【インタビュー】DEZERT、結成15周年とバンド初の試み『Alternate4』を語る「どう音楽と向き合うか、今からをどう生きていくか」

DEZERTが東名阪ホールツアー<DEZERT 15th ANNIVERSARY HALL TOUR 2026 “Welcome To My Beginning”>にて会場限定CD『Alternate4』をリリースする。同作品は千秋(Vo)、Miyako (G)、Sacchan (B)、SORA (Dr)がそれぞれ作曲した4曲(各曲Instrumental含む計8曲)を収録するなど、バンド初の試みとして届けられるものだ。
収録4曲にはメンバー個々の音楽的キャラクターや彩りが鮮やかに発揮されたと言っていい。という意味では、サウンドエリアを果てなく押し広げつつも、その奥底に脈打つのは紛れもない彼ら自身の血肉であり、15周年の新たなスタートを前に、変わらぬ本質と広がり続ける可能性を証明した仕上がりだ。
ホールツアー<Welcome To My Beginning>初日公演を間近に控えた4人に、日本武道館公演や47都道府県ツアーと幕張メッセ公演を経ての心境の変化、結成15周年を迎えての現在モード、そして会場限定CD『Alternate4』についてじっくりと語ってもらった12,000字超えのロングインタビューをお届けしたい。
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■9割9分9厘千秋くんが曲作りしてくれていたけど
■バンドのため全員が作曲することに何の異論もない
──バンド結成15周年を迎えて『DEZERT 15th ANNIVERSARY PROJECT』がスタートしていますので、改めて活動を振り返りながら、バンドの現在モードについて聞かせてもらえればと思っています。まずは5月より、過去のアルバム再現ライヴシリーズ<DEZERT LIVE TOUR 2026「study」>が開催されました。今回は東京での4公演に続いて、初めて名古屋と大阪を加えた全8公演でのツアーでした。作品としては近作『The Heart Tree』(2024年発表)までを振り返るツアーとなりましたが、手応えや感触はどうでしたか?
SORA:改めて、いろんなことがありすぎたバンドなので、それも含めて15周年はバンドを続けていく楽しさや、何のためにバンドを続けるのかについて…個人的には“人生”としてフォーカスしてるんです。曲たちがあるからバンドができるわけじゃないですか。それをライヴで演奏するから、僕もそうですけどファンの子の日々の活力にもなったりする。それがバンドだと思うんです。
──<study>ではそれを振り返ることもできますね。
SORA:過去の曲を演奏していると、その頃のことが無意識に思い出されるというか。今回のツアーは、“今の感性だとこう思う”と感じることが、これまでの<study>で一番濃かったです。今、演奏してみると“もっとこうできる”って当たり前なことを思える幸せというか。それを噛み締めながら最近はドラムを叩いてますね。

──Sacchanはどうでしたか。
Sacchan:ライヴとしての感触は、普段のライヴと変わりないと言えば変わりないんですが、“サブタイトルに冠したアルバムを全部再現する”というコンセプトなので、とにかく曲数が多いし、毎日セットリストが全然違う。そういうところで、情けない話、昔なら余裕でできていたことが、少し歳もとってくると、思っている通りにできないことが増えてきてしまった感がありまして。その原因が、曲が多いからなのか、昔に比べて体も少し老いてきてしまっているからなのか。そういうのも含めて、自分のコンディションや体や脳みそと向き合うことが多かったのが正直なところかもしれないですね。<study>っていうタイトルでいうと、自分の中で勉強になるみたいなところがかなり強い公演だった印象があります、今回は特に。
──作品としては初期の作品から近作の『The Heart Tree』までを振り返るという、かなり幅広い内容のツアーでもあったので、いろいろ思うことはありそうですね。
Miyako:<study>は、東京では過去何回もやっているんですけど、いつも大変で苦戦するイメージというか。アルバムを全曲やるということで、普段やらない曲もセットリストに入ってくるし、さらに今回は『The Heart Tree』までやる内容だったので。でも、47都道府県ツアーを回って、その中で結構いろんな曲をやったから、わりと曲が体の中に入っていた感じもありました。そういう中で<study>だからできること、 例えば“セットリストをこういう流れでやってみよう”とか“リズムをこうとりながら演奏してみよう”とか、そういうことをスタジオで話しながら、みんなで新たな学びだったりを求めてやれたのは大きな経験になったんじゃないかなって思います。

