【インタビュー】kein、3年ぶりアルバム『Iustitia sine misericordia』発売「今の自分たちがこういうことをやったらどう表現できるのか」

Keinが10月7日にニューアルバム『Iustitia sine misericordia』(読み:ユスティツィア・シーネ・ミゼリコルディア)をリリースした。
前作『破戒と想像』から3年ぶりにして、メジャー初のフルアルバムとなる本作。ダークさからシニカルさ、はたまた歌唱表現や演奏のテクニカルさなど、keinのもつ魅力を堪能できる作品となった。収録されている楽曲をひとつひとつ、メンバーの言葉とともに紐解いていこう。
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──フルアルバム『Iustitia sine misericordia』が完成しましたね。今作はここまでコツコツと制作を重ねてきたものになるのでしょうか。それとも、近々になって一気に作りあげられたのでしょうか。まずはその成り立ちについてお聞かせください。
aie(G):キンキンギュッでした(笑)。
玲央(G):フルアルバムを作ろうという話自体は1年くらい前に出てきていたんですけど、制作に入ったのはそれからもう少し後のことだったんです。
──制作に入られる前や制作中に、バンド内で今作に関するビジョンの擦り合わせのようなものはあったのでしょうか。
aie:幸いなことにうまいこといったから、特にそういう話をすることはなかったですね。仮に曲が全て揃った時点で眞呼さんが「何にも浮かばない」って言ってたら、もしかしたら作り直してた可能性はありますけど。
眞呼(Vo):え。そうなの?
aie:うん。その場合は曲を作り直すしかないんで、発売延期も視野に入れて……っていうことになってたかも。まぁ、そのくらいのタイム感で動いてた感じではあります。でも、実際は当初の予定よりも1曲多くなったくらいなんですよ。

──それだけ制作が順調に進んだということだったのですね。なお、今作でもaieさん、玲央さん、攸紀さんがそれぞれに作曲をされていらっしゃいますけれど、攸紀さんは今回のアルバムに向けてのはどのような構想をお持ちだったのでしょうか。
攸紀(B):個人的にはあまり幅広い感じで曲作りをしようとか、そういうことは考えていなかったんですけど、まず1曲目にアルバムの最後に収録されている「Trues」を出して、その次に3曲目の「Cradle Lull」を出したんですね。そこでアルバムにおける「あったらいいな」という曲は満たされたのかなと思います。「雨音の記憶」は既存曲で、最後に作った「Jack-o’-lantern」は自分にとって遊び感覚で作ったものでした。
──攸紀さんの曲をはじめとして、今作はどれもどなたがどの曲を作られたのかがクレジットを見ずともわかるくらい、各コンポーザーの個性が色濃く出ているところが特徴的だと感じます。玲央さんは曲作りの段階でどのようなことを考えていらっしゃいましたか。
玲央:メジャーデビューしてから出した2枚のEP(『PARADOXON DOLORIS』『delusional inflammation』)が、それぞれに方向性が違うものだったことをふまえると、既にあの時点でアルバム用に作る曲の枠みたいなものは広げられたと思っているんですよ。つまりEPを2枚出したあとにフルアルバムを出すという、この3年をかけてのターンというのはもともと構想の中にあったので、今回はかなり自由に「アルバムだったらこういう曲があったらいいよな」というのを作っていった感じでした。
──なるほど。aieさんが曲作りの段階で考えられていたのはどのようなことでしたか。
aie:今回の5曲は方向性がどれも違うんで、もし10曲入りだとしたら使いやすい場所にそれぞれを入れられたらいいな、という感じでデモを作りましたね。作り方としては、その日に目が覚めた時「よし、今日はkeinの曲を作ろう!」となったらまずは俺のギターだけ入ったやつをSallyちゃんに送って、後日スタジオに一緒に入って1曲としてかたちにしたものをラジカセで一発録りするんですよ。で、それをメンバーに送るという流れでした。
──aieさんは今もラジカセを使っていらっしゃるのですか?
