【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.164「日本のファンに完璧なCemetery Skylinenのゴシック体験をしてもらいたい」

2026.08.30 14:13

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2024年2月、その年の夏フィンランドのラウカーで開催されるJohn Smith Rock Festivalに秘密のベールに包まれたCemetery Skylineなるバンドの出演が発表になり、その後メンバーが明かされた。

Pic:Sam Jamsen

・ミカエル・スタンネ(Dark Tranquillity、The Halo Effect):ボーカル
・マルクス・ヴァンハラ(Insomnium、Omnium Gatherum):ギター
・サンテリ・カッリオ(Amorphis):キーボード
・ヴィクター・ブラント(Dimmu Borgir、Witchery):ベース
・ヴェサ・ランタ(Sentenced):ドラム

北欧のメタルシーンを代表するバンドのメンバーにより結成されたスーパーバンドCemetery Skylinenが誕生した。メロデス系バンドのメンバーが多いものの彼らのサウンドはメロディックなゴシックロックだ。2024年秋にデビューアルバム『Nordic Gothic』がリリースになり、最初はライブをする予定はなかったそうだが、これまでにフィンランド以外にもヨーロッパや南米ツアーも行い、ついに今年9月初来日公演が発表になった。その来日前にギタリストで寿司マスターでもあるというマルクス・ヴァンハラが電話インタビューに応じてくれた。

──今年の夏はフィンランドとエストニアのフェス出演に加えて、このあとデンマークのフェス出演が待ってますが、メンバー他のバンドもあったりで、どんな夏でしたか?

マルクス:自然と忙しかった。毎週末どこかのフェスに出演してるよ。

──メンバー他のバンドもかけ持っててスケジュールたてるの大変じゃないですか?

マルクス:各バンドのブッキングエージェントが早めに計画立ててうまく調整してくれてる。2027年夏の予定も各バンドもう入ってきてるよ。できるだけ早めに計画立てていけば可能だが難しいこともあったりだ。まずCemetery Skylineでこんなにたくさんのライブをすることになったのはびっくりだった。最初はレコーディングするだけのために友達が集まったつもりだったのが、いいアルバムが出来上がって、リクエストも多くて、ツアーエージェントもついて、これまでに100公演まではまだいかないが、数多くのライブをやったな。友達同士一緒に移動し旅行して楽しくもある。こうなるようになってたんだな。

──今年の夏はタンペレで開催されたRokki RaikaaでCemetery Skylineをみたのですが、ステージから放たれるレーザー光線が凄くきれいでした。あれは他のライブでも普段使っているのですか?

マルクス:Cemetery Skylineの他の夏フェスのステージでも使ったことがある。何かスペシャルなことを考えなきゃいけなくて。ほら、どのバンドもフェスでは何か特別なことやりたいと思ってるからね。パイロ演出は俺達向けではないしと思っていたらレザー光線が思い浮かんだのと同時にRushの「Dreamline」のライブが頭に浮かんだ。それを伝えたらみんなとっても興味持ってね、特にマイケル。それで決めたんだ。素晴らしかっただろ?

──はい。とてもきれいで目をひきました。

マルクス:ステージではあの光線を見ないように気をつけなきゃいけないだけどね。見てしまうと目がみえなくなる危険性もあるんだ。

──なんとそういう危険があるんですね。でもきれいだったですよ。ところで、フィンランドのヴァーサで開催された夏フェスKaaos Festivaaliにあなたの別のバンドInsomniumとミカエルの別のバンドThe Halo Effectが同じ日に出演してましたが、Insomniumの曲「Weather the Storm」でミカエルが飛び入り出演して歌った話を聞いたのですが、あれはあらかじめ決まっていたのですか?

マルクス:あぁ、もちろんあらかじめ決めてたよ。その前に他のフェスに一緒に出演した時にね。以前もドイツのフェスとヨーテボリでもミカエルが出演したことはある。でもフィンランドではこれ以前に彼が出演したことはなかった。通常はあらかじめ決めてるよ。あの時はInsomniumとミカエルのバンドThe Halo Effectが同じ日に出演して、翌日は北から南のタンペレに移動してCemetery Skylineでバンドがかわって一緒に出演だった。

──デビューアルバム『Nordic Gothic』がリリースになったのが2024年10月で、それから1年半ちょっとになりますが、タンペレのRokki Raikaaフェスのステージで、ミカエルがもうすぐスタジオ入りすると言ってましたが、そろそろニューアルバムを期待していいですか?

