【インタビュー】10-FEET、『アオアシ』オープニングテーマ「Fortress Defense」が物語るサウンドへの旺盛な好奇心「情熱とモチベーションに溢れている」

2026.10.06 18:00

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■ディスコってこういう感じだよねって
■そういうアプローチは今までしてこなかった

──TAKUMAさんが作ってきた「Fortress Defense」のデモを聴いたとき、NAOKIさんとKOUICHIさんはどんなふうに感じましたか?

KOUICHI:TAKUMAが作ってきたデモの段階ですでにカッコよかったですよ。スピード感もあって、『アオアシ』に合うやろなと思いました。

──おふたりもその時、ミクスチャーロックサウンドに意識が向いていたんですか?

KOUICHI:意識が向いてたっていうか、僕らいろいろなジャンルの曲をやってるし、こういう曲もできるって武器だと思うんですよ。

NAOKI:ミクスチャーロックというよりは、ダンサブルなサビの印象が強かったので、そこをいかに乗れるものにするかってところに重きを置いて、みんなでアレンジしていった記憶があります。

──サビはドラムの4つ打ちが肝じゃないかと思うんですけど。

KOUICHI:はい、肝だと思います。

──曲を聴いただけで、ライブでお客さんが跳ねながらダンスする光景が目に浮かぶんですけど、この曲はギターとベースが一塊になって、曲の土台を作っているところで、KOUICHIさんの手数の多いドラムが、サッカーのボールを追いかけている選手のプレイを表現しているように聴こえて、聴きどころになっていると思います。

KOUICHI:手数が特に多いとは思わないけど、手癖ではないフレーズもやっているから、自分的に難しい曲ではあるんで。ライブで披露する前にちゃんと練習して、できるようにしなきゃとは思っていますね。

──つまりドラムのフレージングはできるだけ手癖に頼らずに作ったと?

KOUICHI:毎回そうですけど、場合によっては手癖に頼る時もあるんでね。レコーディングしながら、“こんなんどうやろう?”って試して、ハマったら採用してっていうふうに作っていったんで、めちゃめちゃ難しいわけではないですけど、最初から最後までノリを出し続けるのは難しいやろな。そこじゃないですか。

──スネアも歌と同じくらいのポジションなんじゃないかという気もするんですけど、叩きながら、“俺の見せどころだ”とは思いませんか?

KOUICHI:いや、見せどころみたいなのはないです(笑)。この曲の最後は、ほぼEDMなんで、そこは音源とは別にライブアレンジしてもいいかなとも思ってるんですよ、僕は。“音源はこうやけど、ライブではこう”みたいなね。EDMっていうか、「シーケンサーメインのところは、それを前面に出してやりたい」ってTAKUMAが言ってたんで、それをうまいこと活かせるような生のドラムにしたいなと思ってます。

──TAKUMAさんはEDMにも興味があるんですか?

TAKUMA:はい。やったことがないから、思いっきりやってみようと思いました。ライブでどんな音になるのか楽しみです。

──2番のAメロではスネアを叩かずにキックだけになるじゃないですか。

KOUICHI:TAKUMAのアイデアです。

──キックだけになると、Aメロで動いているNAOKIさんのベースフレーズがぐっと聴こえてくる。そのアレンジがすごくいいなと思いました。

NAOKI:1番と2番、ベースがやってることは一緒なんですけど、ドラムが変わることによって聴こえ方も変わってきますよね。確かに、そういうアレンジの妙は出ていると思います。

──ダンサブルなサビをいかにノレるものにするか考えて、アレンジしていったそうですが、ベースはどんなアプローチを?

NAOKI:いわゆる昭和のディスコっぽいイメージでオクターヴの音も入れて、今風のサウンドに、ちょっといなたい昔っぽいフレーズを乗せて、ノリというかグルーヴというか、うねり感を出すイメージでやってみました。

──昭和のディスコなんて聴いていたんですか?

NAOKI:いや、聴いてないですけどね(笑)。ディスコに行ったことはないですけど、テレビでは目にしてたんですよ。だから、自分が持ってた“ディスコってこういう感じだよね”っていうイメージで。そういうアプローチって、実は今まで10-FEETではしてこなかったんですよ。4つ打ちに対しても、これまでならメロディっぽいフレーズを当てていたんですけど、今回はオクターヴを入れたフレーズのほうがハマるし、よりノレるなと思ってやってみました。

──じゃあ、サビのドラムもディスコっぽいものを意識していたんですか?

KOUICHI:僕は普通に4つ打ちしてたんですよ。そうしたら、TAKUMAが“ダダダダ”っていうキックを使いたいって。でも、ハイハットを開閉しながら、“ダダダダ”って物理的に無理なんですよ。「だったら音源はシーケンスを使って、ライブはライブアレンジでいいんじゃないか?」って提案してくれたんで、「そうしてみよう」って。TAKUMAはその“ダダダダ”っていう音が欲しかったみたいです。

──これも紋切り型の言い方になってしまいますが、「第ゼロ感」のデジロック、エモい歌ものの「壊れて消えるまで」と来て、今回のダンサブルなアプローチというふうに曲の流れがまた変わって、リリースの順番としてはすごくおもしろいことになりましたね。

KOUICHI:確かに。これをひとつのバンドでやってるんか?って思ってもらえたらおもしろいですね。

──そんなアレンジもさることながら、歌詞も興味深いと思います。

KOUICHI:僕はサッカーをやってたからわかるんですけど、サッカーの用語も使われていて、ちゃんと『アオアシ』に沿っているというか。サッカーやってる人なら“わかるわかる!”って思ってもらえるんじゃないですか。

──オフェンスではなく、ディフェンスをテーマにしているところもおもしろい。

NAOKI:うん。視点的におもしろいですよね。

KOUICHI:それは『アオアシ』の主人公の目線じゃない?

TAKUMA:その通りです。

──“Season1”のオープニングテーマの歌詞は2曲とも([Alexandros]「無心拍数」 / Superfly「Presence」)、どちらかというと精神面を歌っていたと思うんですけど、今回はサッカーのプレイそのものを歌っているところがおもしろいと思いました。歌詞を書く上ではどんなことを意識したのでしょうか?

TAKUMA:『アオアシ』はチームメイトとのやり取りとか、家族愛とか、恋愛とかも描かれていて、そういう人間ドラマも見どころとして、感情移入しちゃうんですけど。サッカーしているシーンになると、けっこう没入感があって、気がつくともう主人公になってると思えるくらい読者をハマらせる作品なんですよ。しかも、これまではフォワードだったり、ミッドフィルダーだったりという前線から中盤の花形が主人公ってパターンが多かったと思うんですけど、それが『アオアシ』はディフェンダーっていう。珍しいと思うんですけど、ただ、その中でディフェンスだとか、オフェンスだとか感じさせずに、気がついたらハマっているという。その世界観に読者を引き込む力が『アオアシ』の大きな魅力だと思うんです。なので、そういうものを自分も作りたいと思って、歌詞に関しても、試合をしている映像が浮かぶような、実況中継ではないけど、試合の描写を意識して、聴く人が没入できるようなものにしたいと思ってました。

──ダンサブルな曲調からの連想かもしれないですけど、サッカーをプレイしている姿が、TAKUMAさんにはダンスしているように見ているのかなと歌詞から想像しました。

TAKUMA:それぐらいサッカーしている姿ってカッコいいですよね。僕はやってなかったからよけいにそう感じるんだと思うんですけど、そういう印象を持っているので、そのまま表現しました。