aie:あ。いや、今は時代が変わってボイスメモですけど(笑)。無限に録れるんでいいんですよね、これ。
──Sallyさんはaieさんから曲が送られてきた際、そこからどのように対応されていくことが多かったのでしょう。
Sally(Dr):デモの段階でも大体「こういう感じなのかな」みたいな想像はつくので、そのあと2人でスタジオに入ってからは個々の曲のカラーをよりはっきりさせていくかたちで進めて行きました。でも、当初あったのは確か3曲くらいだったんですよ。その3曲がある程度まとまった時に「まだちょっと時間あるから」っていうことで、現場でパパッと2曲を追加することになってデモが5曲になったんです。その2曲はとりあえず最低限必要な部分だけをかたちにして、それをみんなに送ってという感じでした。
──aieさんと、攸紀さんや玲央さんの曲とでは作曲の過程に違いがあるのですね。
Sally:攸紀さんと玲央さんは結構しっかりと作り込んだデモを送ってきてくれる感じで、aieさんからはデモもありつつその場で生で曲を聴かせてもらうんです。
aie:一応デモは送るけど、ほんとギターだけの悲しい状態なんで(笑)。「聴かなくてもいいけど、ちょっと雰囲気だけ確認しといて。あとは会った時に説明するわ」っていうのがいつものパターンです。
──いずれにしても今作は曲によりリズムの雰囲気や構築のされ方がだいぶ違う印象ですし、作曲プロセスも含めてSallyさんはそのつど柔軟に対応されていかれたわけですね。
Sally:今回もいろいろとバリエーションがあったので、イメージや要望があれば応えますし、ないならないでその場で僕が受けた印象でやっていくという感じでしたね。
──そうした一方、眞呼さんは今回の楽曲たちが揃っていく過程で何か感じていたことはございましたか。
眞呼:変化球が来るだろうということは覚悟していて、「やっぱり来たね」という感じですかね。

──今作において、最も変化球としての面白さを感じたのはなんといっても「The Messy-Haired Grimalkin」です。まさか、keinからこんなにもシティポップなテイストの楽曲が出てくるとは思ってもみませんでした。
aie:これはね、そうしようと思ったわけじゃなくそうなった(笑)。もともとは、いなたいガレージロックみたいな雰囲気だっんだけど、Sallyちゃんのビートが入って、眞呼さんがオープニングの鍵盤とかメロディを入れてきてくれて、そこでグッとシティポップ感が出たんですよ。それこそ80年代後半あたりの、我々が多感な頃によく聴いていたような馴染み深い音になりましたね。
──しかも、「The Messy-Haired Grimalkin」は『Iustitia sine misericordia』のリード曲でもあるそうですね。純粋に素晴らしい楽曲だと感じる反面、keinがこれだけポップなものをそのポジションに据えるとは相当に思い切ったご判断なのではないかと。
aie:ですよね(笑)。
眞呼:思い切ったな、とわたしも客観的に見てそう思います。「本当ですか?」「いいんですか?」ってなりましたもん(笑)。
──フルアルバムだからこそ映えるバリエーションを持った楽曲という捉え方もできる中で、敢えてこうしたものを前面に打ち出すというのはとても斬新なアプローチですね。
玲央:そこはアルバムを象徴するようなリード曲になっています、というよりも「ミュージックビデオにするならどれですか?」となった時にこの曲を選んだ、という言い方をした方がより正しいかもしれません。アルバム全体がこういうトーンかといったら、またちょっと違う話になってくると思うので。「The Messy-Haired Grimalkin」は僕も異色な曲だなと思います。
──Sallyさんは「The Messy-Haired Grimalkin」と向き合われるのにあたり、どのようなドラミングやフレーズをこころがけられましたか。
Sally:この曲は極めてシンプルで、keinの中だと伴奏的というかビートに対して忠実にやっている感じではありますね。メロディが早めに決まっていた方の曲で、口ずさみながら叩いているような状態でレコーディングもできているので、淡々と裏方に徹するイメージでやっています。
──「The Messy-Haired Grimalkin」の80’sシティポップ的な雰囲気を醸し出しつつも、単なるポップチューンで終わらせることなくkeinの楽曲としてしっかりと下支えしているのがベースラインだと感じました。絶妙な違和感や効果的なフックとなるフレーズがくわえられていることで、keinならではのサウンドが成立している印象です。
攸紀:僕はこの曲を初めて聴いた時に「DIE IN CRIESっぽいな」と思ったんですよ。それで、当初はフレットレスベースっぽい音で弾きたいなと思ってセッティングをしまして、結果的にはそういう音にはならなかったんですけど、プレイ面では細かいことを言うとルートからは始まってなくてたまにずらしてもいるんですね。そのへんが眞呼さんが付けてきてくれたシーケンスと偶然マッチしたというか、面白い効果を生み出したのかもしれないです。僕的にはシティポップだけじゃなくてドリームポップ系(1980年代後半にイギリスを中心に生まれたロックのサブジャンル。代表的なバンドはCocteau Twins、Slowdiveなど)のニュアンスを持った音にもなったのかな、と感じてます。
