カヴァー・アルバム『レネゲイズ』は彼等の最後の戦いになるのか?

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RAGE AGAINST THE MACHINE『RENEGADES』

カヴァー・アルバム『レネゲイズ』は彼等の最後の戦いになるのか?

『RENEGADES』
11月29日リリース
SRCS-2407(税込み2,520)


◆“ザック・デ・ラ・ロッチャ”の脱退!


10月19日、“衝撃”が走った。

世界最強のロック・バンド“レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン”のヴォーカリスト“ザック・デ・ラ・ロッチャ”がバンドから脱退したと発表された。前触れも無く、突然のニュースだった。

インターネットの音楽情報サイトはこぞってこのニュースをとりあげ、アメリカの「レイジ」のサイトはファンの投稿が殺到し、システム自体が怒濤の投稿の数に絶えきれず一時パンクした。アメリカの新聞や週刊誌のほとんどがこの脱退を報じた。音楽的にも、社会的にも、政治的にも、重大な事件であった。

その発表と時にアメリカの所属レーベルEPIC RECORDSから一通のプレス・リリースが届く。

<レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのティム(ベース)、トム(ギター)、ブラッド(ドラムス)からの声明文、抜粋>
「過去9年間で築いてきた我々の歴史、今までの音楽、政治的な活動に関しては誇りを持っている。今後も我々の社会と行政に影響を与える活動を続けたいと思っているし、ファンに対しても絶えず新しい音楽を提供していくつもりだ。簡単にまとめると、引き続きラウドで、ファンキーでそして確実にロックをやっていくよ…」

<ザック・デラ・ロッチャ(ボーカル)からの声明文、抜粋>
「レイジ内における決断までの過程が完全におかしくなってしまった為、レイジを去るべきと思った。…バンドとして4人全員の方向性でなくなっており、個人的な観点から言えば、アーティストとして、並びに政治的な思想からしても変わってきている。今までの、行動主義者(アクティビスト)及びミュージシャンとしてやってきた事にはとても誇りを持っているし、団結力を掲示してくれ、この素晴らしい経験を一緒にしてきた皆には感謝している」

レイジの残りのメンバーが引き続きどのような活動を行うか未だに明らかではない。



◆脱退発表の数日後、新作リリースのニュースが…


ザック脱退のニュースがインターネットを流れた数日後、「カヴァー・アルバムが出るらしい」という噂が広まった。

ザック脱退の衝撃の余韻が冷めやらぬうちのニュースに対して「デマだろう。今はそれどころじゃないだろう」と疑った人も少なくなかった。しかし10月31日、またもやアメリカのEPIC RECORDSからプレス・リリースが届く。このプレス・リリースにはギタリストのトム・モレロのコメント、そしてディヴ・マーシュによる曲解説が記されている。内容は以下の通りであった。

<アメリカEPIC RECORDSがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの『レネゲイズ』を海外で11月27、28日、そしてアメリカで12月5日にリリースすることを発表>
レイジ・バージョンのクラシック・ヒップ・ホップ、ロック、パンク・トラック12曲を含む“リック・ルービン”プロデュースのスタジオ・アルバム『ザ・バトル・オブ・ロサンゼルス』がナンバー・ワン・ダブル・プラチナ・アルバムに輝いているレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは、当初リリース予定であったライヴ・アルバム用のボーナス・トラックとしての2曲を録音目的で、気に入っている曲をリストで持ちより、リック・ルービンと共にスタジオ入りをした。そのリストの中にはEPMDからMinor Threat等の政治や社会に対して反発をしていた王道のヒップホップ、ロック、パンク・バンドのものがあった。

スタジオに入った彼等は、レイジらしいハードで自由な解釈で録音を始めたところ、2曲で終わるつもりが11曲も録音された。その11曲を聴き直した彼等は新たなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのアルバムが誕生した事に気づき、その時点でライヴ・アルバムの発売を延期し、『レネゲイズ』をリリースする決断を下したのだった。

