「メンバー全員、個性も好みもバラバラなのが一番の利点だったというか。みんなで何をやりたいかというより、全員が“俺はこういうのをやりたい!”というのを持ってるのが良かったんですよ。だから作る曲にしてもすごく幅を出せるし、ライヴにしても色んな可能性を出せるようになったんです」(巧介/Vo)
要は、全員が全員、妥協案で的を絞るのではなく、単純にその倍数を楽しめるタイプなのだ。その可能性を広げるためになら、当初のドラマーがパフォーマーへと転身してしまうくらいに。……って、そりゃすげえ!
「別に大きな問題ではなかったですね。新しいドラマーを入れることになったんで、“僕にできることはないかな?”と考えて。その結果、いつの間にかサウンド・パフォーマーという立ち位置になったんです(笑)。ステージと客席の架け橋になれるのって、とても嬉しい役目だと思ってますし」(A-2Sick/SoundPerformer)
「結果的に僕がドラムになるってことで押し出した形だったんですけど(笑)。僕も巧介に誘われる前はメロコアっぽいバンドをやってたんですけど、ちょうど僕ももっと自分の音楽性の枠を広げたかったんですよね。それで一度みんなと合わせてみたら、すごく楽しくて。すぐ決めちゃったんです」(俊/Dr)
ちなみにギターのJOHNとターンテーブルの真也が加入する際も、「メンバーとして正式加入する前から、もうライヴが組まれてました」(JOHN/G)とか、「もっと面白くなれるんじゃないかってことで」(真也/TurnTables)みたいな勢いで、即決定。しかし、あらゆる直感を大事にした彼らのスタンスは、だからこそ聴き手にも一瞬で“楽しい!”と判断させる説得力を持っているのかもしれない。
「見せる部分でのプラス1が、サウンド・パフォーマー。聴かせる部分としてのプラス1が、ターンテーブル。材料としても他のバンドにはないものを取り入れたかったんですよね。何ができるかよりも先に、何でもできる環境を持ちたかったし、実際にそれが僕らの強味にもなってるんです。ま、ネタが足りなくなったらメンバー増やせばいいんだし」(巧介) 「えぇ~~!!」(TACMI/B)
なんてシャレを飛ばしつつも、そのテンションの高さと豪快さはきっちり音楽で表現しているのだ。骨太なリズムを支えるリズム隊に、歌心をそそるメロディ、つられて口から発したくなる歌詞、アッパーだけど健康的な世界観。それは、曲作りの際に個々が持ち寄るセンスはバラバラでも、目的意識の高さが揃っているということを実証している。
「もちろん最初からピッタリ合うわけでもないし、必ずしも同じものが見えるわけではないと思うんです。でも、そのズレが気持ちいいというか。曲はジャムって作ることが多いんですけど、そのジャムってる瞬間が一番スリリングで楽しくて(笑)。“あいつはこうきたか! じゃあ俺はこう乗ってやろう!”みたいなやりとりが楽しいんですよね」(巧介)
バンド側の欲求と聴き手への提示をハッキリさせているぶん、どんな楽曲もスマートに届けることができるGHOSTYBLOW。そのメジャー第一弾リリースとなるミニ・アルバム『HORRORMANIA』も、ミクスチャーなサウンド形態でありながら、じつにスムーズに耳に入ってくる一枚となった。
「自分でも車の中でよく聴くんですよ。ドライヴしながら聴くCDって限られてくるじゃないですか? そういう一枚になれたんじゃないかなと思いますね」(真也)
「これはまだまだ僕らの一部でしかないんですけど、だけども今の僕達というのをすごく表わしてる一枚ではあるんで。まずここから知ってもらって、それをきっかけにライヴに来てほしいですね」(TACMI)
「本気」と書いて「ノリ」と読む。そんな彼らの本随を確認しに、ぜひライヴへも足を運んでほしい! まぁ、最初の5秒はポカーンと口を開けてしまうかもしれないけども。
「もちろんお客さんが楽しいのは当たり前なんだけど、自分たちが楽しんでそれをやってないと筋が通ってないと思うんですよね。この中では僕が一番無表情で叩いてるかもしれないですけど、それもつい夢中になっちゃうからなんだよ、と(笑)」(俊)
「なかなかない感じのパフォーマンスをやってるし、本当に面白くてメンバー同士で顔を見合わせて笑ってたりする(笑)。そういう自然な空気をみんなにも伝えていきたいですね」(JOHN)
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