──そのニュアンスが非常に効いていて、単に甘いだけの曲にはなっていない絶妙なさじ加減がさすがだなと感じました。keinの新境地を感じます。
攸紀:ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです。
──玲央さんは作曲者の意向も汲みつつ、ギタリストとして「The Messy-Haired Grimalkin」に対してはどのようなプレイを意識されましたでしょうか。
玲央:ベーシックな部分はaieさんが弾いているので、裏でどれだけキラキラさせるかというのがポイントでしたね。僕は基本クリーンしかほとんど弾いていないですし、今回のアルバムはこの曲以外でもクリーンと効果音の割合がすごく多いんですよ。もちろん歪みも録ってはいますけど、結果としては1曲につき5トラックとか7トラックという膨大なトラック数になって、リアンプするのがちょっと大変でした。
──作曲者であるaieさんは、各メンバーのプレイが折り重なっての完成形を耳にされた際どのようなご感想を持たれたのでしょう。
aie:「いいじゃん」ですね(笑)。原曲を作った時と全く方向性が違ったかもだけど、俺だったらこういう風には作らないですから。バンドの良さが出たなって思いました。
──だとすると、ギタリストとしてはどのようなアプローチを意識されましたか。
aie:この曲のギターに関しては、どの方向に行こうが多分こういうギターを弾いていると思うんですよ。というのも、サビが終わった後のCメロで眞呼さんが歌っているところはレコーディングの時点だとどこを眞呼さんが歌うかがまだ分からなかったんで、想像でギターソロみたいなものを弾いてるんですね。そして、そこはさすが眞呼さんと自分は長いなと思ったところでした。分からないで弾いたのに凄くちゃんとハマってて、今作の中でもそういう連携が特にうまくいったポイントのひとつなんじゃないかなと思ってます。
眞呼:ほんと、あそこによく入れたよね。
aie:まぁ、いちかばちかでこっちかなみたいな(笑)。うまくいってよかったです。

──「The Messy-Haired Grimalkin」については、眞呼さんがこの曲の方向性を変えるきっかけを作られたことになるようですが、あの鍵盤の音をここに入れようという発想はどのようにして生まれたものだったでしょうか。
眞呼:まずは冒頭部分のピアノを入れたくてやってみたら、「あ、じゃあここはこうだよね」っていうアイディアが連鎖的にいろいろと出てきたんですよ。ただ、客観的に一歩引いて聴いた時に「大丈夫ですか?」っていうのはあって。もちろん、自分ではいいとは思ったからそうしてるんですけど「許してくれるかな?」って。だから、最初は「こんなの入れてみましたけど」っていう感じで提示しましたね。調子に乗っていろんなものを入れてしまっただけに、やってる最中にわたし自身がだんだんと分からなくなっていっちゃったりもしましたから。aieさんから「いいじゃん」って言われても「本当にいいって思ってくれてるのかな?」っていうところが少し不安でした。
aie:眞呼さんのその感覚、わかりますよ。デザインとかしてて写真の色を変えたりする時も、やってるうちに今どこにいるのか分からなくなる状態ってあるから。客観的に見るのって大事だし、スタート地点を覚えてなかったりするとすぐ迷子になっちゃう(笑)。
──その点、この曲は最高の着地点にたどりついたと言えるでしょう。純粋に良い曲に仕上がっていますし、今さらではありますがkeinのあらたな可能性も感じます。
眞呼:よかったー。
aie:今日はほかにもいろんな取材を受けてるんですけど、初めてこんなに褒められたかも(笑)。暗いアルバムとか、ディープなアルバムですね、みたいな言葉はけっこう出てきてたけど「良い曲」みたいな言葉は出てきてなかったんで。
──普遍性を持った素敵な楽曲ですし、個人的にも今作の中でイチ推しです(笑)。また、「The Messy-Haired Grimalkin」については歌詞にもある種の普遍性が宿っており、たとえば〈励まし合い 認め合おう〉というフレーズは幼児にも言い聞かせたい正論の中のド正論であるという以上に、これは今の世界中に向けられた大切な言葉だとも感じられました。あたりまえだったはずのことが、あたりまえではなくなってきているだけに。
眞呼:こどもに言い聞かせるというよりも、むしろ大人たちにこそ言い聞かせないとねっていう(苦笑)。
──モチーフとなっているのは猫で、曲もタイトルもそこに由来しているようですね。
眞呼:わたしの飼っている猫が、長毛種で毛玉がいっぱいできるんですよ。ブラッシングをこまめにしてあげないと駄目だし、1回絡まっちゃったらお腹の部分なんかは切らないと駄目なんですけど、なかなかやらせてくれなくて。身近な存在を描いたこともあり、この詞はわりとすんなりできました。せっかくなんで、これってどこかとタイアップできないですかね?