『RENEGADES』に収録されている曲のオリジナルは、MC5The Stooges、EPMD、Bob Dylan、Minor Threat、The Rolling StonesAfrika BambaataaDevo、Volume10、Erik B and Rakim、Cypress Hillなどのアーチストが作曲し、そしてレコーディングを行なったオリジナル作品。『RENEGADES』の精神とテーマを崩さないため、新たにリミックス、そしてアレンジされたBruce Springsteen「The Ghost of Tom Joad」(レイジの1997年ホーム・ビデオと共にシングルとしてしかリリースされていない音源)も収録。

全曲Rick Rubin(Red Hot Chili PeppersBeastie Boys/Def Jamの設立者)がプロデュースを、Rich Costey(Fiona AppleIce CubePavement)がミキシングを手掛けており、ファースト・シングルとビデオは、Afrika Bambaataa作曲の「Renegades of Funk」。

イギリス/ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、そして日本での初回出荷分のアルバムにはライヴ・ボーナストラックが2曲…「Kick Out The Jams」と「How I Could Just Kill A Man」が含まれる。この2曲は、ロサンゼルスのザ・グランド・オリンピック・オーディトリアムでのライヴ・レコーディング。「How I Could Just Kill A Man」ではゲストとしてCypress HillのSen DogとB-Realがフィーチャリングされており、初回出荷分後にプレスされるものに関しては、この2トラックは除去される(註:日本盤には当ボーナス・トラックは永久的に収録!)。

1999年、メキシコでのレイジの公演を収録したDVD/VHSも同じく12月12日にリリース予定。MTVで放送された映像を製品化したもので、コンサート全体、そしてリード・ボーカルのZack de la Rochaが作成した政治的作品も収録されている。

<トム・モレロのコメント>
「数曲のボーナス・トラック用として録音を始めたものが、僕等のアルバムの中でも最もパワフルなアルバムの一つとして仕上がった。このアルバムまで、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの様なバンドが、1枚のCDを通じて王道のヒップ・ホップ、ロックの曲を革新的なヴァージョンでレコーディングした事はないだろう。その曲が元もと書かれた理由と同じぐらい、僕等の演奏は慣習を打ち壊している」


◆トラック・リスティング

M01「マイクロフォン・フィーンド」(エリック・B・ラキム)
M02「ピストル・グリップ・パンプ」(ヴォリューム10)
M03「キック・アウト・ザ・ジャムズ」(MC5)
M04「レネゲイズ・オブ・ファンク」(アフリカ・バンバータ)
M05「ビューティフル・ワールド」(ディーヴォ)
M06「アイム・ハウジン」(EPMD)
M07「イン・マイ・アイズ」(マイナー・スレット)
M08「ハウ・アイ・クドゥ・ジャスト・キル・ア・マン」(サイプレス・ヒル)
M09「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」(ブルース・スプリングスティーン)
M10「ダウン・オン・ザ・ストリート」(ザ・ストゥージーズ)
M11「 ストリート・ファイティング・マン」(ローリング・ストーンズ)
M12「マギーズ・ファーム」
M13「キック・アウト・ザ・ジャムズ」(ライブ)
M14「ハウ・アイ・クドゥ・ジャスト・キル・ア・マン」(ライブ)


◆添付されている「レネゲイズ」の曲ごとの解説は、尊敬されているロック・ジャーナリストDave Marshが書いたもの。解説には曲と共にオリジナル・バージョンを作曲/レコーディングしたアーチストの小史に加え、何故レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがこれ等のクラシック・トラックをカバーしたのかが解説されている。

「RENEGADES」
すべての曲は反逆者でもあるロッカーやラッパー達の作品。このライナーノートの目的は、レイジのファンにオリジナル・アーチスト達を知ってもらうと共に、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンにインスピレーションを与えた音楽を少しでも見つけ出す手助けをすることである。
もしもオリジナル・アーチストや彼等の作品を発見することができたなら、レイジと同じように彼等がどんなに影響力があるか理解できるだろう。以下の曲は祝歌なのだ―何故音楽、そしてそれを創る側と聴く側、すべてを我々が愛するのかを思い出させてくれる。


