【速報】対米同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.2
~ |
【速報】同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.2 大変、痛ましい事件が起こりました。それに伴い、現在アメリカでのコンサート・イベント等のほとんどは、中止、あるいは延期となっています。日本来日公演などに関しましても、情報が入り次第、掲載いたします。 ※ニュースが入り次第、リアルタイムに更新いたします |
●U2、Maxwell、Rod Stewartのチケット発売が延期 |
U2、Maxwell、Rod Stewartらのツアーチケットの発売が、9月11日(火)のテロ攻撃のため延期となった。詳細は後日発表される予定。各公演とも9月15日(土)に発売を予定していた。 プロモーション会社のSFXは次のような声明を出している。 「惨劇が起きたため、今週末のチケット発売をすべて中止しました」 「後日、改めて発売日を発表します」 U2は11月10日、インディアナ州サウスベンドのNotre Dame UniversityのキャンパスからU2 Elevation 2001 Tourの秋の行程を開始する予定。一方、Maxwellは現在、オープニングアクトのAlicia Keysとロードに出ている。Stewartは10月4日にテキサス州ラボックで北米ツアーの追加日程を行なう。 |
●ローンスターがテロ事件の悲劇の中で献血を呼びかける |
Lonestarは、米赤十字社の代表スポークスパーソンとして同社に改めて協力し、9月11日(火)のテロ攻撃による負傷者に“命のプレゼント”を提供するよう米国市民に呼びかけた。 Lonestarのメンバー、Richie McDonald、Dean Sams、Keech Rainwater、Michael Brittは、同社の広報担当官を通じて次のようなメッセージを発表した。 「この信じられないほど悲劇的な日において、自分に問い掛けてみてください。“私には何ができるだろう?”と。我々は1-800-HELP-NOWに電話して米赤十字社に寄付することができます。献血をして、国民のために祈り続けることができます」 Lonestarは元々、ハリケーンに対する安全対策推進において米赤十字社に協力していた。 |
●鬼束ちひろのニューシングル「infecion」、PR活動を自粛 |
9月7日に発売が予定されていた鬼束ちひろのニューシングル「infection/LITTLE BEAT RIFLE」に関して、楽曲「infecion」のPR活動が当面のあいだ自粛されることが、所属レコード会社のオフィシャル・サイトで発表された。 以下は、オフィシャル・サイトより転載したコメントの内容。 ファンの皆さまへ 鬼束ちひろの楽曲「infection」の歌詩中に、彼女の内面の心情を表現した 「爆破して飛び散った 心の破片が」という詩句があります。 しかしながら、この度の米国に於ける同時多発テロに際しまして、 この詩句自体が事件を想起させる可能性があるとすれば、 全く本人の意図するところではありません。 従いまして、楽曲「infection」に関わる弊社からのPR活動を当面の間 見合わせることと致しました。 ファンの皆さまには多大なご心配をおかけすることと思いますが、 どうか今後とも鬼束ちひろの応援をお願い致します。 2001年9月13日 東芝EMI株式会社 メロディー・スター・レコーズ株式会社 |
●バックストリート・ボーイズとレイナード・スキナード、テロ事件の為に新設された基金に協力 |
9月11日に米国東海岸で起こった同時多発テロ事件後、米国を通常の状態に戻そうというブッシュ大統領の願いを支援するかのごとく、Lynyrd Skynyrdはノースカロライナ州、ローリーで、そしてBackstreet Boysはオンタリオ州、トロントでそれぞれ予定通りライヴを行なう。 両グループはまた、今回のテロ事件で被害を受けた犠牲者やその家族に哀悼の意を表し、12日夜に行なわれるライヴチケットの売上げのうち、少なくとも1万ドルをClearChannel.com Relief Fundに寄付することを発表した。ClearChannel.com Relief Fundは、最大手のコンサート・プロモーターであるClear Channel Entertainment(元SFX)の親会社、Clear Channel Worldwideが新しく設立した基金。Clear Channel Entertainmentは、今晩のコンサートのプロモーションも手掛けている。 ClearChannel.com Relief Fundは正式には13日に開始され、金額を問わず誰もがClearChannel.comもしくは郵便(PO Box 659512, San Antonio TX 78265)で同基金宛てに寄付できる。同基金はアメリカ赤十字、ニューヨーク、ワシントンDCの関係する警察署、消防署への基金を支援する。 Clear Channelは今回の悲劇的事件について、音楽を利用して回復に向けた準備を開始したいと考えている。また、今後2~3週間の間に行なわれるライヴでも、同基金への協力を得たいとしている。 |
●ウィーザーのRivers Cuomo、サイトにテロ攻撃への心情を掲載。ショウの再開を望む |
Weezerは当局から公演許可が出れば、9月12日(水)にカリフォルニア州オークランドでショウを行なう予定だ。 シンガー/ソングライターのRivers Cuomoはバンドのサイトで次のように述べている。 「この事件について何かしたいと思うけど、僕ができるのは音楽をプレイすることくらいなんだ」 サイトの声明には次のように書かれている。 「みんなと同じように、僕たちもあの恐ろしいテロ行為を知り、とても驚いてショックを受けている。ロックバンドとしてツアーをしたりする、そういう普通の生活が信じられないほど奇妙に思えてくる。誰もがテロの犠牲者を痛ましく思うと同時に怒りがこみ上げ、何もできないことにフラストレーションを感じていることでしょう。サンホセ公演をキャンセルし、できれば後日改めて新しい日程に振り替えることが妥当だと判断しました。そこで問題なんだけど、オークランドでのショウの許可が出たら、僕らは演奏すべきかな? よく“the show must go on(ショウは続かなければならない)”と言うけど、そうすべきなんだろうか?」 声明は次のようなメッセージで締めくくられている。 「オークランドの許可が出たら、そこへ行って思いっきりハードなロックをみんなに披露しようと思う。そのときは一緒に参加してほしい。もしできなくても、僕らは理解するし、謝るよ」 |
