんでしょう? やっぱり俺らの場合、日本に限らずいろんな国にコアなファンが昔からいてくれたみたいで、それがすごく大きいと思うんですよ。 実際、ドイツとかでも“成功したバンド”というふうに見てもらえてるみたいなんですけど、ラジオとかで頻繁に自分たちの曲がかかってるわけでもないし、CDが普通に売られてる状況ではあっても、大々的に宣伝されてるわけじゃない。なのにライヴをやるとお客さんが集まるという不思議な状況でもあるわけなんです。 それはコア・ファンのおかげでもあると思うし、現地のスタッフに恵まれてるからでもあると思うし。だから自分たちとしては、成功を手に入れたというより“スタートラインに立った”っていう気持ちのほうが強いですね。 “何故こうなったのか”も大事ですけど、それ以上に“ここからどうするか”を考えるべきというか。もちろん、バンドの存在を広めていく作業は自分でするものではないから、自分たちとしては、あくまで自分たちが信じた道を貫いていくだけなんですけど。
――8月、武道館公演直後からはKornの主催する<THE FAMILY VALUES TOUR>に合流することも決まってるんですよね。どんな反応/成果を期待しています?
Die:まずは単純にバンドがパワー・アップ出来たらいいな、と。ツアー全体の環境が、日本と全然違うわけじゃないですか。約2ヵ月、ほとんどツアー・バスで生活することになるし。そんな時間のなかで、自分たちなりに成長していけたらなと思います。
――実際、<THE FAMILY VALUES TOUR>への参加はどういった経緯で決まったんです?
薫:3月にアメリカでショウケース・ツアーをしたとき、KornのマネージャーがLA公演を観に来てくれて、とても気に入ってくれたみたいで。すぐに話が来ました。ちょっとは考えましたけど、断る理由なんて皆無ですからね(笑)。やるしかないだろう、と。
Die:Kornとは<ROCK AM RING>のときも一緒だったんですけど、メンバーたちも激励に来てくれたり、ライヴ終了後にバックステージでのバーベキューに招いてくれたり。「夏のツアーは毎日パーティーだから」って言ってましたね(笑)。
――その前に、武道館での2日間が楽しみですね。どんな内容になるんでしょう? 薫:ま、ある意味、公演タイトルから想像される通りではあると思いますよ。単純に言えば“総決算”と“始まり”っていうことで。それをどう表現するかはともかく。
――海外での活動が増えている皆さんとしては、ここで日本のファンの底力を感じたいところでもあるんじゃないですか?
京:それはもちろんなんですけど……敢えて言わなくてもわかってるはずだろうな、と。
――ところで『Withering to death.』に続くアルバムが待ち遠しいんですが、まだ時間がかかりそうですか?
薫:録り始めてますよ。曲作りはずっと進めてきてたし、すでに本格的な録りが始まってきてます。ただ、まだまだじっくり煮詰めていきたいと思ってるんで。ま、リリース時期として目指してる目標地点はあるんですけど、アルバムというのは“出来たときに出るもの”なんだと思っておいてください(笑)。
取材・文●増田勇一
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