「Microphone Fiend」/Eric B and Rakim
Eric B and Rakimは、1980年代のラップ最盛期にとって重要な役割を果たした二人であり、1988年のアルバム『FOLLOW THE LEADER』に収録された「Microphone Fiend」は彼等のアンセムだった。元ラジオのディスクジョッキーであったDJ Eric Bが曲を作ったのだが、マイクを自らの一部と自負するラッパーのRakimがこの曲を広めた当人である。
歌詞の一部で「ニコチン中毒のように俺には必要」とあり、ヒップホップへの忠誠を誓うと同時に、ヒップホップというジャンルにおいて半端ではその可能性を最大限には引き出せないことを証明している。
「このステージを盛り上げようとしない奴は降りてくれ!」
この激しい曲から学べることは、場を盛り上げそれを保つのはミュージシャンの役目であるということだ。レイジのカバーで最もオリジナルと通じ合っているのはベースラインだろう。

「Pistol Grip Pump」/Volume 10
1994年のアルバム『HIP-HOPERA』に収録されているギャングスター・ラップ調のこのトラックは、ラジオでのオンエアー回数のお陰でポップチャート入りを果たしたが、過激という理由でタイトル名を(「Pump」だけに)変えることを余儀なくされた。
Baka Brothersがプロデュースしたこのトラックは、Roger Troutmanの偉大なる中西部ファンク・グループZappのテーマをベースに作られているが、N.W.A.のように吠えるスタイルは西海岸ヒップホップを代表する重要な曲なのである。団結と正当防衛に対する権利を主張するアンセムなのだ。

「Kick Out the Jams」/MC5
1969年にデトロイトからMC5は勢いよく現われ、ラウド・ハードロックと政治に対してまっすぐに立ち向かった先駆者となった。ブラック・パンサー党をベースに活動するホワイト・パンサー党を宣言すると同時に、人種の壁を乗り越えた。そして彼等のディストーションの効いたギターと元気の良いガレージバンド・リズムは、メタリック・パンクへと導いてくれた。
「Kick Out the Jams」の歌詞は大変興味深いもので、楽屋で吸ってからステージへと突撃する様子を歌っている。MC5のステージでは「派手にやってやるぜ いいか、おまえ等」という叫びがいつも最初に鳴り響き、それはひ弱なアシッド・バンドに対して叫んでいたもの。
「思いっきり派手にやれ できないならステージから降りちまえ」
「MicrophoneFiend」のロック・バージョンである。


「Renegades of Funk」/Afrika Bambaataa and SoulSonic Force
Afrika Bambaataaは、正にヒップホップの生みの親の一人である。1980年代前半にはJazzy5、SoulSonic Force、そして南ブロンクスで活動していたZulu Nationなどのリーダーとして活躍していた。「Looking for the Perfect Beat」、「Planet Rock」、そして「Renegades of Funk」などのSoulSonic Forceとしてリリースした作品は、恐らく彼の最高傑作と言っても過言ではないだろう。
オリジナル・バージョンでは、Arthur Bakerの高度なエレクトロニック・スタイルでプロデュースが行なわれており、後にニューヨーク・ラッパーBig Daddy KaneやDas EFXなどが代表となるラップ・スタイルの元祖といわれるG.L.O.B.E.がフィーチャリングされている。
ヒップホップの歴史がまだ浅い頃、検閲やリズム嫌いの評論家達などのお陰で何度も消えかけたが、Bambaataaとメンバー達は分かっていた。
「俺達はノリだしたら、誰にも止めることはできない…」

