『ちんすこう』/V.A. A circle records 2001年7月19日発売 WINN-82077 1,800(tax in)
IN-HIの琉球スタイルパンクソング「新垣ちんすこう」から、ラストはCINEMA dub MONKSによる映画サントラのようなアンビエントミュージックまで、9バンド9曲を収録。沖縄インディーズシーンの集大成、と言ってもそのサウンドの多様さには驚きと新鮮さを感じさせる。 収録された9バンド共R&R、ロカビリー、ハードコアなどといったサウンドを初期衝動的ベースに、さまざまな音楽同士を結びつけた21世紀のロックスタイルを聴かせている。さらに沖縄といえば、もともと芸能の国。それぞれ幼い頃培った環境などが微妙に繁栄され、こんな多彩な表情が作られたのではないだろうか。 |
▲沖縄銘菓といえば「ちんすこう」。唐時代の中国菓子の影響を受けたもので、今なお伝統の味が残され続けている。<ちんすこうNITE!!>が行なわれた大阪・東京・沖縄各地で、このお菓子が入場者全員に配られました。 | ▲Anger From Ball | 初日のトップバッターはトランスサイケ・プログレッシヴトリオ、Anger From Ball。
彼らは自由にズンズンとかつリズミカルに楽器を操り、まるで会話をするかのように演奏を楽しんでいた。
続いては東京在住ながらコンピレーション盤にも参加、最近は久し振りに2ndアルバムをリリースと元気が良いGAS BURNER。ライヴ定番となっているイルカの名曲「なごり雪」も披露した。
そしてロカビリースタイルのR&Rバンド、THE BEATLE CRUSHERが、ウッドベースで客席を煽っている。方言を歌詞にふんだんに取り入れ、琉球のリズムを生むスタイルは宮古島出身の彼らならではの主張、演出として見せてくれた。
次は女性3人組ながら、パワフルな演奏で場内を沸かせたのがBLEACH。ほとんどノンMCで、愛想というより狂気に近いオーラと緊張感みなぎるステージは拍手モノ。
そして、初日のラストはThe Junky JAP Dogs。3人とも白いつなぎで決めたクールガイ揃い! ガッツあふれるロックンロールナンバーを矢継ぎ早に演奏、客席をKOした。
2日目は、暗い場内にスライドを映し、オリエンタルダブにピアニカやトロンボーンでニューウェイヴテイストを醸し出すCINEMA dub MONKSの3人からスタート。ジャズっぽいウッドベースが印象に残った。
場面は一転、打ち込みをリズムスタイルとし、初期ハードコアをデジタル解釈としたのが牙の3人。がサウンドよりも、ガスマスク装着で登場したキーボード奏者のカンフー姿や、短パン脱いでトランクス一丁で大暴れ、といったパフォーマンスの方に目を奪われてしまった。
続くKABUKIは初期パンクに触発されたトリオバンド。スタイル、サウンド、共にスピリチュアルな形が勇ましい。肩に力が入りすぎた場面は御愛敬、しかし、今後が大いに期待できるグループだ。
▲IN-HI | ……と思ったら場内が異様な雰囲気に包まれる。IN-HIの登場を待つオーディエンスが前方に押し寄せる(ところがIN-HIではなく、“ルンルン金城”と名乗る謎のMCが登場。漫談を繰り広げ場内は一時大喝采となった)。IN-HIといえば、琉球民謡のフレーズを所々に散りばめたパンクスタイルで現在の沖縄バンドブームの立て役者。この日も当然、ヒットナンバーを中心にブっとばしてくれた。
そして、2日間に渡るイベントの大トリはRYUKYU FREE STYLE。ウッドベースを使用したロカビリースタイルの3ピースバンドだ。長身&リーゼントがカッコいい! 現在、若手ナンバーワンとして、ブレイクが最も期待されている。アグレッシヴなパンカベリーサウンドをたっぷり聴かせてくれたメンバー。アンコールで再登場した様子は、多少照れたながらも堂々とした姿を見せていた。 |
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