【レポート】10-FEET、ワンマンツアー<壊れて消えるまで>東京公演にライブバンドとしての強さと無邪気さ「名残惜しい夜にしよう!」

2026.09.29 12:30

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5月25日の大阪公演から始まった全13公演のワンマンツアー<10-FEET “壊れて消えるまで” ONE-MAN TOUR 2026>もついに残すところ、東京と京都公演のみとなったタイミングで10-FEETの3人にツアーの手応えを尋ねたところ、「ワンマンツアーは楽しい」と異口同音に言いながら、TAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)はそれぞれにツアーの醍醐味を語ってくれた。

「フェスとは全然違うんで、緊張感もまた独特で、引き締まります」──TAKUMA
「予定してなかった曲を、毎回、その場で決めてやってるんですよ。そういう緊張感を持ちつつできてると思います」──NAOKI
「いろいろな曲ができるから、いろいろな見せ方ができて楽しい」──KOUICHI

そして、「持ち曲はたくさんあるんで」とKOUICHIが付け加えながら締めくくってくれたのだが、そりゃ結成から数えて29年のキャリアを持つバンドだ。持ち曲はたくさんあるだろうと思いながら、その時は正直ピンと来なかったのだが、9月16日の東京・Zepp Haneda公演に足を運んだところ、なるほど、「持ち曲はたくさんある」をはじめ、3人が言ったことは、こういうふうにライブの見どころに繋がってくるのかと、察しの悪い筆者はようやく気づき、そして10-FEETが持つライブバンドとしての強さを再確認すると同時に、彼らが敢えて自らに緊張感を与えながら、筆者が見る限り無邪気にそれを楽しんでいることを今一度知ったのだった。

そんな見どころは、「おい、こら! おまえら覚悟しとけよ!」とTAKUMAが観客に発破を掛けながら、いきなり「hammer ska」「4REST」「ハローフィクサー」「Mr. bullshit」とたたみかけ、スタンディングのフロアを存分に揺らした序盤の熱狂から一転、ともにTAKUMAの弾き語りから始まった「太陽4号」「アンテナラスト」で持ち前のフォーキーな叙情を滲ませつつ、ライブの流れが早くも中盤に差し掛かるタイミングで飛び出したのだが、それについて言及する前に「アンテナラスト」に続けて、「淋しさに火をくべ」を演奏したことも、「久々にやる曲」とTAKUMAがわざわざ言ったことを考えれば、ちゃんと記しておかなきゃいけないだろう。

その「淋しさに火をくべ」。曲調はいわゆるメロディックパンクだが、TAKUMAがブルースハープを鳴らして、「アンテナラスト」に通じる叙情を滲ませつつ、TAKUMAが感情をぐっと高ぶらせ、エモーショナルに歌い上げると、それに応えるように観客がダイヴする。NAOKIがTAKUMAの歌と掛け合うように加えたコーラスも聴きどころだった。

そこからさらに一転、ライブの流れを変えるように「よっしゃ。行こう!」とTAKUMAが声を上げ、バンドが演奏したのが「我主我主我主~Oh!Soccer!~」。3人がひとつになって、ヘヴィなロックサウンドを唸らせる。しかし、納得できる演奏ではなかったらしく、「(演奏を)間違えたから何かオマケに1曲やろう」とTAKUMAが観客からリクエストを募って、演奏したのがミクスチャーロックナンバーの「LICENSE」。本当に準備なしの即興だったことは、演奏し終えた直後、ベースソロとギターソロ含め、ちゃんとフル尺で演奏しきったことに対して、「すごい!すごい! 久しぶりなのに」「記憶力ちゃんとある!」とTAKUMAとNAOKIが自画自賛したことからも明らかだった。

思った以上に楽しかったらしい。「オマケに1曲」と言っていたにもかかわらず、「せっかくだから、もう1曲やろう」となったのか、KOUICHIを囲んで、しばし3人で話し合った結果、「KOUICHIが自信ないようだけど、行けるところまで行こう!」と演奏したのが「淋しさに火をくべ」「LICENSE」同様に久しぶりに演奏したメロディックパンクナンバーの「FUTURE」だったのだから、観客は再び大喜び。

その駆け抜けるような勢いのまま、本来のセットリストに戻って、繋げたのはNAOKIがリードボーカルを務める「the guide」。そしてさらにもう1曲、「俺ばっかり(歌わせて)。もう1曲歌え!」とTAKUMAの思いつきで、TAKUMAと掛け合いながら、やはりNAOKIがリードボーカルを務める「my pet theory」になだれ込む。本来は「the guide」か「my pet theory」か、どちらか1曲の予定だったらしい。急な予定変更に何事もなかったように応じるメンバーたちの息の合い方も見事だが、3人がその緊張感も含め、楽しんでいるようなところもいい感じだ。しばらく彼らのライブから足が遠のいているというファンは久しぶりにワンマンに足を運んでみではいかがだろう? 不意に懐かしい曲が聴けるかもしれない。