「Beautiful World」/Devo
Mark Mothersbaughが率いるアクロン出身のDevoは、厭世的な皮肉が特徴である。野獣へと人間が“devolution(退化)”しているという意味合いでバンド名もつけられたそうだ。1981年のアルバム『NEW TRADITIONALISTS』に収録されている「Beautiful World」のニューウェーブでポップなバージョンは確かに皮肉っぽいのだが、Mark Mothersbaughの元気溢れる歌い方とは裏腹に、不気味に美しい歌詞であることは否定できない。
「君にとってこの世界は美しい―僕はそう思えない」を革命目的な詩として理解するのは安易なことではない。

「I'm Housin'」/EPMD
Eric B and Rakimと同様EPMD(Eric and Parrish Making Dollarsの略)はニューヨークを中心とするラップ黄金時代にとって欠かせない存在なのである。ファーストアルバム『STRICTLY BUSINESS』に収録されている「I'm Housin'」はディープなファンキー・ギャングスターラップの先駆であった。ストリートで生き抜く知識を持った人物が「愚かな奴」にだけはなりたくないという堅い決心をする。
EPMDのエネルギーは「ロックンロール・ガレージ・バンドと相当のラップ」と述べられたことがある。

「In My Eyes」/Minor Threat
Ian MacKayeはインディーズロック界の中で最もインディーズな存在であるFugaziのリーダーとして知られているが、彼が最初に活動したバンドはハードコアなストレート・エッジ・スタイルを生み出したワシントンDCのパンク・バンドMinor Threatである。
連続するベースとギター・リフに勢いあるドラムという特徴で、1981年にリリースされた同名のEPに収録されている「In My Eyes」はすべてのストレート・エッジ作品の手本と言っても過言ではないだろう。自己満足や一致性に対して最初から最後まで激しく速いテンポで凄まじく非難している。
'83年にMinor Threatは解散してしまったが、「In My Eyes」で激しく表現されている本質的なものを今でもFugaziは受け継いでいる。

「How I Could Just Kill a Man」/Cypress Hill
ロサンゼルス出身のラップ・トリオCypress Hillは1992年にファーストアルバムを発表して人々に衝撃を与えた。Sen Dog、B-Real、そしてMixmaster Muggsは、ロスのチカーノス地区にあるサイプレス・ストリートから名前をとった。
彼等は最初のメキシカン・アメリカンが結成したヒップホップ・グループという訳ではないのだが、地元以外の範囲で観客を集めたのは彼等が初めてであった。ラジオでのオンエアー回数が多かった為ポップチャート入りを果たした「How I Could Just Kill a Man」は、彼等と全く縁がなく理解を得るのは不可能な人達に向けられている。アメリカという帝国の奥底に存在する貧困を明らかにしているのだ。
絶望的な人々の為に同情を引くというよりも、現実としてそういった人々が存在するということを主張する「How I Could Just Kill a Man」は、困窮者はその怒りを押さえるべきだと、宣伝により洗脳されている人々を、震え上がらせてしまうラップやロックの素晴らしい一例なのである。

「The Ghost of Tom Joad」/Bruce Springsteen
オリジナルのトム・ジョードは流民となったオクラホマの農場主で、1938年のジョン・スタインベックの小説『怒りの葡萄』の主人公なのである。
1939年にオスカーを受賞したジョン・フォードの映画では、ヘンリー・フォンダの姿で現われた。その両方からアイディアを得たWoody Guthrie自身もトム・ジョードのような人生を歩んでおり、1940年には「Tom Joad」というバラードを作曲した。そして60年後、Bruce Springsteenはアメリカの歴史を振り返り、希望が笑い物となってしまった豊かな国をさ迷うジョードの幽霊と巡り会ったのだ。
「今夜はハイウェイが生き生きとしている/だけどその先に待っているもの 皆分かっているんだ」は、金持ちや権力のある人に騙され立ち向かうというそれまでのジョードのイメージを覆してしまう。
Springsteenのバージョンでは、トム・ジョードは暗く寒い夜に現われる影として現われる。これはレイジのバージョンの全く反対であり、Springsteenが述べる残忍な現実を否定することなく、トムは戦う意欲を取り戻すのだ。