──猫がモチーフの歌詞ですので、キャットフードのCMはいかがでしょう。
眞呼:いいですね。毛玉ケアの商品とかいいかもしれない。
aie:ビタワンは? あれはドッグフードか(笑)。
──ともあれ、アルバムのリリース前後にはMVも公開されるとのことですのでそちらにも期待しております。そして、ここからはSE明けの実質1曲目となる「自壊の肖像」についてのお話もうかがって参りましょう。玲央さんはどのようなビジョンを持たれたうえでこの曲を作られたのでしょうか。
玲央:原曲はもうちょっとニューメタルな感じでした。雰囲気は今のかたちに近いんですけど、スタジオで合わせた時に当初はあまりみんなしっくりこない感じがあったので、そこからどんどん変化していきましたね。デモを作る段階ではのちのちいじりやすいようにある程度の遊びを設けてラフに作っているのもあり、スタジオでみんなでアレンジしていく中で変化していく曲もあるんです。
aie:「自壊の肖像」は最初わりとストレートな曲だったんですけどね。「俺たちならここで何をするかな」ということを考えたときに、Aメロに変なビートを入れたり、サビにも疾走感というよりは重めのキャタピラがドーッと地べたを這っていくような方向の、アメリカのニューメタル的エッセンスをくわえていったんです。
──攸紀さんが「自壊の肖像」のベースプレイで意識されたのはどのようなことですか。
攸紀:サビ以外を落ちつかせるために中間のセクションを僕が付け足したんですけど、そこで対比を出したいなというのはありましたね。

──いましがた、aieさんから「重めのキャタピラが~」との発言がありましたけれども。Sallyさんが「自壊の肖像」のドラムについて留意されたのはどんな点でしたか。
Sally:イントロはガーッと行ってからバスッと一旦静かにして、Aメロはちょっとトリッキーな感じでアクセントを入れて、出たり引っ込んだりの緩急をつけてから、サビは開けたイメージになるようにやってます。
──それから、この「自壊の肖像」は曲タイトルに歌詞の内容が凝縮されているようにも感じますが、眞呼さんがここに込めた想いについてもぜひおきかせください。
眞呼:この曲タイトルは安全地帯みたいにしたかったんですよ。
──「プルシアンブルーの肖像」を意識されていたということですか?
眞呼:そうそうそう(笑)。詩の内容としては……どこか特殊な人や輝いてると感じるような人に対して、周りが寄ってたかって嫉妬を向けてる感じですかね。
──この詞の中に出てくる〈冷笑〉という単語は、もともと漢語として14世紀には生まれていたそうなのですが、近年SNSにてよく使われるようになった側面もあるかと思います。ふた昔前くらいまでは皮肉めいた言葉として“生暖かく見守る”といった表現もみかけましたけれど、〈冷笑〉では言葉の持つ温度感がさらに下がってしまったわけで、なんとも世知辛いなと感じてしまうところがあります。
眞呼:本質的なところはきっと変わってなくて、より演出の要素が強くなってるっていうことなのかなとは思います。上辺だけよく見せてる状況だと思うんですよ。
──〈見ない自壊の業火〉というフレーズも、考えさせられるなと感じました。
眞呼:光とか明かりというものに対して、それが火だって気づいてなかったというケースもあるような気がするんです。虫が群がったところにあった火は、自分で燃やした火である可能性もあるのかなと。揚げ足取りをしたり、あまりよろしくない言葉を誰かに投げかけるような状態は、発している側の痛みから生まれることも多いんでしょうけど、結局は自分で自分を焼いてるみたいなことになってるように見えるんですよ。この詞はそういうイメージで書いきていきました。
──ちなみに、「自壊の肖像」の前には「Superbia」というSE的インストルメンタルが入っています。この2曲はコーディネートして作られたものになりますか。
玲央:「Superbia」は「自壊の肖像」の前に来ることを前提として作った曲で、タイトルはアルバム全体のタイトルをふまえてつけたものですね。
──aieさんの作られている「ネオン」については、どのようなテーマで制作された楽曲だったのでしょうか?
aie:これはですね。最初は四つ打ちのリズムとアコースティックギターがループで鳴ってるんだけど、ある瞬間からガバッと空気が変わってギアチェンジしてそのまま終わる曲をやってみたいな、と思って作りました。
──玲央さん、この「ネオン」はギターアンサンブルが面白い楽曲でもありますね。
玲央:自然とこれがこの曲に合いそうだなというものを入れただけなんで、本人にはあまり面白いという意識はなかったんですけどね。ただ、後半で途端にオルタナな感じに変わっていくのはaieさんらしい展開だなと思ったし、そこは面白いなと僕も感じました。あと、aieさんの曲で僕がソロを弾くのは珍しいんですよね。「この隙間、もったいないな」と思ってあれは練り込んだりせずにフィーリングで入れました。
──「ネオン」の歌詞からはどこか絵本のような風情も感じます。眞呼さんがこの歌詞を書かれる際に思い描かれていたのはどのようなことでしたか。
眞呼:〈月明かり〉と言っていますけど、これは出口ですね。夜に井戸の底から見上げると空には丸い明かりが見えるはずじゃないですか。それを比喩として月と言っていて。わたしたちが住んでいるこの世界も、あの月が出口かもしれないという比喩なんです。
──歌声を上下に重ねられているアプローチも、詞の内容とあいまって印象的です。
眞呼:フランス映画みたいにしたいなというのと、歌詞の中でも2人いるような状況ですからね。それで声を重ねました。
──8曲目の「Jack-o’-lantern」は、先ほど攸紀さんから「遊び感覚で作ったもの」というお言葉があったとおり、シャッフル系の弾むようなリズムが映える1曲ですね。こちらはライヴでもおおいに盛り上がりそうな予感がします。
攸紀:自分が作った他の曲で欲しいポイントは押さえたので、これはもう遊びでちょっと変な曲にしようと思って作りました。
──途中でフロアタムがフィーチャーされる場面などもあり、これはきっとドラマー的にも面白い曲なのではないでしょうか?
