小林武史ロングインタビュー
──<ap bank fes’05>のDVDを観ました。「ap bank fesはブッキングフェスではない」という小林さんのステイトメントにかなり感動しました。当然、従来のフェスとは違う価値や意味を小林さんが模索した結果だと思うんですけど、その点はどうですか?
小林:あのフェスは、ap bankを進める流れの中での一つの手段だったと思うんです。ビジョンやコンセプトがあって始まったものだから、ブッキングフェスではなく、コンセプトありきのフェスだっていうことなんですね。
──その結果、ブッキングフェスではないけれど、最高のブッキングができたんじゃないですか。あのミュージシャンのラインナップっていうのは普通は考えられないですよね。
小林:大満足と言えるだけのブッキングは出来たと思っているし、ap bankが中心にあるフェスじゃないと、これだけの多様な人たちに声をかけることもできなかっただろうなという気はしますね。出演者全員がDVD化に承諾してくれたのは本当にうれしかった。
──ap bankっていうのは、もともとはミニマムなところから立ち上げていこうっていうもので、フェスっていうのはかなりの拡大ヴァージョンだと思います。核ができたので広げていこうという発想があったんですか?
小林:そうですね。そのコアっていうのは信頼とか信用とか、わりとベタなものなのかもしれないんだけど。僕や櫻井(和寿)にとって、社会に還元することも含めて自分たちの力で何かをやってみるっていうのは、すごく重要なことだったんです。本音で、ちゃんと仕組みが見えるようなガラス張りの状態でやりたいなと。
──お金を集めるのも融資するのも含めてですね。
小林:年利1%分の収入じゃ、活動資金が全然まわっていかない。それでその活動資金を得るためにライヴをやろうということだったんです。でもそこに矛盾もあって、もちろん大きいところでやれば収益も大きく出るんだけど、僕等はやっぱり丁寧に一歩一歩やりたい。でもB.G.Mという小規模のライヴを2回やって、自分たちの思いは音楽に反映されるだろうなって確信が生まれた。その姿勢は伝わったんだと思うんです。それが信頼、信用と言われるコアなんですよ。
──どんなイベントを想定していたんですか? いろいろ出てくるアーティストのバックバンドが一貫してひとつのバンドでっていうのは普通はないですからね。
小林:Bank Bandっていうのは、当初は櫻井をヴォーカルにしてカヴァーをメインにやっていたのですが、今回のフェスではそこにアーティストを迎え入れた。名うてのミュージシャンたちが対話をするように音楽をやっていけるかなと。色んな人と対話ができて、それでこういう応用ができる、みたいなことだったんだよね。このコンセプトはけっこう良かったかもしれないですよね。今回参加してくれたアーティストにも喜ばれた。バンドメンバーにかなり気合いを込めてやれるミュージシャンが揃っているので、乗り越えられたんだとも思いますね。亀田(誠治)くん、小倉(和博)くんをムードメーカーにしながら。
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