閑話休題。そんなふうにライブでは現場のリアルを追求している10-FEETが楽曲の制作においては、常に新たなチャレンジを繰り返していることを、「ハローフィクサー」「第ゼロ感」同様に物語る「スパートシンドローマー」からの後半戦。彼らが演奏のギアを1段階も2段階も上げ、前半戦以上の熱狂を作ろうと考えていることは、ダンサブルな「スパートシンドローマー」から「VIBES BY VIBES」「RIVER」と繋げていった彼らのライブに欠かせないキラーチューンを選曲したことからも明らかだった。

「調子いい奴も、そうじゃない奴もいるかもしれないけれど、とりあえず、今日は全員で笑って、帰ろうぜ!」とTAKUMAが語り掛け、演奏した「RIVER」では観客のシンガロングを聴いたTAKUMAが、それならと自分のマイクを観客に向けると、それに応えるように一際声を張り上げた観客のシンガロングが会場いっぱいに響き渡り、その歌声に胸を打たれたTAKUMAが「おぉ~~」と感嘆を洩らす。

「まだまだ見せてくれよ! 羽田、ぶち上がっていこうぜ!」──NAOKI

観客に発破をかけるNAOKIの雄叫びとともにライブに生まれた上昇気流をさらに加速させたのが、10-FEETの人気をさらに跳ねさせた「第ゼロ感」だった。KOUICHIのキックが弾んで、観客が声を上げながら振る拳とシンクロする。そこから「back to the sunset」を挟んで、「壊れて消えるまで」「ヒトリセカイ」「蜃気楼」「その向こうへ」と一期一会を慈しむように持ち前のエモい歌心を物語る曲の数々を、TAKUMAの絶唱とともに一気に繋げていったセットリストの作り方があまりにもズルすぎた。泣かせようとしているとしか思えなかった。そう感じたのは筆者だけではないだろう。

もしかしたらメンバーたちも「その向こうへ」に託したメッセージも含め、さすがにエモすぎると思ったのか、「その向こうへ」を演奏する前に「おまえらを悲しませる奴、怒らせる奴は、俺たちおっさん3人がボコボコにしてやる。その気持ちをNAOKIが歌います!」とTAKUMAがむちゃぶりして、阿吽の呼吸でそれに応えたNAOKIがCHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」の《殴りに行こうか》というパンチラインを含むさわりを歌って、観客を沸かせながら、3人揃ってチョケてみせたのだが、そこからいきなり気迫に満ちた歌と演奏を繰り広げ、観客を圧倒してみせたのだった。

そこまでがセトリ上は本編という位置づけだったようだ。

「名残惜しい夜にしよう!」──TAKUMA

しかし、そう願うバンドの演奏は止まらない。バンドは「CHERRY BLOSSOM」で観客のタオルが舞い上がるクライマックスにふさわしいお馴染みの光景を観客ととともに作り上げると、さらに「gose on」「1sec.」とメロディックパンクナンバーをたたみかけ、ダメ押しするように観客を盛り上げると、客席に背を向け、KOUICHIの前に立ったTAKUMAとNAOKIがキメ顔で振り返り、エンディングを飾る──と思ったのも束の間、観客の意表を突くように、やはり即興だったのだろう。約46秒のショートチューン「DO YOU LIKE…?」になだれ込む。そして、最後の最後までフロアを揺らしまくると、TAKUMAが満面の笑みで終演を宣言した。

「おまえら帰れ〜!」──TAKUMA

2時間にわたって、お互い全力で感情をぶつけ合いながら交歓を楽しんだ後だ。それ以外、余計な言葉は必要なかった。

取材・文◎山口智男
撮影◎toya

 

■<10-FEET “壊れて消えるまで” ONE-MAN TOUR 2026>
9月16日(水)@東京・Zepp Haneda セットリスト

01.hammer ska
02.4REST
03.ハローフィクサー
04.Mr. bullshit
05.太陽4号
06.アンテナラスト
07.淋しさに火をくべ
08.我主我主我主 ~Oh!Soccer!~
09.LICENSE
10.FUTURE
11.the guide
12.my pet theory
13.スパートシンドローマー
14.VIBES BY VIBES
15.RIVER
16.第ゼロ感
17.back to the sunset
18.壊れて消えるまで
19.ヒトリセカイ
20.蜃気楼
21.その向こうへ
22.CHERRY BLOSSOM
23.goes on
24.1sec.
25.DO YOU LIKE…?

 

■全国ワンマンツアー<10-FEET “壊れて消えるまで” ONE-MAN TOUR 2026 FINAL>
10月3日(土) 京都・京都市勧業館 みやこめっせ3F 第3展示場
open16:00 / start17:30
▼チケット
オールスタンディング全自由
前売料金:一般¥8,888(税込)
●家族チケット
一般:¥8,888(税込)※生年月日が(2008.4.1以前)対象
中高生チケット:¥7,777(税込)※生年月日が(2008.4.2~2014.4.1)対象
小学生チケット:¥6,666(税込)※生年月日が(2014.4.2~2020.4.1)対象

 

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