Sally:拍子も変わっていたりするので、やり甲斐がすごくあります。攸紀さんの打ち込みの段階でタムで場面を切り替えるイメージが明確に入っていたので、大枠はそのまま残して細かいところをアレンジしていきました。
──ギターソロも実に小粋です。
aie:あそこで何をやろうかなって考えた中で、パターンA・B・Cと考えつつ最終的にはこんな感じて弾いてみたっていう感じですね。ただ、この曲はBメロも難しいですし、変拍子には慣れてるはずなんだけどけっこう難しかったかな。
攸紀:レコーディングでかなりの回数弾いてましたよね。作った側としても、あれは「ちょっと無茶なことさせてるな」って思いました(笑)。
玲央:確かにあのサビは難しいんですよ。あと、サビの不協和音とメロディの間をどこにしようかなというのもちょっと考えましたね。

──「Jack-o’-lantern」ではとてもわかりやすいキャラクターが取り上げられておりますが、眞呼さんがここでハロウィンをテーマに詞を書かれた理由は何だったのでしょう。
眞呼:もともとはハロウィンについて書こうと思っていたわけではなくて、魔物とか悪を象徴する言葉が結果的にJack-o’-lanternだったんですよ。一番描きたかったのは仮装をしてる人の部分の方というか、本物の悪魔たちが「むしろ自分たちより悪魔的である人間の顔に見えるマスクで仮装して遊ぼうぜ」っていう内容で。それが書いていくうちにハロウィンの話になっちゃった、っていう感じですね。
──とはいえ、今作は10月リリースですので季節感としてはタイムリーですよね。
aie:しかも、今度のツアーはハロウィン当日にライブあるし。
──<kein TOUR 2026「Iustitia sine misericordia」>の10月31日・NAGOYA JAMMIN’での公演ですね。なおかつ、このアルバムには名古屋という言葉が大変似つかわしい曲も入っていませんか。aieさんの作曲の「ヒル」からは、古の名古屋系な香りをそこはかとなく感じてしまいました。
aie:これはある意味名古屋ですね(笑)。未熟で若いバンドが作ってた感じの曲みたいな。
──あれ?玲央さんが首を傾げていらっしゃいますね。
玲央:名古屋というよりは、もうちょっと西寄りな気もしますね。僕は古の名古屋系というと、どうしてもMerry Go Roundの印象が強いので。そういうのではないなと。
aie:そうだね。これは初期Silver Roseとかに近いかも。
──より的確な比喩のお言葉がでてきました。
玲央:まさにそういうことです。
aie:もっと正確に言うなら、若くてバカだった頃の俺が作ってそうな曲っていうことですよ。ピヨピヨって感じ(笑)。
Sally:あはは(笑)。
攸紀:僕はそこに目一杯乗っかりましたね。わざとそれっぽくしよう、っていう気持ちで全力で振り切ってます。
──曲そのものにもシニカルな要素が含まれているせいか、「ヒル」はタイトルや詞がなかなか辛辣です。特に〈Elitism〉という言葉が鋭さを放っています。
眞呼:人間は優れているのが一番いい、みたいな感覚が広くあるなとわたしは感じているところがあるんですけど。言いたかったのは「優れているかどうかなんてそんなの関係ないでしょ?」「優れてなきゃ生きてはいけないんですか?」っていうことですね。
──〈煩悶を好み貪るSnob〉こそがヒルであると。
眞呼:ですね。多様性だなんだって言ってるわりには結局……っていう。
──眞呼さんならではのそうした視点は、4曲目となる「Enforcer」の歌詞にも活かされているように感じます。曲調がストレートであるぶん、ここで響く言葉は不穏ですね。
眞呼:曲をもらった時に、ふと執行人っていう言葉が浮かんだんですよ。そこから歌詞を書いていって、「Enforcer」っていうタイトルをつけたのは最後でしたけどね。
──作曲者である玲央さんにとって「Enforcer」とは、どのような意味を持つ楽曲なのでしょうか。
玲央:ある意味、keinというバンドでは「変なことをしなければいけない」っていう固定概念が2000年の解散時にはあったんですよ。 周りを見て「彼らがああやってるんだったら、絶対あれはやらないでおこう」みたいな感じで、意固地になっていたところも多々あって。でも、そこから時を経て20022年に再結成・再始動した時には「なんかもう、そういうこだわりとかはいいかな」って感じた自分がいたんです。むしろ、こういう「Enforcer」みたいなストレートな曲はkeinの楽曲としては“変わってる”とも言えるわけで、そこには逆説的な意味合いも生まれると思うようになったんですね。だから、今回この曲では今の自分たちがこういうことをやったらどう表現できるのか、どう映るのかっていうのを見たいっていう気持ちがありました。
──実際に「Enforcer」を仕上げてみて、玲央さんはどんなことを感じられましたか。
玲央:まだリリースされてはいないので、どう映るのかという部分はわからないですけど。きっと喜んでもらえるだろうなとは思いつつ、アルバムの中の1曲として並べて聴いてみるとやっぱり異質には感じますね。やはりそうなるか、と思いました。