「Down on the Street」/The Stooges
The Stoogesの典型とも言えるセカンドアルバム『FUNHOUSE』は、プロデューサーのDon Gallucci(「Louie Louie」でピアノを演奏)の助けもあり、彼等を世界で最も露骨なバンドから最も影響力のあるバンドへと変身させたのである。
フロントマンIggy Popの甲高いボーカルが大きな役割を果たしたのは事実であるが、同時にこの曲でもそうであるようにRon Ashetonの基本である派手なギター・リフも重要な存在なのだ。ブランク・ジェネレーション(空虚な世代)と呼ばれるようになる前から、その世代の激しく絶望的な嘆きを表現してきたのだ。

「Street Fighting Man」/The Rolling Stones
オリジナルの「Street Fighting Man」は革命色濃い'60年代後半にリリースされた。パリ、メキシコシティー、ニューアーク、ベトナムと世界中で暴動が起こっている1968年の秋、この曲で「ロック・バンドで歌う他/恵まれない奴はどうすればいいんだ」とMick Jaggerは皮肉を歌っている。Jaggerがどういった意味を込めて歌っていたにしろ、彼の言葉は新しい世代のロックファンに違うように鳴り響いた。Chuck Berryのリフをアレンジして、自分達を表現しているのが分かる。
ポップ・スターを超人と思ってはいけないと忠告しているのは確かだが、今現在の何処か、ヒップホップ・グループでラップをする一人の貧しい少年がストリートで戦っていることには間違いないだろう。

「Maggie's Farm」/Bob Dylan
このトラックはDylanの1965年のアルバム『BRINGING IT ALL BACK HOME』に収録されており、小作農民の嘆きを歌う「Down on Penny's Farm」をベースに歌詞と曲が作られたものである。
1929年にBently Boysが「Down on Penny's Farm」をレコーディングし、後にHarry Smithの『Anthology of American Folk Music』に収録された。社会拒否的な詩…「毎朝目が覚めると/手を合わせ、雨が降るようにって祈るんだ/頭の中では願望が暴れている 気が変になりそうだ/彼女の床を磨くだけなんて物足りない」のお陰で、Dylanの作品中最も重要で人気のある曲となった。特に1980年代にマーガレット・サッチャーの社会的ダーウィニズムがイギリスを支配していた頃、イギリスの反逆ロッカー達にとって人気のある曲であった。
現代では「だけどみんなはあいつ等と同じになって欲しいんだ」や「使用人達に人類、神や法律について偉そうに話す」、そして「俺も奴隷達も退屈な生活をしてるのにあいつ等は歌ってる」などという詩は、グローバリズム(地球主義)や自由貿易の見せかけを拒絶し普通の人々のために戦うロッカーやラッパー達に共鳴する。彼等は自由を奪おうとする世界貿易機構や他の公共団体を攻撃しているのだ。

このアルバムはいろんな意味で話題をよぶであろう。

まず第一にザックが参加する「レイジ」のスタジオ・アルバムはこのアルバムで最後である。すでに「彼は何年もすればレイジに戻る」と言う人は多いが、当たり前のことではあるがそんな保証は全くと言っても良いほど無い。

第二に最後のアルバムがカヴァー・アルバムになったバンドは実に少ない。まして「レイジ」ほどのバンドがラスト・アルバムをカヴァー・アルバムにした例はほとんどと言っても無い。

第三にこのアルバムのカヴァー・ジャケットは4種類ある。パターンは同じでも4種類の色の異なるジャケットがある。その4という数字はレイジのメンバーの数なのか、それとも違う意味を持っているのか?

最後に“レネゲイズ”というタイトル…実に意味深である。日本語に訳せば「背教者、反逆者、裏切り者、等々」と色様々な解釈が出来る。「レイジ」はこのRENEGADESという単語で何を意味しているのか?

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