【ライブレポート】SARD UNDERGROUND、ツアー<YOU ARE FREEDOM>東京公演に美しさと頼もしさ「心を解放して自由に楽しもう」

2026.10.03 20:00

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2026年9月、SARD UNDERGROUNDはデビュー7周年を迎えた。ZARDのトリビュートバンドとして出発し、いくつものターニングポイントを経て今に至る道のりは、数字以上に長く濃密な日々だった。2026年秋のツアー<SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2026「YOU ARE FREEDOM」>は、SARD UNDERGROUNDの現在地を確かめる大切な場だ。全4公演の2本目、9月25日、かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで開催された東京公演の思い出を振り返ろう。

幕開けは、ZARDのカバー「Get U’re Dream」だ。ステージは階段状のセットに星形トラス、バックを固めるのは車谷啓介(Dr)、麻井寛史(B)、大楠雄蔵(Key)、栄先思希(G)という鉄壁のメンバーたち。神野友亜は黒のレースをあしらったグレーのパンツルックで、歌い出した瞬間から伸びと張りのある歌声で広いホール空間を掌握する。パワフルなリズム隊に一歩も引けを取らない。続けて2曲目「明日を夢見て」へ、自信溢れる立ち姿が“友亜ちゃん、こんなに大きかったっけ?”と思うほどに頼もしい。これがSARD UNDERGROUNDの現在地だ。

「SARD UNDERGROUNDは、今月でデビュー7周年を迎えました。今も変わらず活動できていることはみなさんのおかげです。日々感謝しています。それを今日は音楽でお伝えしたいと思いますので、最後まで一緒に楽しんでいってください」──神野友亜

ライブの冒頭4曲はZARDのカバーで、「好きなように踊りたいの」はタイトル通りに自由に体を揺らしながらリズミックに、そして「夏を待つセイル(帆)のように」は、セットの階段に腰かけてゆったりと心地よく。メロディアスなミドルチューン「心を開いて [tribute 2024]」は、明るいムードとカラフルな照明に包まれて、伸びやかな歌の余韻がホールいっぱいに広がってゆく。ZARDトリビュートバンドという出自が、今も神野友亜の心の真ん中にあることがよくわかる。自然体でありつつ、揺るぎない思いを感じる4曲だ。

「今日初めて来た方はいらっしゃいますか? はじめまして、ありがとうございます。何回も来てますという方は? ありがとうございます、嬉しい。<YOU ARE FREEDOM>は、心を解放して自由に楽しもう、という気持ちを込めてつけたタイトルなので、みなさんも自由に踊っちゃいましょう」──神野友亜

ここからの中盤は、オリジナル曲を中心に7年間の成長を見せるセクションだ。みんな揃ってサビの振り付けが楽しい「TO MY FREEDOM」は、アップテンポのビートに乗ってステージを右へ左へ動き回り、「世界で一番遠い人」は刺激的な赤い照明のもと、栄先の隣にひざまずいてギターソロを盛り上げるなどちょっとした仕草もステージ映えする。驚いたのは、その次に歌ったZARDの「この涙 星になれ」で、SARD UNDERGROUNDとしてはまだ公式にカバーされていない楽曲を、初めてライブで披露してくれたこと。刻々と色を変えるまばゆいミラーボールに照らされて、もう何年も歌い込んだような堂々とした歌声が耳に残る。いつかリリースされるのならば、楽しみに待ちたい。

盛り上がりはさらに続く。「まもなく目的地周辺です。東京、かつしか」と、キャッチーな振り付けとカーナビ風アナウンスがばっちりハマった「琵琶湖大橋」から、背後を飾る白い布のセットとともにドラマチックなロックバラード「輝く旅人よ」へ。キーボードの大楠と二人で奏でるZARD / DEENのカバー「翼を広げて」を、スツールに腰かけて強い思いを込めて歌い上げると、ぐっとテンポを上げて「夏の終わりに…」、そして会場全体が明るい手拍子と大きな手振りに包まれる「しあわせ」へ。2番の途中で、ステージ上空からたくさんの星型オブジェが降って来る演出がとても美しい。歌い終えて、「ステージが星だらけ(笑)」と笑う笑顔に屈託がない。