──千秋さんはいかがでしたか。
千秋:ワンマンという限られた時間の中で、いろいろな曲ができる公演ではないけど、たくさんの人が来てくれる。それってめちゃくちゃ楽しいじゃないですか。こんな機会は他にないので、シンプルに“ありがとう”という感じ。まじでそれだけですよ。
──47都道府県の話も出ましたが、 2024年12月に武道館公演があり、2025年は47都道府県ツアーを行なって、そのファイナルに幕張メッセイベントホール公演がありと、ふたつのアリーナ公演を経て、ここからバンドとしてはどういうところ向かっていくのかなど、これからについての話はあったりするんですか。
千秋:僕的にはとにかく、音楽を言い訳にしたくないって思ったんです。幕張メッセが終わって思ったのは、人生というか、みんなでどうやって生きていくかで。ひとりで生きたかったらひとりで生きればいいし、俺はひとりで生きていけないので、メンバーがいてファンがいて。15年やって今思ったことが、昔を否定するわけじゃないけど、“今からどうやって生きていこうかな”ということにフォーカスしていて。
──それは千秋さんとしては、初めての感覚ですか。
千秋:うっすらと持っていたんですけど、気づきましたね。みんないろいろな事情があるじゃないですか。相手を尊重することと我儘を通すことのバランスを考えて、これが生きていくってことなのかなと思ったり。“何が幸せかな”とか“自分だけが幸せになることが幸せなのかい?”とか、哲学的なことをいろいろ考えたりしていて。それを含めた上で、どう他人と関わっていくか。音楽っていうツールを使ってるんだから、どう音楽と向き合うかがすごくテーマになっていますね。

──それは、今回の会場限定CD『Alternate4』の内容にも通じてくるのかなと思うので、その話もしようかなと思うんですけれども。今回は4人それぞれが作曲した4曲を収録した作品となりました。DEZERTとしては初の試みですが、このタイミングでこの手法を取ったのはどういう思いからだったんですか。まずこの発起人は誰だったのかというところも含めて聞かせてください。
千秋:最初は…SORAくんじゃない?
SORA:そうですね。武道館や47都道府県ツアーや幕張メッセを含め、いろんなことをやってきて、僕も今、千秋が話したことと同じような、“どう生きていこうかな”という思いがあって。僕はずっと、やりたいことしかやりたくないっていう、子どもな考えを持ったままバンドを始めて、バンドしかしたくねえみたいな、本当にそれだけでやってきたので。いろいろなことがあった上でバンドを続けていく、その続け方を考えた時期だったんですけど。もう続けていくのが辛いと思った時期もあった中で、メンバーともいろんな話をして、さっき千秋も「音楽を言い訳にしたくない」と言ってましたけど、もっとちゃんと音楽と向き合わないと、と思う気持ちが強くなったんです。
──と言いますと?
SORA:DEZERTは千秋をメインコンポーザーに活動してきて。それは素晴らしいことですけど、“千秋が曲作るからいいか”みたいに甘えてた部分もあったと思うし。“じゃあ俺は違うことをやろう”とか、そういうことでバランスが取れたバンドだったと思うんです。でも音楽がしたくてバンドやってるのに、自分の所属しているバンドで自分の曲がないって寂しいなじゃないけど。曲を作ることで、見え方も変わるだろうし、千秋の気持ちとかステージに立ってる人の気持ちも分かって開花していくだろうし。僕も音楽人になりたいなっていう気持ちと、15周年だし、ちゃんとバンドしたいなっていう気持ちで、「みんなで曲作んねぇ?」って話をした気がします。
──それが具体的にいつ頃だったか覚えてますか?
SORA:今年4月の中旬ぐらいかな。幕張メッセが終わって、自分の精神を統一するためにじゃないけど、僕は海外に逃げたんですよ。海外の知らない街並みを歩いていると、いろんなところから音楽が聴こえてきて。 “こういう曲をDEZERTでやったらどうだろう”とか“こういう映像を作ったほうがいいな”とか、無意識にアイデアをメモしていて。“じゃあそれ、少しは自分でやれよ”と思って。

──「4人それぞれで曲作ってみないか?」と提案したときの、メンバーからのリアクションはどうだったんですか。
SORA:ちゃんとバンドしたいって気持ちだったので、“いいんじゃない?”みたいな感じでしたね。
Sacchan:このバンドは今まで、9割9分9厘千秋くんが曲作りしてくれていたので、“おー”っていう話かもしれないけど。でも、みーちゃん(Miyako)だって今までのバンド歴で言えば、曲は当たり前に作れる人だし、SORA君も作れるし、僕もDEZERTで1〜2曲自分の曲もあるし。だから、“なるほど、そういうのもやってみたいよね、そういえば”って、改めてそういう機会を思い出したくらいの感覚で。“いやいや、このバンドは千秋くんが曲を作らないと意味がないんだよ”っていう、そういう側面も少しはあったのかもしれないですけど、バンドは4人いるので、 誰の曲だから云々みたいなことはないし。みんなバンドのために曲作るっていうところで、 何の異論もないなと素直に思いました。
──そういう話が出てから、それぞれの曲作りが進んだのでしょうか?
Miyako:そうですね。ちょうど幕張メッセが終わったばかりで時間もあったから、各々が制作に向かったんだと思います。
──ちなみにMiyakoさんは何曲くらい作られたんですか?
Miyako:たしか5曲ですね。久しぶりの作曲でしたし、自分にとってもチャレンジングなことだったので。たとえば千秋くんの曲ってデモの段階から素晴らしいんですけど、自分がその中で書ける曲ってどういうものなんだろう?っていうところから始まって。せっかくならいろいろなタイプの曲を出したかったのでバリエーションをつけて、作りました。
──結構たくさん作られたんですね。SORAさんも?
SORA:みんなに聴かせたのは20曲くらいじゃないですかね。良い悪いは置いておいて。
千秋:僕は20〜30曲じゃないですかね。
Sacchan:僕は2曲でしたね。






