佐藤竹善、6年ぶりのソロアルバム『Okra』で自身の音楽観を語る【インタヴュー編】
――久々のソロ・アルバムですが、前もって作品の全体的なイメージなどは描いていたんですか?
佐藤:この6年の間にいろんなコラボレーションやカバーをやったり、SING LIKE TALKINGのツアーをやったりしてきたので、楽しく音楽をやりまくってるのが聴いてる人にも伝わる作品にしたいなっていうのはありましたね。
――2曲目の「GOOD MORNIN' GOOD ROLLIN'」ではSOFFetと小曽根真さんのビッグバンドと共演していますが、もともとSOFFetとの出会いは?
佐藤:去年の暮れにあった僕のソロ・コンサートを観に来てくれて、その時に知り合ったんです。彼らはSING LIKE TALKINGの曲を中学ぐらいから聴いててくれて、僕は彼らの「君がいるなら」ってシングルを中心にラジオでもよく耳にしてて。そういうこともあって、“何かやれたらいいね”って話が自然に盛り上がって。で、彼らが『THE HITS~CORNERSTONE 3~』を聴いててくれて、小曽根さんと一緒にやってる曲(「THE CONTINENTAL」)を非常に気に入ったらしいんです。彼ら自身スウィング・ジャズが大好きってこともあって、じゃ小曽根さんも一緒にできたらいいですねって。
――それでこんなにも豪華な曲に。詞は前もってテーマを決めて作ったりしたんですか?
佐藤:テーマ自体は決めてなかったけど、“一緒に作る”感っていうのを出したくて、自分のパートはそれぞれ曲も詞も自分で作っていくことにしたんです。“新しいことを始めるのはおもしろいな、楽しいな”ってことを歌で具体化できればいいなと。
――次の「DEVIL IN DISGUISE」はボビー・コールドウェルが詞を書いているんですね。
佐藤:そう。ボビーと知り合ったのは今から16年ぐらい前で、僕がFM YOKOHAMAでやっているラジオ番組にゲストで来てくれたんです。「DEVIL IN DISGUISE」は僕の中ではスティーヴィー・ワンダーへのトリビュートで書いた曲で、彼から受けた影響をそのまま出した曲にしたいなと思って。その時に詞は日本語って感じじゃないなと思ったんです。それで、ボビー・コールドウェルもスティーヴィーに影響を受けた一人だし、お願いしてみようかなと。で、“曲を聴いて、いいなと思ったら詞を書いてください。通常の印税以上のものは出せませんけど”(笑)って伝えたら引き受けてくれて。1ヶ月ぐらいでできあがってきました。
――できあがりはいかがでしたか?
佐藤:さすがだと思いました!僕をジャズ、ソウル、ロック、ブルース、ゴスペルといういろんな音楽へ導いてくれたのは、大学生の時にボビーに出会ったことが大きかったんです。当時、彼のやってるAORはオシャレな音楽って感じだったけど、実は詞の世界はとてもシニカルなものが多くて、ジャジーなメロディに非常にブルージーな詞が乗るような、独特の作品演出をするのがニューソウルからAORに流れた分野の特長なんですね。このボビーの詞も明るいメロディに、曲調とは違った詞を持ってきていて、アメリカ独特の作品文化を作ってくれたんですごくうれしかったですね。
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