マルクス:スケジュールはまだ未定だけど、2枚目のアルバムの作曲は早いスピードで進んでるよ。俺とサンテリでラフに25曲できてて、素材は充分できている。ツアーの合間にその中から選び出していって、できる限り素晴らしいものにしたい。最初のアルバムは良いものが出来上がって、インターナショナルに評判もよく、俺達もその反応にびっくりしたぐらいだよ。セカンドアルバムはそれ以下ってわけにはいかないし、ほらセカンドアルバムはバンドを知る決定的なアルバムになるし。なので時間をかけて素晴らしいアルバムを作り上げたい。最初のアルバムの反応がよくて、バンド内の気分も最高だ。

──他のバンドにも作曲をしていますが、曲を作るときCemetery Skylineの曲として作り始めるのか、何か曲のアイデアが浮かんで、この曲はこのバンドに合うとかで作ったりしますか?

マルクス:最初からはっきりこの曲はこのバンドにと作っている。特に最近はその点はしっかり決めて作ってるよ。でもたまに新しいInsomniumの曲を作らなきゃいけないって時に全然浮かばなくて、偶然にCemetery Skylineの曲が出来上がったこともあったな。頭脳を特定のバンドの曲に設定すると、反抗して他のバンドの曲が浮かび上がってくることがある(笑)。浮かび上がった先の選択がいくつかあるのは幸いだ。それはクリエイティブが消えるんじゃなくて、他のバンドに移るんだ。

──あなたたちのゴシックヴァージョン「I Drove All Night」のカヴァーがとってもお気に入りなのですが、カヴァーする人によってずいぶん曲が変わるもんだなと思いました。他にも何かゴシックヴァージョンのカヴァーを期待してもいいですか?

マルクス:あぁ、もちろん。あのカヴァーは楽しかったし、いろいろ試してみたりしてる。次のアルバムにとか、スタジオセッションで何曲かやってみたり。テーマも考えてみたりしてる。「I Drove All Night」と同じテーマでもいいかなとか。その曲はいろんなヴァージョンがあるよね。オリジナルがロイ・オービソンで、セリーヌ・ディオンのヴァージョンは全く違ったダンスポップで、シンディ・ローパーのヴァージョンが自分と他のバンドメンバーのお気に入りでもあり、そのヴァージョンを聴きながら俺たちの解釈でカヴァーヴァージョンを作ったんだ。俺たちのサウンドになったと思うよ。カヴァーをやるときはすでにあるものとは違う、自分たちの色彩を出すことが重要だと思うんだ。これがSemetery Skylineの曲だと勘違いするぐらいにできたらカヴァーに成功したと言える。

──最初に少し話が出ましたが、元々はライブをする予定ではなかったのが、昨年秋には南米もツアーしていて、ワールドワイドにツアーしてますが、このバンドのこれまでのハイライトは何ですか?

マルクス:何もする予定はなかったのにヨーロッパツアーに南米ツアーまでやって、アメリカのフェスにも出演したし、他にもいろいろなヨーロッパの夏フェスに出演して、この後日本と中国公演も待っている。偶然にこのバンドが誕生して世界中をツアーしてるってことがハイライトの一つともいえる。具体的に素晴らしかった公演を挙げるとなると、まだアルバムもでてなかった2024年、夏フェスJohn Smith Rock Festivalに出演したことかな。それはそのフェスのプロモーター、ヨンネのおかげでもある。彼が俺たちの出演を希望して、強要されたから出演する以外になかった。それで俺たちみんなポジティブに緊張したんだが、これまで他のバンドでライブをたくさんやってきてそれがもう日常化していたところ、このバンドでステージに出る前の緊張が戻ってきて楽しくもあった。いい意味でこの緊張は素晴らしかった。その場にいた観客は俺たちのバンドのこと誰も知らなかったんけど、素晴らしい反応で、自分もそれを素晴らしく受け取った。

──この後中国と日本公演が待ってますが、中国公演はこれまでにしたことがあるのですか?

マルクス:あぁ、あるよ。InsomniumとOmnium Gatherumの公演で10回ぐらい中国に行った。2年前にはOmnium Gatherumで2週間のツアーをしたこともある。いろんな都市で9公演やった。来日公演がある時に中国公演も合わせてやってるんだ。

──日本のファンはあなたたちCemetery Skylineのライブで何を期待していいですか?

マルクス:完璧なものを期待していいよ。それを目指している。このバンドでも多くのライブをやってきたから順調だ。日本のファンに完璧なCemetery Skylinenのゴシック体験をしてもらいたい。友達同士で楽しく演奏してるから、それがみてる側にも伝わるといいな。やってる曲は暗いダークなものだけど、ライブが終わった後、皆がいい気分になって帰れるようなライブ。日本に行くといつも楽しくて、このメンバーで日本に行くのが待ちきれない。東京と大阪、観光客にもなって、レストランやナイトライフ、楽しいこと間違いない。

──ヴェサは日本行くの初めてなんですか?