次に「「黒い薔薇」を歌います」と言いながら、なぜか「イチゴジャム」の初期バージョンの歌詞を楽しそうに口ずさむ神野友亜。最初に自ら作詞した3曲「ブラックコーヒー」「黒い薔薇」「イチゴジャム」の記憶はひときわ鮮明らしく、「この歌を歌う時はあの頃を思い出します」と、少し遠い目をする神野友亜。1曲ごとにストーリーがある。その時の感情が曲に溶け込んでいる。アップテンポの「黒い薔薇」に続く「全部自己責任」は、階段の上でベース麻井とギター栄先を左右に従え、さらにダークでハードに激しく飛ばす。「Ahー!」というちょっとしたフェイクにも凄い気合が漲っている。本当に声量が増した。そして「そろそろ終盤です、もっと行けますか!」と叫んでZARD / FIELD OF VIEWのカバー「DAN DAN 心魅かれてく [tribute 2024]」へ。観客全員を引き連れてクライマックスへ突き進む、神野友亜のリーダーシップに目を見張る。本当に頼もしくなった。

毎度おなじみ、コール&レスポンスをメンバー全員のアドリブのセリフでお届けする「イチゴジャム」の賑やかな時間を過ぎると、フィナーレはもうすぐそこだ。全てのカラーをぶちまけた豪華な照明のもと、「Hey!Hey!」と力強い掛け声で観客と一体化する「空っぽの心」、歌いながらステージを動き回り、両手を突き上げて煽る「涙色で」、そして最後を締めくくるZARDのカバー「マイ フレンド[tribute 2024]」。

これだけノンストップで動き回り、歌い続けても声量もピッチも揺るがない。あなたを想うだけで心は強くなれる。デビュー7年、神野友亜がここまで強くなれたのはバンドメンバー、サポートメンバー、スタッフ、そしてこうして総立ちで声援を送るファンの存在があったから。歌い終えてひとこと、「これが最後の曲ですと言い忘れてて、急に終わっちゃいました(笑)」と言って笑いを誘う、ほのぼのとした終わり方も神野友亜らしい。

「年々一体感が増していきますね。みなさん最高です、大好きです!」──神野友亜

息の合ったアンコールの掛け声と手拍子に感謝して、「この曲を歌わないと終われないでしょう!」と紹介したのは、ZARDのカバー「負けないで [tribute 2024]」。最後のサビはマイクを客席に向け、会場いっぱいの大合唱になった。帰るべき場所があるからこそ、どこまでも遠く飛んで行ける。トリビュートとオリジナルを両立させる、非常に稀有なバンド活動を続けながらSARD UNDERGROUNDはさらなる未来を目指す。その中心に神野友亜がいる。音が消えたステージに独り残り、メンバーに、スタッフに、そして「一緒に盛り上げてくださった皆さんに拍手を!」と呼びかける姿が、さっきよりもまた少し大きく見えた。次に会える日までの期待がさらに増した。

取材・文◎宮本英夫

 

■ホールツアー<SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2026[YOU ARE FREEDOM]>
9月25日(金)@東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール SETLIST
01.Get U’re Dream
02.明日を夢見て
03.好きなように踊りたいの
04.夏を待つセイル(帆)のように
05.心を開いて [tribute 2024]
06.TO MY FREEDOM
07.世界で一番遠い人
08.この涙 星になれ
09.琵琶湖大橋
10.輝く旅人よ
11.翼を広げて
12.夏の終わりに…
13.しあわせ
14.黒い薔薇
15.全部自己責任
16.DAN DAN 心魅かれてく [tribute 2024]
17.イチゴジャム
18.空っぽの心
19.涙色で
20.マイ フレンド [tribute 2024]
encore
21.負けないで [tribute 2024]

▼Tour Schedule
9月19日(土) 滋賀・ひこね市文化プラザ グランドホール
9月25日(金) 東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
9月27日(日) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
10月3日(土) 大阪・東大阪市文化創造館 DreamHouse 大ホール