2001年7月14日@下北沢Shelterのライヴレポ!
'94年にマルチアーティスト、ヨシノモモコと3ピースギターロックバンド、ロンロンクルーが合体という下北キッズにとっては夢のような組み合わせによりスタ-トしたthe AUTOMATICS。お互いのスケジュールや、気分的なものもあって4年振りとなった新作を従えての今回のライヴは、ソールドアウトという形でファンやオリンピック並みのレアさで活動するメンバーの期待をあおるに十分なお膳立てがされた。この日はゲストにヨシノがレギュラーバンドとして活動するチロリアンテープ・チャプター4での盟友、岩島篤率いるYoung Skinsをフィーチャー、これはヨシノのタイトルにあるパーティを意識したセッティングである。ベース、ドラム、ピアノという特異のギタ-レストリオは、リズムとメロディをうまく絡ませたグルーヴミュ-ジックを演奏。加えて一癖も二癖もあるメンバーのキャラクターも相まみえて、何とも言えないオルタナ感を発散、客席を沸かす。8時になり、いよいよAUTOMATICSの登場である。紺のバンドTシャツを誇らしげに着た何とも嬉しそうなヨシノの表情から、ひょっとしたらこの日を一番に心待ちにしていたのは当の本人なんじゃないか、と伺われた。ライヴは新曲旧曲に混じってカヴァー曲(何とモーニング娘。まで飛び出した)も彼等流のサウンドにアレンジされ、アニメーションソングにぴったりという今作の内容に側した出来。「今日はパ-ティだからゆっくりね。」と1曲ごとに客席と会話するMCを挟み、全体で和やかな雰囲気の中、(それでも2曲目でファンが前列に押し寄せ、ヨシノが慌てる顛末もあったがそれも愛敬!)ライヴは進行。あまりに喋る過ぎるヨシノに突っ込みを入れるベースのウラ、クールなギタリストを演じるアライ、ドラムのツノダもリラックスしてライヴを楽しんでいるようだ。後半、「Morelities」では、ハチ馬八(デキシード・ザ・エモンズ、Young Skins)がCD同様、コーラスの乱入! 嬉しいハプニングだ。この曲をリメイクできただけでも2ndを作った甲斐があったというヨシノ。ラスト寸前、アンコールは無しという発言に、エーっと客席。しかし“もし終わって、そういう雰囲気ならもう一曲”と言われ盛り上がらない訳がない。本編ラストの「AUTOMATIC ERASER」の後、異例のボーナス・ソングが演奏された。「もう曲がない!」の挨拶でパーティは終了。今後、7月21日の大阪、8月25日の神戸のライヴをもって再び眠りにつくという。気まぐれなユニットはメンバーの気持ちが高まったときに現われる。だからこそこの瞬間は最高のものとなり、また合う日が一段と楽しみになるのだろう。