マルクス:あぁ、そうなんだ。ヴェサはSentencedでは日本に行ったことなくて初めて行くので、俺たちの中で一番エキサイトしてるよ。歳とってから新たな国に行けることになった。

──もし時間があったら特にいきたい場所とかありますか?

マルクス:俺たちは東京に2日ホリディで滞在予定なんだけど、ミカエルは娘さんともうちょっと長く滞在予定なんだ。宮崎駿の美術館に行く予定で、俺自身も興味あっていきたいと思ってる。それからムーミンパークとか。とにかく東京には素晴らしい場所がたくさんある。食も楽しみだし、素晴らしいテーマバーとかも。前回Omnium Gatherumで来日した時忍者バーに行って楽しかったよ。で、ヴェサは「自殺の森」(青木ヶ原樹海)に行ってみたいと言ってる。彼は北のダークなやつなんだ(笑)。

──え、、、あの樹海はちょっと怖そうですよ。ところでお寿司が好きでしたよね。他に好きな日本料理はありますか?

マルクス:実はちょっとばかり自慢したいんだけど、俺寿司マスターなんだ。寿司について勉強してて、うちで寿司作るの好きで、友達よんでのホームパーティで寿司作って皆にだすほどなんだ。まずとても正確にすし飯を作るよ。もちろん日本では最高のものが食べれるけどね。他の日本料理だと、ラーメンが大好きだよ。日本料理もアジアの料理も好きだ。最も好きな料理かもしれない。

──ちょっとお聞きしたいんですが、フィンランドですし飯のお米は何を使っていますか?

マルクス:Puuroriisi(ミルク粥用のお米)を使ってる。アジアンショップに行けばちょっと高い寿司用のお米もあるけど、puuroriisiでいける。大事なのは炊きあがるまでの工程で、まず冷水でお米を研いで水に浸すとかね。中火で何分炊いて、水分がなくなったら火を止めて蒸らして冷やすとか、すし飯を作るその工程は時間をかけてやる。急がないのがコツだ。扇いで祖熱をとる日本のうちわも持ってるよ。

──寿司を作るのに興味を持ったきっかけは何ですか?

マルクス:寿司がもうずっと好きで、寿司を作る秘訣とかにとっても興味持ったのがきっかけかな。

──サンテリはCemetery Skylineの来日公演の後、そのまま残ってAmorphisの来日公演ですね。

マルクス:そうなんだ。翌日すぐ日本公演があり、そのあと中国、オーストラリア、南米ツアーがある。俺達他のメンバーは東京で休暇を過ごすけど、サンテリは続けて仕事だ。

──最後にBARKSの読者にメッセージをもらえますか?

マルクス:俺達Cemetery Skylineは皆が来日公演に来てくれて、俺たちのライブを楽しんでくれることを願ってるよ。少なくても俺たちは皆日本行くのをとても楽しみにしてるし、他のバンドでも何度もいってて知り合いも多いし、できる限り多くの人が観に来てくれて会えることを願ってる。楽しい時を過ごそう!

その来日公演のスケジュールはこちら。
★2026年9月13日(水)大阪・VARON
★2026年9月14日(木)東京・Shibuya SPACE ODD
チケット詳細はこちらを。
https://www.swdjapan.com/cemeteryskyline-tickets
すでにM&Gチケットは完売。通常チケットも残り少ないようなので、まだ悩んでる方はこの機会をお見逃しなく!

今年は春のフィンランドツアーでヘルシンキのTavastia公演と、Rokki Raikaa Tampereフェスで観る機会があり、彼らの作り出すダークでメロディアスかつメランコリックな北欧のゴシックなサウンドにすっかり魅了された。友達同士で集まって楽しくやろうと結成されただけあって、ライブでも一緒に楽しくやってるのが伝わってくる。そして彼らの作り出すサウンドと世界一美しいデスヴォイスと称賛されているミカエル・スタンネのこのバンドではデスではないクリーンヴォイスがこれまたなんとも心地よくてうっとり魅了される。

昨年のヘルシンキ公演のあと、ミカエルが会場のロビーのバーのソファに出てきて普通に座っていたが、今年のヘルシンキ公演では中に入って誰もが通るクロークの横の椅子に笑顔で座っていたのが印象的だった。159㎝の私はフィンランドでは背が低いので後ろだとかなり見えにくく、前の方をとるにはそこで立ち止まるわけにはいかず、気になりながらもすぐホールにはいり2列目ゲットできたが、なぜあそこに笑顔で座っていたのかは永遠の謎だ。
Cemetery Skylinen初来日のこの機会にぜひ観に行って、北欧ゴシックを思いっきり楽しんできてほしい。

「Torn Away」のMVにはマルクスがバンドのハイライトにあげたJohn Smith Rock Festivalでのデビューライブの映像が収められている。

文&ライブ写真◎Hiromi Usenius

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