【速レポ】<中津川 WILD WOOD 2026>黒夢、地元へ帰還「中津川! ここで開催されるフェスに黒夢として出られてよろこんでいます」

ミスフィッツの「Last Caress」が流れ、Wonderwallステージに歓声が沸き上がった。こんなひとでなしソングを登場のSE代わりに使う黒夢も、それを聴いて盛り上がる黒夢のファンもどうかしていると思うが(いや、俺もこの曲は大好きだぜ)、ライブの始まるを告げる「Last Caress」を聴き、興奮が一気に高まる気持ちも、オンステージするやいなや、いきなり「イエー!カモーン!中津川!」と煽りたおす清春(Vo)に応え、「イエー!!」と返す観客の気持ちは確かに理解できる。なぜなら、何と言っても今回のライブは黒夢にとって記念すべきホームカミングなのだから、彼らにとっても地元のファンにとってもその感慨は一入だ。
ギターのカッティングとユニゾンでリズムを刻みながら、シングル音源の数倍速い演奏にオブリを加える人時(B)のベースプレイも聴きどころだった「少年」を、激情剥き出しのシャウトで披露して、観客に拳を振らせた直後、「こんな田舎まで来てくれてありがとうございます!」と挨拶した清春は岐阜県の多治見、そして人時は同県土岐の出身。つまり2人の故郷の隣町(の範疇)と言える中津川はもはや地元と言ってもいいと思うのだが、「そこで開催されるフェスに黒夢として出られてよろこんでいます。地元の人でも来ない中津川に、びっくりするぐらい人が集まってて」(清春)、「(地元の)言葉を聞いて懐かしかった。うれしい気持ちでいっぱいです」(人時)と2人は黒夢のホームカミングが実現した歓びや地元への愛着を曲と曲の合間に言葉にしていった。


「多治見、土岐、黒夢、清春、人時。今日はこの5つだけ覚えていってください(笑)」──清春
そして、清春は「今回の出演者の中で“中津川”って一番言い慣れてるのは俺らだ」と言いながら、何度、「中津川!」と叫んだことだろう。
「来年も出たいです。ただし、57歳と54歳。体力がありません。フェスにもなかなか慣れません。みんなのほうがフェス慣れしているんだから、そんな僕らをどうか盛り立ててほしい」──清春


どこまでが本気なのか冗談なのかはさておき、清春がそんなことを言いながら、黒夢がこの日、演奏したのは1曲目の「少年」をはじめ、ファンにはお馴染みの代表曲の数々だ。パンクなロックンロールの「Spray」、「C.Y.HEAD」と「後遺症」はともに2ビートのハードコアだが、観客がシンガロングした「後遺症」では人時が地鳴りのような低音をトレモロピッキングで鳴らすガッツを見せる。
そんな人時と「曲知らないかもしれないけど、適当にやってください。中津川って適当な場所です(笑)。体を動かさないと、エコノミー症候群になる」などと終始、人を食ったことを言いつづけ、観客を煙に巻く清春をサポートするメンバーは、もはやファンにはお馴染みだろう。THE&のSATOKO(Dr)とThe BONEZのKOKI(G)のふたり。プレイ、ビジュアルともに現在の黒夢にフィットしていることは、誰もが認めるところだろう。


「今のロックの人たちは我慢しながらやってるけど、俺らは昔のロックの人なんで、疲れたらやらない。でも、もうちょっとやろうと思います」──清春
もう1曲、2ビートのハードコアナンバー「CANDY」を挑むように観客にぶつけ、血気盛んな観客にダイブさせると、そこから一転、歌ものと言える「Like@Angel」と「BEAMS」を繋げ、最後は激情を迸らせるだけじゃない黒夢の魅力を観客の記憶に印象づける。
観客にマイクを向け、シンガロングを誘った前者は、清春と人時が掛け合う歌も聴きどころだった。そして、KOKIが空間系のギターを鳴らしたニューウェーブなロックナンバーの後者は、清春がパンクナンバーを歌う時とは一味違う官能的な歌声をじっと聴き入る観客の胸に染み渡らせ、エンディング。

そこで、「サンキュー」と言って、ステージを降りてもよかった。しかし、清春は叫ばずにいられなかったようだ。
「中津川! 中津川! 中津川WILD WOOD! 来年も続きますよう願ってます。中津川! ピース!」
取材・文◎山口智男
撮影◎木下マリ
■セットリスト 【Wonderwall】
1.少年
2.Spray
3.C.Y.HEAD
4.後遺症
5.CANDY
6.Like@Angel
7.BEAMS
■<中津川 WILD WOOD 2026>
9月19日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月20日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
〒509-9132 岐阜県中津川市茄子川1683-797
open10:00 / start11:00 / 21:00終演予定
▼出演アーティスト ※A-Z順
【9/19(土)】
10-FEET / dustbox / GLIM SPANKY / Hump Back / JUN SKY WALKER(S) / 神はサイコロを振らない / KREVA / 黒夢 / Lucky Kilimanjaro / Omoinotake / Original Love & CADEJO / Penthouse / 礼賛 / レトロリロン / スガ シカオ / 水曜日のカンパネラ / 東京スカパラダイスオーケストラ / ユニコーン / 水平線(Opening Act)
【9/20(日)】
浅井健⼀ / THE BAWDIES / THE CHERRY COKE$ / FLYING KIDS / HEY-SMITH / 黒木渚 / moon drop / ねぐせ。 / 日食なつこ / Nothing’s Carved In Stone / OKAMOTO’S / サバシスター / 聖飢魔II /ストレイテナー / 竹内アンナ / 土岐麻子×和田唱×川口大輔 / w.o.d. / ヤバイTシャツ屋さん / ヤングスキニー / 板歯目(Opening Act)







