【速レポ】<中津川 WILD WOOD 2026>水曜日のカンパネラ、突き抜けたポップセンスと独創性「自分のことを愛する活動を」

昨年に引き続きの出演となった水曜日のカンパネラは、カオスでポップでハッピーで、突き抜けすぎていた。始まる前からWonderwallは黒山の人だかり。そんな期待感が渦巻く中、オープニングナンバーとなった「怪獣島」を響けばステージにはサウンドプロデューサーであるケンモチヒデフミがグリーンの怪獣と一体となって登場し、ステージを練り歩く。“じゃあ、詩羽はどこだ!?”と見回すと、何と客席後方から観客を突っ切ってステージへ向かっていくという、ただじゃ始まらない、そんなインパクト大の幕開けだ。
数多の観客に埋もれて詩羽の姿は見えづらいながら、そんなことは構わず盛り上がる観客。水カンはその飛び抜けた世界観を持つだけあって、魅せるアーティストのようなイメージもあるが、ライヴも観れば一目瞭然、完全に体験型だ。詩羽もケンモチも観客も自らを解放し、それらが大きな塊となって素晴らしきエンターテインメントとして昇華される。みんな、とにかく楽しそうなのだ。

詩羽もステージに辿り着き、ステージ上にようやくふたりが揃ったところから、間髪入れず「バッキンガム」へと突入していくタイミングもいい。疾走感のあるトラックの上でキレッキレな言葉をキュートに飛ばしたかと思えば、読経のようなニュアンスでも歌い上げ、自由自在な巧みさで魅了する詩羽が「準備できてますかー?」と問いかければ、大きなコールで観客も応えていく。
「水曜日のカンパネラのライヴはみんなで声を出したり、手を挙げたり、一緒に最高のパフォーマンスを作り上げていく」と詩羽が改めて語り、「皆さんのお声をいただきたい楽曲を」として続けていったのが「シャトーブリアン」だった。声が欲しい掛け合いのレクチャーを経て披露したが、もはや準備はいらなかったんじゃないか!?というぐらい、そこら中から《シャトーブリアン》という叫びが聴こえてくる。繰り返し叫べば叫ぶほど口が気持ちいい言葉でWonderwall全体が色めき立っていき、すべてを先導する詩羽のヒロインガール的立ち姿がとても印象的だったことは触れておきたい。


軽快なビートの上、風に乗ってるようなしなやかな歌を響かせた「聖徳太子」、引き連れたダンサー2人が幻想的なテキスタイルをまとわせた扇子を振り、まるで映画のワンシーン的光景に惹かれた「サマータイムゴースト」と前半戦だけでも見所しかない充実の内容が展開されていく。
もちろん、後半戦も怒涛の展開。ダンサーがふたりのみならず、中津川を中心に活動している“Dance team SQUAD”と“スタジオf”のキッズダンサーも登場し、プログレッシヴでアッパーなトラックを浴びながらコンココンダンスが広がった「たまものまえ」、ブラッシュアップされまくったユーロビートにどこか懐かしい歌メロが施され、ケンモチもピンクのペンライトを景気よく振り回した「スキピオ」と連投し、行くところまで行くぞ!という流れ。


そしてここで、「いろんなフェスで言ってることなんですけど」と前置きして詩羽が自身の信条を改めて伝えていく。
「ステージの上で自分の好きな服を着て、好きなメイクをして、好きな髪型をして、好きな自分でいることで、皆さんの前に立っていたいと思っていまして。何かにぶつかった瞬間、自分のことを愛する活動をしてるヤツがいたな、と思い出してもらえたらと思っております」――詩羽


そこから愛を水カン流で問う「ウォーアイニー」をプレイし、SNSでも大バズリした「エジソン」へ。詩羽のラップも気持ちよく、コール&レスポンスも絶好調。観客それぞれが思うダンスで体を揺らし、最後の曲として届けられたのが「招き猫」。軽やかなビートで言葉が舞う中毒性が凄まじく高いナンバーだ。サビでは《招き》と《祓い》に合わせて定番のダンスが起こり、まさしく最高潮。曲が始まったタイミングでステージに登場した巨大な招き猫でケンモチの姿は一切見えなくなったが、それもまた一興。水カンのライヴならそれも飲み込める面白さだった。
常に盛り上がり続けた観客へ向けて、「みんなー! 愛してるよー! またねっ!」と声をかけ、ステージを後にした詩羽。初めてとか関係なく、そんなハードルはひとっ飛びで乗り越える突き抜けたポップセンスとクリエイティビティ。浴びて良し、噛んで良し、飲み込んで尚良し。水カンは無敵なのかもしれない。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎木下マリ
■セットリスト 【Wonderwall】
1.怪獣島
2.バッキンガム
3.シャトーブリアン
4.聖徳太子
5.サマータイムゴースト
6.たまものまえ
7.スキピオ
8.ウォーアイニー
9.エジソン
10.招き猫
■<中津川 WILD WOOD 2026>
9月19日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月20日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
〒509-9132 岐阜県中津川市茄子川1683-797
open10:00 / start11:00 / 21:00終演予定
▼出演アーティスト ※A-Z順
【9/19(土)】
10-FEET / dustbox / GLIM SPANKY / Hump Back / JUN SKY WALKER(S) / 神はサイコロを振らない / KREVA / 黒夢 / Lucky Kilimanjaro / Omoinotake / Original Love & CADEJO / Penthouse / 礼賛 / レトロリロン / スガ シカオ / 水曜日のカンパネラ / 東京スカパラダイスオーケストラ / ユニコーン / 水平線(Opening Act)
【9/20(日)】
浅井健⼀ / THE BAWDIES / THE CHERRY COKE$ / FLYING KIDS / HEY-SMITH / 黒木渚 / moon drop / ねぐせ。 / 日食なつこ / Nothing’s Carved In Stone / OKAMOTO’S / サバシスター / 聖飢魔II /ストレイテナー / 竹内アンナ / 土岐麻子×和田唱×川口大輔 / w.o.d. / ヤバイTシャツ屋さん / ヤングスキニー / 板歯目(Opening Act)







