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プリンス・ビーことアトレルと、DJミニットミックス(DJ Minutemix)ことジャレット(Jarrett Cordes)のコーズ兄弟によって80年代後半に結成されたグループ。

1991年にデビュー・アルバム「Of The Heart, Of The Soul and Of The Cross: The Utopian Experience」を発表すると、スパンダー・バレエ(Spandau Ballet)の83年ヒット「True」などをサンプリングした「Set Adrift On Memory Bliss」が話題を呼び、全米チャート1位、全英チャート最高3位のヒットを記録。

ラップ・グループとして紹介されることも多い彼らだが、1992年に映画『ブーメラン』のサウンドトラックに提供し、全米チャート最高3位のヒットにもなったR&Bバラード「I’d Die Without You」のように、プリンス・ビーはラップだけでなくその歌声も得意としていた。またDJミニットミックスによってビートルズ、モンキーズ、ディープ・パープル、クラフトワーク、チック・コリア、中村照夫など多彩な楽曲をサンプリングし、P.M.ドーンはヒップホップ、ソウル、R&B、ポップを縦断して活躍したグループだった。「I’d Die Without You」は後にブランディ(Brandy)、チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)らもカバーしている。

1995年の3作目「Jesus Wept」のセールス不振もあって徐々に活動は停滞していき、一時は表舞台から消えるが、「かつてのスター」たちが登場し、自身のヒットと、他のアーティストによる近年のヒットのカバーを披露して競うTV番組『Hit Me, Baby, One More Time』に2005年に出演。出演前にはプリンス・ビーが脳卒中で倒れ、麻痺が残っている状態だったものの、DJミニットミックス、そして新たに加入したドック・Gの支えもあって共に出演、見事に勝利を手にし、話題になった。だが、プリンス・ビーの病状は悪化し、DJミニットミックスはソロ活動のためにグループを脱退。以降のP.M.ドーンはドック・G主導のプロジェクトとなっていた。

2011年にシアトルの新聞が行ったドック・Gのインタビューでは、彼はプリンス・ビーの容態について「正直、厳しい状態が続いている。ここ最近はあまりよくない」、「左足の一部が壊疽し始めているんだ」と話していた。

2016年6月17日、プリンス・ビーは地元ニュージャージー州の病院で亡くなった。糖尿病を患っており、腎疾患などに苦しんでいたことが明かされている。