──ストレートという点では、10曲目の「PROTOCOL : IMMUNITY」もこれはひとつの王道にのっとった楽曲であると言えそうです。
aie:Silver Roseの最後あたりですね、これは。アルバムでいうと『Labyrinth~迷宮~』(1993年発表)の頃のイメージです。
──リズムの喰い方に“あの頃”を感じます(笑)。
Sally:僕もあえて狙って、わざとああいう叩き方をしてますね。
aie:僕からもSallyちゃんに「ここはそういう感じでやっていこう!」って言いました。
眞呼:これってSilver Roseなんですか?
──空気感の面からいくと、聴く人によっては「90年代前半のLUNA SEAっぽい」と感じる方もいるかもしれません。
aie:もちろん。俺がSLAVE(LUNA SEAファンの総称)である証明をした曲でもありますよ。本っ当にマジで影響を受けてますから。そして、これは意外とLUNA SEAにありそうでないタイプの曲なんですよ。オマージュとデフォルメをコラージュしてこうなってるんで。
眞呼:わたしもこれは歌をそこに寄せました。寄せたかったんです。
aie:ほんとみんな、これは“ちゃんとやってる”よね。
──良い意味での時代感が漂っているという点では、攸紀さんの作られてる「Cradle Lull」にポジティブパンクの面影を場面によって感じるところがありました。ご自身としては、どのような方向性を意識されていたのでしょうか。
攸紀:これはスピード感のある激しい曲が欲しくて、サビも広がるような感じで作ったんですが、イメージとしてはビシッとスーツを着てるバンドがやってて欲しい曲っていうのもありましたね。
──なるほど、わかりやすいです。一方、こちらの歌詞はかなり抽象的な表現が多くなっているように感じます。眞呼さんからこの詞を紐解くためのヒントをいただけますか。
眞呼:そうですね……深くない感じの幸福が集まっている場所というか。そうした集まりの中で、踏み潰されている人に気づかない振りをして、笑っている人たちがいる光景というか。言葉で詳しく説明するのは難しいし、聴く方にとっても難しい内容ではあると思うんですけど、まやかしかもしれない華やかな世界でヘンに浮かれてるような?そういう明るい世界に見える場所の嘘臭さ、みたいなものをここでは描いているんです。
──「PROTOCOL : IMMUNITY」の歌詞については〈流行り病〉というフレーズが見受けられますので、これはコロナ禍のことを描いたものになるのでしょうか。
眞呼:それがですね、違うんですよ。自分の中で一番重要というか、この詞を書くきっかけになった言葉は 〈最下層はもう見えない〉っていう部分なんです。流行り病というのは盲信的にみんなの言っていることが正しいと思ってしまう流行り病、という意味で使ってます。他を許さない、慈悲のない世界は歪みを生みますからね。 歪みを生むということは悪を生むってことにもつながりかねないので、極論を言うと善意というものが悪を生むこともありえる気がするんですよ。
──善意は差し出しているうちはいいとして、それを振りかざした途端に威力と化してしまうことが古今東西の事象としても少なからず発生していますものね。
眞呼:でも、振りかざしている方はなかなかそれに気付けないんですよ。振りかざされる方はたまったもんじゃないですけど。かといって、誰が悪なのかといったらそこの判断も難しくて。どこかで歯車が狂えば、誰かにとっては悪だし、誰かから見れば善だったりするっていうことを思うと、おそらくわたしたち人間は全員が何かしらの視点で悪とも言えるんです。だとしたら、なんでも白黒はっきりさせるっていう行為そのものに意味を感じないんですよね。
──今の一連のお言葉は、アルバムタイトル『Iustitia sine misericordia』がラテン語で“哀れみなき正義”の意味を持っていることともつながっていそうです。
眞呼:本当にね。慈悲が必要なんじゃないかと思うんですよ、こういう世の何にこそ。そういう想いでこのアルバムタイトルをつけました。

──そうしたアルバムの最後を飾るのは、攸紀さんの作られている「Trues」です。もしかすると、攸紀さんはこの曲が今作を締めくくることを想定されていましたか。
攸紀:はい、その体で作りました。前作(『delusional inflammation』)でいう「波状」の延長線上にあるような曲という捉え方もしつつ、それよりもさらに激しくしたいなと思って作ったところがありますね。
──ベースラインも躍動的で、楽曲を牽引しているように聴こえます。
攸紀:これはけっこう動いてますね。
──ギターについては、この曲でも不協和音がとても効果的に使われているように感じました。keinならではの色合いが濃く出ている音作りですよね。
玲央:そこは攸紀くんからのオーダーもありつつでしたけど、自然とこうなった部分もあったと思います。