●米テロ事件のため、ドリーム・シアターのニュー・アルバムに回収の可能性 |
ハードロックバンドのDream TheaterとEastWest Recordsは9月11日(火)に発売されたライヴアルバム『Live Scenes From New York』をどうするかについて思案中だ。アルバムカヴァーには世界貿易センタービルと自由の女神、ニューヨークの摩天楼が炎に包まれている様子が描かれている。EastWestのスポークスパーソンは、11日(火)のテロ事件でニューヨークの街が混乱しているため、会社のエグゼクティヴらはその状況について十分なコメントができなくなっていると言う。スポークスパーソンは次のように語る。 「不運な一致です。奇妙なことに、偶然同じような状況になってしまったのです」 店頭からアルバムを回収するかどうかの決定は、いずれの措置がとられるにせよ、レーベルとバンドの合同声明で今週中に発表される。 MCA Recordsは'77年にLynyrd Skynyrdのアルバム『Street Survivors』で似たような状況に直面した。同アルバムのカヴァーにはバンドが炎にえぐられる様子が描かれていたが、3人のメンバーとロードマネージャーが墜落事故で死亡したため新しいカヴァーに取り替えられた。 |
●ラップ・グループのクープが世界貿易センター爆発をデザインした新作のカヴァーを変更 |
世界貿易センターとペンタゴンへの同時多発テロのニュースで、ベイエリアのラップ・グループCoupは、11月6日発売予定の新アルバム『Party Music』(75 Ark Records)のカヴァー・デザインを急遽、変更することにした。オリジナルのデザインは、炎上する世界貿易センターのツインタワーの前でメンバーのBootsとDJ Pamがポーズをとっているというものだった。 75 Arkの広報担当は、レーベルとしてはオリジナル・デザインを取り下げる意向だとLAUNCHに述べ、レーベルの経営者でA&R担当部長のToni Isabellaも「その予定だ」と答えた。 南アフリカで開催されたイベント“Black August”に出演していたBootsは、今週末に米国に戻る予定である。Coupは政治色の強いグループでPublic EnermyやKRS-Oneと並び称されている。'93年に『Kill My Landlord』でヒップホップ界にデビューし、'94年に『Genocide And Juice』、'98年に『Still This Album』をリリースしている。 |
●スティーヴィー・ニックスのコンサートが延期、エアロスミスはニュージャージー公演から再開 |
プロモーターによると、9月12日(火)にニューヨーク州ロッチェスターのBlue Cross Arenaで予定されていたStevie Nicksのコンサートが、ニューヨークとワシントンD.C.のテロ事件を受けて延期となった。プロモーターは声明の中で次のように述べている。 「これは惨劇の犠牲となった人々へ哀悼の意を表してニューヨーク当局とNicksが協議した結果、決定したものです」 Nicksのオフィシャルサイトによると、テロ攻撃があったとき彼女はニューヨークにいたが「無事で元気」とのこと。 チケットは後日発表される振替日程でそのまま使用できるので、プロモーターはファンにそのまま持っておくよう勧告している。9月14日(金)のニューヨーク市Radio City Music Hallと、15日(土)のニュージャージー州アトランティックシティのTrump Taj Mahalでのコンサートは予定通り行なわれる。各会場の最新コンサート情報をチェックのこと。 Aerosmithはテロ攻撃で命を失った人々への弔意から9月11日(火)夜のVerizon Wireless Virginia Beach Amphitheaterでのショウを延期した。プロモーターの話では、9月13日(木)夜のニュージャージー州キャムデンTweeter Center At The Waterfrontでのステージはスケジュール通り行なわれる予定。 |
この記事の関連情報
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話037「生成AIが生み出す音楽は、人間が作る音楽を超えるのか?」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話036「推し活してますか?」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話035「LuckyFes'25」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話034「動体聴力」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話033「ライブの真空パック」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話032「フェイクもファクトもありゃしない」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話031「音楽は、動植物のみならず微生物にも必要なのです」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話030「音楽リスニングに大事なのは、お作法だと思うのです」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話029「洋楽に邦題を付ける文化」