【対談】大澤敦史(打首獄門同好会) × ぶう(えんそく)、異文化交流ツーマン<REACTION>の可能性を語る「対極にあるはずなんですけど“おもしろい”が共通項」

■まさかチビっ子がライブに来るなんて未来、考えてなかった
■初めから狙っていたらこんなバンド名にしてない(笑)
──ツーマン企画<REACTION>はシンプルに“異文化交流を楽しむ”という要素もありそうです。
岩﨑店長:僕はライヴハウスで働き始めてからヴィジュアル系を知ったんですけど、なかでもえんそくは、わりとロック界隈寄りというか。ロックフェスに出たとしても盛り上がりそうじゃないですか。
大澤:見てみたいです。“ロック界隈のこことえんそくをぶつけてみたいな”と思うバンドはいくつか思い浮かぶし。結局、パッと見で系統の違いを認識されるとはいえ、根本的に、バンドとして歩んでいるサウンド的なルーツはそんなにかけ離れていない気がするんですよ。だから山梨公演では、お互いのお客さんにも思った以上に受け入れてもらえたんでしょうし、この日も化学反応が起きるんじゃないかと思いますね。
ぶう:確かに。それに、“おもしろい”はみんな好きですからね。ある意味、お互い得になればいいと思うんですよ。それこそ打首の“おもしろい”は、老若男女、誰が見てもそう思えるものだと思うんですよね。Zepp Hanedaのライヴ(<ついに対バンしてみようツアー2025>ツアーファイナル / 12月5日)を観てそう思ったし、僕の前にはチビっ子もいて。
大澤:あの日はファミリー席もあったので。打首は意外にもチビっ子にも好んでもらえてるんですよ。でもね、これは全然想定外で。
ぶう:メチャクチャわかります! きっと打首も、まさかこのバンド名でこんなに長くバンドを続けてるとは思ってなかったですよね?
大澤:それは本当にそう。20年以上やると思っていなかったっていうのは実際ありますし。

──打首獄門同好会は2004年、えんそくは2005年に結成です。
大澤:まさか、“ウチのライヴにチビっ子が来る”なんて未来、考えてなかったですからね。初めからチビっ子狙いで活動しようと思っていたら、こんなバンド名にしてない(笑)。バンド名もとりあえず思いついたもので、「これでいいんじゃない?」ってつけたというか。
ぶう:20数年やってきたから、“打首獄門同好会=おもしろいバンド”っていう認識になってるけど、バンド名の字面だけ見たら、絶対そんなバンドじゃないですもん。自分たちも、どんなバンドをやるかもわかってないままバンド名を決めてますから。結果、お互いミスマッチですもんね(笑)。
大澤:未だに初見のお客さんは警戒して、一旦遠いところから観て、だんだん無害だとわかってステージに近づいてきてくれるっていう傾向があります。その点、えんそくって名前はとっつきやすいというか、近寄りやすいですよね。
ぶう:でも、それがヴィジュアル系界隈で言うと、逆にとっつきにくいっていうのはあります。「真面目にやってないだろ!」「売れる気ないだろ!」って思われてしまう。20年前、「どうも、えんそくです!」って言ったら、「ふざけてるのか!」みたいな反応が多々ありましたよ。
大澤:そうなんですね。言われてみれば確かに、同世代のバンドを見たからわかりますけど、ヴィジュアル系のバンド名ってみんなカッコよかったですもんね。
ぶう:そのカッコいいバンド名のヴィジュアル系バンドが好きで、そういうバンドを見て育った奴ら…僕らの同世代が、“ヴィジュアル系っておもしろいことをやるのはタブーだから、逆にそれをやったら熱くね!?”って“おもしろい”を始めた感じがします。だから、カウンターのつもりでやってたんですけど、10年ぐらい気づいてもらえなかった。実はおもしろいことって、真面目にやらないとできないんですけどね。打首は、“やる気がないバンド”みたいに見られることってありました?
大澤:いや逆に、“違うベクトルのやる気に溢れてるバンド”って見られることはあります。バンド結成当初は、高円寺界隈からの誘いが多かったこと多かったこと。「こっちでしょ、あんたら!」って。
ぶう:なるほど(笑)。“バンドが楽しくて、やりたくてやってる”っていう初期衝動が結びついてる感じがいいですし、そういうバンドが人気になるっていいですよね。
大澤:なまじ王道よりも挑戦しがいはありますよね。知り合いにコミックバンドを自称しているバンドいるんですけど、彼らはライヴ中のコント的な部分がおもしろいのに曲自体はすごくいいことを歌ってるんです。でもウチの場合はその逆。ライヴ運びはすごく真面目だけど、曲の内容がおかしいっていう(一同笑)。
岩﨑店長:打首の曲って、“そうそう!”と思える代弁ソングが多くて、共感型だと思うんですよね。当たり前のことを堂々とやってることが楽しいんです。
ぶう:だいたい世の中には、“君が好きだ”みたいな曲しかないですからね。打首にそういう曲、あるんですか?
大澤:いや、ウチは“恋愛ソング ゼロ説”がありますね。よくSNSなんかで“みんな恋愛ソングばっかり。そうじゃないバンドはいないのか!”みたいな話題になると、だいたいウチのバンド名がバンバン上がるっていう(笑)。アンチ恋愛ソングの代表格みたいになってますけど。
ぶう:それ、アンチでやってるんですか?
大澤:純粋に思いつかないっていうのと、まぁ、天邪鬼な気持ちも実際ありますよ。
ぶう:ウチも恋愛ソングはほとんどなくて。比率的には100曲中1曲ぐらいじゃないですかね。

──そんな2バンドが交わる<REACTION>で何が起こるのか楽しみです。
岩﨑店長:やる/やらないは別として、ぶうさん的にオープニングトーク以外に考えてることは何かありますか?
ぶう:実は打首のZepp Hanedaライヴを観ながらいろいろ考えてたんですけど。どちらかというと僕、VJの方の立ち位置をやりたいなと。誰よりも目立ってるじゃないですか(笑)!
岩﨑店長:VJを取り入れた打首のスタイルは、いつ頃からでした?
大澤:VJを本格的にステージに導入し始めたのは、かなり前なんですよ。常に入れるようになったのは2012年。もっと言うと2008年とか2009年には試しに取り入れていたので、打首の歴史はVJと共にあるといった感じですね。で、たしかにウチのVJは、動きすぎてダンサーと思われることがありますね(笑)。
ぶう:VJの方の動きはさておき(笑)、やっぱりスクリーンとかに歌詞を表示出来るのがいいっていうところからだったんですか?
大澤:そうですね。もともとサウンドがラウド寄りだったこともあって、“もっと歌詞を聞きたい”と思っている人たちに届きづらいのはもったいないなと思いつつ。ただ、歌を聞こえるようにするにはギターの音量を下げるしかないんですよ。でも、それは不本意だなと。そこでYouTubeに公開して好評だった歌詞付きの楽曲紹介映像があったので、「これをそのままライヴで映し出せばいいんじゃない?」っていうところから始めて。
ぶう:早い段階からそういうことを取り入れていたっていうことですよね。実は僕も、ライヴで歌詞を出したいなと思っていたんですよ。そう考えたときに、「そういえば打首さん、やってるな」と思って。いいところはどんどん盗んでいこうと思います(笑)。
岩﨑店長:赤羽ReNY alphaには大きなLEDパネルがあるのでぜひ。