──と同時に、ギターソロが非常にドラマティックです。
玲央:ここもスペースが空いていたので、即興でそのまま入れたテイクですね。我ながら、即興でやったわりにはいい感じになったなと思っています(笑)。
──aieさんのギター録りは、どのように進められていったのでしょう。
aie:レコーディング初日に一回全部録ったんですけど、これは次の日に半分以上録り直したんですよ。家に帰って聴いた時に歪みが多すぎて邪魔だなと思ったから、クリーントーンとクランチの間くらいにして翌日に素直な音で弾き直しました。
──Sallyさんはリズム面でどのようなアプローチをされましたか。
Sally:大枠のリズムは攸紀さんの作ったデモの段階で明確に入っていたので、あとはそれをキープしつつ自分の味を入れていきましたね。
──聴く側としては、アルバム『Iustitia sine misericordia』の最後にあたる曲に「Trues」というタイトルが冠せられていることにも深い意味性を感じてしまいます。眞呼さんの真意はどこにあるのでしょうね。
眞呼:「Trues」って本来はないsが付いちゃってますからね。歌詞としては〈見落とされた二人〉っていうところに尽きたりします。そして、この詞も結局アルバムタイトルと繋がっちゃったんですよ。いや、これはわたしの頭の上あたりにいるような気がする“いろいろと言いたくてたまらなかった人たちの言葉”を拾って書いた詞、と言った方が正しいかな。
──言い方を変えれば、眞呼さんはイタコに近い存在ということなのですかね?!
眞呼:どうなんでしょうね。こういう言葉を発したい人たちがいるんですよ。
──思えば、眞呼さんはその昔からボーカルスタイル自体に憑依的なところがありましたものね。今、なんだか腑に落ちました。
眞呼:だから、わたし自身はたいしたことはしてないんですよ。「わたしはここまで考えてないですよ」という言葉が出てきたりするし。もちろん、書いてるときは必死に書いてますけどね。必死に言いたい人たちの言葉を受け取ってるだけ、なのかもしれません。
──では、最後に。アルバム『Iustitia sine misericordia』と連動したツアー<kein TOUR 2026「Iustitia sine misericordia」>に向けたお言葉も、みなさまからいただけますと幸いです。
aie:たぶん、僕らもお客さんと同じ気持ちでツアーを迎えることになると思うんですよ。この曲たちがどう演奏されて育っていくのかが気になるし、生のバンドならではの強みや楽しさを自分たちでも感じながら、いいかたちでファイナルを迎えたいですね。
攸紀:曲の成長を見ていきたいというのは僕も同じです。それまでに自分自身もしっかりと自信をつけて、みんなに良いプレイを届けたいと思います。
Sally:僕も同じく曲に関してはどう変化していくのかが楽しみですし、ライブを重ねて成長していくところを皆さんにも楽しんで味わってもらえるようにしていきたいです。あとは各地で美味しいお酒が飲めれば、と願っております(笑)。
玲央:ワンマンとなると、リリースツアーとはいえアルバム収録曲以外の曲も演奏しますので。メジャーデビューからの3年間の集大成的な意味合いも感じてもらえたら嬉しいですね。しっかりと熱量をみんなに伝えていきたいです。
眞呼:うちのメンバーは、みなさんいろんなバンドをやっていますけど。ここでしかできない楽曲を作っていますからね。ここまでライブ的にはあまりコンスタンスにやれていなかったこともあるので、ぜひこの機会にみなさまkeinのライブにお越しください。
取材・文◎杉江由紀
写真◎星野耕作
■『Iustitia sine misericordia』
2026年10月7日(水)Release
配信:https://king-records.lnk.to/iustitia
【初回限定盤】(CD+Blu-ray)

KICS-94271
¥7,500(税抜価格:¥6,818)
CD+Blu-ray(スペシャルアウターケース付き豪華仕様)
収録内容
≪CD≫
01 Superbia (作曲:玲央)
02 自壊の肖像 (作詞:眞呼 / 作曲:玲央)
03 Cradle Lull (作詞:眞呼 / 作曲:攸紀)
04 Enforcer (作詞:眞呼 / 作曲:玲央)
05 ネオン (作詞:眞呼 / 作曲:aie)
06 The Messy-Haired Grimalkin (作詞:眞呼 / 作曲:aie)
07 雨音の記憶 (作詞:眞呼 / 作曲:攸紀)
08 Jack-o’-lantern (作詞:眞呼 / 作曲:攸紀)
09 ヒル (作詞:眞呼 / 作曲:aie)
10 PROTOCOL: IMMUNITY (作詞:眞呼 / 作曲:aie)
11 Trues (作詞:眞呼 / 作曲:攸紀)
≪Blu-ray≫
01「The Messy-Haired Grimalkin」Music Video
02「The Messy-Haired Grimalkin」Music Video Making
詳細 https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-94271/
【通常盤】(CD only)

KICS-4271
¥4,000(税抜価格:¥3,636)
CDのみ(※収録内容は初回限定盤CDと同一)
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-4271/
・購入特典
タワーレコードオリジナル特典: ポストカード
fiveStarsオリジナル特典: 缶バッジ(アーティスト写真デザイン予定)
メーカー特典:ステッカー
※対象店舗は後日発表
■<kein TOUR 2026「Iustitia sine misericordia」>

2026年10月17日(土)札幌ベッシーホール
OPEN 17:00/START 17:30
INFO.WESS info@wess.co.jp
2026年10月18日(日)札幌ベッシーホール
OPEN 16:00/START 16:30
INFO.WESS info@wess.co.jp
2026年10月25日(日)仙台ROCKATERIA
OPEN 17:00/START 17:30
INFO.EDWARD LIVE TEL:022-266-7555
2026年10月31日(土)NAGOYA JAMMIN’
OPEN 17:00/START 17:30
INFO.ズーム TEL:052-290-0909(平日12:00~18:00)
2026年11月1日(日)NAGOYA JAMMIN’
OPEN 16:00/START 16:30
INFO.ズーム TEL:052-290-0909(平日12:00~18:00)
2026年11月7日(土)福岡DRUM SON
OPEN 17:00/START 17:30
INFO.キョードー西日本TEL:0570-09-2424 (11:00~15:00(日曜日/祝日休))
2026年11月8日(日)福岡DRUM SON
OPEN 16:00/START 16:30
INFO.キョードー西日本TEL:0570-09-2424 (11:00~15:00(日曜日/祝日休))
2026年11月14日(土)OSAKA MUSE
OPEN 17:00/START 17:30
INFO.YUMEBANCHI(大阪) TEL:06-6341-3525
2026年11月15日(日)OSAKA MUSE
OPEN 16:00/START 16:30
INFO.YUMEBANCHI(大阪) TEL:06-6341-3525
2026年11月22日(日)Spotify O-WEST
OPEN 17:00/START 17:30
INFO.ディスクガレージ https://info.diskgarage.com/
2026年11月23日(月・祝)Spotify O-WEST
OPEN 16:00/START 16:30
INFO.ディスクガレージ https://info.diskgarage.com/
チケット一般発売中
【チケット料金】
スタンディング¥6,600(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※3歳以上チケット必要
イープラス:https://eplus.jp/kein/
ローソンチケット:https://l-tike.com/kein/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/kein/
■インストアイベント
詳細:https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t20182/
▽『Iustitia sine misericordia』発売記念私物サイン会
開催日時&会場
10月10日(土)13:00 タワーレコード新宿店
11月2日(月)18:00 タワーレコード名古屋パルコ店
11月16日(月)18:00 タワーレコードNU茶屋町店
11月24日(火)18:00 タワーレコード新宿店
対象商品
『Iustitia sine misericordia』【初回限定盤CD+Blu-ray】(KICS-94271)
¥7,500(税抜価格¥6,818)
※通常盤(KICS-4271)は対象外となります。予めご了承ください。
▽メンバー私物プレゼント抽選会
対象商品
『Iustitia sine misericordia』
➀【初回限定盤CD+Blu-ray】(KICS-94271)¥7,500(税抜価格¥6,818)
➁【通常盤CD】(KICS-4271) ¥4,000(税抜価格¥3,636)
抽選会開催店舗
タワーレコード札幌パルコ店
タワーレコード仙台パルコ店
タワーレコード新宿店
タワーレコード名古屋パルコ店
タワーレコードNU茶屋町店
タワーレコード福岡パルコ店
抽選会開催期間
2026年10月6日(火)~10月19日(月)






